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Whitesnake「Saints An' Sinners」(1982)

バーニー・マースデンが亡くなられました。最近、彼のソロアルバムはなかなか聴き応えがあると思っていた矢先の訃報、残念です。
バーニーといえばホワイトスネイク。本作はバーニー脱退後の作品ですが、ホワイトスネイクが商業的に大ヒットする前夜の、その息吹が感じられるアルバムです。

本作は1982年発表の作品。それまでのメンバーはデイヴィッドにミッキー・ムーディーバーニー・マースデンジョン・ロード二ール・マーレイイアン・ペイス。1981年秋に本作のレコーディングに入るのですが、音楽的な対立が生じ、ジョンとバーニーはソロアルバム制作に、イアンとニールはゲイリー・ムーアとの活動を開始します。
そしてデイヴィッドはこのメンバーでのベーシックトラックにメル・ギャリー(g)を加えてアルバムを完成させます。ですから本作のクレジットは誰もなく、裏ジャケットはデイヴィッド一人が歌っている姿しかありません。本作が酷評される大きな理由として、メンバーが固まらないなかで早急に発表されたことから纏まりないということが挙げられますが、個人的には楽曲自体は結構いいと思ってます。

このアルバム発表と前後して、私の敬愛するコージー・パウエル(Ds)が参加。そしてミッキー、ジョンが戻り、前述のメルにコリン・ホジキンスン(B)が加わり、活動が再開されます。

このアルバムには後にアメリカでブレイクすることとなる「Whitesnake」(サーペンスアルバム)に収録された名曲「Crying In The Rain」と「Here I Go Again」のオリジナルバージョンが収録されてます。ちなみに⑥「Here I Go Again」のPVを発見したのですが、ドラムはなんとコージー! 
本作でのドラムはイアン・ペイスなので、オリジナルヴァージョンのPVのドラムもイアンと勝手に思ってました。要するに本作発表時点でのメンバーがデイヴィッド、ミッキー、ジョンにメル、コリンにコージーだった訳ですね。
それにしてもオリジナルのギターソロは迫力ないですね~。でもコージーのスティック捌きは相変わらず素晴らしい。

このメンバーでの強力なライブ映像も発見しました。楽曲は②「Rough An' Ready」。
カッコいいですよ。メル→ジョン→ミッキーとソロを取っていくところとか、なかなか見所のある映像です。コージーのドラムは迫力があるし、やっぱりデイヴィッドのヴォーカルはソウルフルで素晴らしい。

映像は後のホワイトスネイクのメンバーなので、あまり面白みのない被せ映像ですが、1曲目の素晴らしいハードロック①「Young Blood」もアップしておきます。典型的なハードロックですが、ギターのリフもカッコいいし・・・。この1曲目を聴いて本作が駄作であるといえるのかどうか、是非ご意見賜りたいですね。私はこの1曲目から引き込まれてしまいました。

エンディングのアルバムタイトルトラックである⑩「Saints An' Sinners」もアップしておきましょう。この曲なんかもブルージーでタメもあって、如何にもホワイトスネイク、というかデイヴィッドらしい曲だと思います。ちょっと後期のゼップっぽいかもしれませんね。

⑤「Crying In The Rain」にも触れておかないといけませんね。
私のこの曲のイメージはトミー・アルドリッジがやたらと手数の多いドラミングをしていたというもので、まさかコージーがこの曲を叩いていたとは知りませんでした。アップした映像は1985年のもの。ギターはすでにジョン・サイクスです。う~ん、やっぱりミッキー・ムーディより華がありますね。ジョンの壮絶ギターソロが堪能出来ます。というかこれでもか、これでもかという位に弾きまくってます!終いにはライトハンド奏法までも・・・。ジョン・サイクス&コージー・パウエルの貴重なライブ映像です。

本作のクオリティ、決して低くないですよね。本作の後、ホワイトスネイクはゲフィンと契約し、あの名作「Slide It In」を発表。米国進出を果たします。

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