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二人で誓ったあの日から

こんにちは、ゆのまると申します。


今日は、私達の結婚式からちょうど一年。式を挙げた神社にお参りし、披露宴をするはずだったお店で特別なお食事をしてきました。

結婚式を挙げたのは、2020年10月10日。なんとも語呂のいい日付ですが、この日に決めたのはその一年前に遡ります。


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「結婚式は来年の10月10日です。なぜならその日は一番晴れやすいから!

2019年11月。両家顔合わせの席で高らかに宣言した私に対し、家族は「またまた~」と軽くスルー。しかし私はどこまでも本気でした。

これまで数多の学校行事と旅行を台風で潰され、東京駅で6時間足止めを食らったこともある私は、カイオーガもびっくりの嵐を呼ぶ女。週末のちょっとしたお出かけレベルで雨を降らせるのだから、一生に一度の晴れ舞台となったら、記録的な大嵐となっても不思議はありません。

今はスポーツの日と名前が変わりましたが、統計上晴れやすく、1964年の東京オリンピックの開会式でもあった10月10日なら、きっと大丈夫、いやそうであってくれと願いを込めて、結婚式の日取りを決めました。


日にちが決まれば、次は場所。お互い無宗教かつウエディングドレスより白無垢が着たかったので、神社を中心に探し始めました。そしてはたと思いついたのが、「誓いを立てるなら天照大御神がいい」という直感。

伊勢も出雲も訪れたことがありますが、不思議とご縁を感じたのは伊勢の方でした。

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あの広大な敷地の豊かな自然から、パワーをもらえたのかもしれません。参道を歩くと自然と背筋が伸び、素直な気持ちでお参りすることができました。

そして極めつけは、長野県松本市の四柱神社にお参りした時のこと。

ここでは天之御中主神・高皇産霊神・神皇産霊神・天照大御神をお祀りしており、すべての願いが叶うともいわれています。松本に行く機会があって旅行ガイドを眺めていると、こちらの神社を発見。松本城への道すがら、訪れることにしました。

お参りを済ませていつもどおりおみくじを引いてみると、そこに書かれていたのは……

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「恋愛 良い人です信じなさい」という、強すぎるメッセージ。この頃ちょうど夫との交際を始めたばかりで、夫と天照大御神に運命を感じざるを得ませんでした。

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(傑作和風RPG『大神』で、アマテラスになって野山を駆け巡っていたのも理由の一つとか)

それらの経緯があり、数ある神社の中から選んだのは芝大神宮。候補の神社をいくつか下見し、周りの雰囲気も含めて「ここしかない」と感じました。場所探しだけでなく、衣装も招待客もほとんど即決。こういう時は決断が早い自分の性格(とそれを許してくれた夫)に感謝感謝でした。


式場の予約、入籍を済ませ、衣装や引き出物も決まって後は招待状を送るだけ。しかしそこで大きな障害となったのが、この流行り病でした。

昨年の夏、都内の感染者は右肩上がりに増加していました。日々ワイドショーが騒ぎ立て、対策はとにかく密を避けること。私達も感染者の数字を睨みつつ、何度もプランナーさんと打ち合わせを重ねました。

客席間を空けるため、招待客は厳選。招待するはずだった祖父母や甥姪には遠慮してもらい、広めの会場に変更することも検討しました。けれど、この先の見通しなんて誰も立つはずがなく、「涼しくなったら減るかも」なんて希望的観測にすがるしかありませんでした。

キャンセル期限も迫る中、私達がどうしても拭えなかったのは、「強行して誰かに何かあったらどうする?」という不安です。

それぞれの親族には、医療従事者や教育関係者もいます。都内で一人暮らししている友人にだって大切な家族がいるし、地方から来てくれるはずの友人は、周囲からの冷たい目に悩むかもしれません。

実施か、延期か、中止か。

明るい未来が一つも見えない中、夫と何度も話し合いました。そして最終的な判断の決め手となったのは、「何のために結婚式をしたいのか?」という問いでした。

すでに同じ家に住んで籍は入れているし、親族や友人への顔見せも済んでいます。それならば足りないものは。

「これから二人で生きていくと誰かに誓うこと」。つまり、けじめでした。


この考えを夫に話し、私達は二人だけで結婚式を挙げることにしました。

友人も、家族も呼ばない、二人だけの式。ただ神様の前で、誓いを立てる場。

友人達はこの決断に、どこかホッとした様子で賛成してくれましたが、結局最後まで私側の家族の理解は得られませんでした。

「結婚式は、これまでお世話になった家族のためにやるものだろう」という家族側の主張とは平行線のまま、ほとんど喧嘩別れのような状態でした。ただ一人の母親にすら、花嫁姿をその目で見せない。そんな決断をした私は、ひどく親不孝なのかもしれませんね。


けれど、結婚式当日。

しとしとと雨の降る中(やっぱり雨……)、夫と二人で神前に向かった時、この選択は間違いじゃなかったと思えました。

数名の神主さんと巫女さんにより、厳かに式は進んでいきます。いくつかの作法があったので、それを忘れないようにという意識はありましたが、それ以外はひたすらに祈り続けていました。

「私は隣にいる夫と生きていきます。まだまだひよっこな私達ですが、どうかお見守りください」

この場に誰がいようと、いまいと。神主さんの祝詞を耳にしながら、心の中にあったのはそんな気持ちでした。


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「病める時も、健やかな時も……」とはいいますが、まさかこの結婚式の三日後に私がメンタルブレイクするなんて。

結婚式からもそうですが、あの辛かった日々からももう一年が経つとは、時の流れは本当に早いものです。メンクリに通ったり、noteを始めたり、退職したりといろいろなことがありましたが、どうにか心身ともに(だいたい)健康になることができました。

信心深くなく、初詣も行かない私達ですが、この時期にはこれまでの報告とお礼とでお参りすることにしています。今日はその一回目でしたが、来年、再来年もまた。

「おかげさまで無事に過ごすことができました。また一年、よろしくお願いします」と二人並んで拝み、気持ち新たに節目を迎えることができるのは、なかなか素敵なことだと思います。

この一年たくさん夫に支えてもらった分、今度は私が力になりたい。

とっておきのお料理をいただきながら、そんな思いを抱いた結婚式記念日でした。


(おまけ)

今日のお料理のおすそ分けです。ここのお豆腐と帆立が本当に好き。今回もとっても素敵なおもてなしでした。

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おしまい。


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