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GARO「吟遊詩人」(1975)

ここ最近は、バッファロー・スプリングフィールドやCSN(若しくはCSN&Y)って素晴らしいなあと、改めて思っておりました。そんな流れから、このグループは外せないと思った次第。普通だったら絶対スルーしていたアーチストです。

ハイ…、GAROです(苦笑)。なんかちょっと気恥ずかしいのですが…。正直、GAROって「学生街の喫茶店」しか知りませんでした。もちろん日本のザ・フォーク、四畳半フォークのイメージ。あまり…、いや全く興味ありませんでした。ところがだいぶ前のレココレのシティポップ特集で、GAROの「吟遊詩人」ってアルバムが紹介されていたことを思い出し、ちょっとアルバムを聴いてビックリ…。特にタイトル・トラックの「吟遊詩人」には驚愕してしまったのです。

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もちろんご存じの方は今更なんですが、まず先にその曲⑩「吟遊詩人」を聴いてみて下さい。イントロの仰々しいロックな展開は無視するとして、その後のCSN&Yっぽい展開。こんなコーラス、日本のフォークでやっている方々いたとは…。また曲の展開もプログレ的でカッコいい。この展開はまさにCSNの世界。彼らが日本のCSNと呼ばれていたことは後から知った話。「学生街の喫茶店」の雰囲気は皆無ですね~。

これも後から知ったのですが、1972年に大ヒットした「学生街の喫茶店」はもともとシングルB面だった曲。しかも彼らの作詞作曲ではない楽曲だったんですね。これが空前の大ヒットを記録してしまったことで、彼らの運命は違う方向へ行ってしまった。
それから数年が過ぎ、1975年、彼らは本来の自分たちがやりたい音楽をやろうということで制作したアルバムが彼らの6枚目のオリジナルアルバム「吟遊詩人」だったわけです。このアルバム、全曲作詞:阿久悠、編曲:松任谷正隆。特にサウンドプロダクションでの松任谷正隆さんの仕事が功を奏しているのか、なかにはAOR的なアプローチの曲もあったりして…。

このアルバムに参加したミュージシャンは上原ゆかり・原田裕臣(Ds)、細野晴臣・寺尾次郎(B)、松任谷正隆(Key)、大村憲司・伊藤銀次(G)、シュガーベイブ・吉田美奈子(Cho)…。スゴイですね~。

アルバムトップの①「一本の煙草」は、アレンジが素晴らしい。
フォークギター1本だと四畳半フォークになるところを、ちょっとスティーリー・ダンっぽいラテン系のアレンジを施すことで、ちょっと洒落た音楽に聴こえてしまいます。アップしたのはライブ音源(聴きづらいですが)。

ちょっと音源がなくご紹介できなくて残念ですが、②「アドベンチャー」はシャッフルビートの明るいAOR系サウンドが特徴。④「愚かな遊び」も洒落たアレンジの楽曲。この2曲共、メロディアスなベースが特徴なんですが、こちらは細野晴臣さんのプレイ。細野さん、はっぴいえんどでのプレイもそうですが、この70年代前半から後半までの日本のロックシーンの最大の功労者かもしれませんね。
(ちなみに「学生街の喫茶店」のベースも細野さんでしたね)

本作中、もっとも往年のGAROらしい楽曲が③「個人的メッセージ」。
初期のオフコースっぽいフォーキーな名曲。シュガーベイブがコーラスで参加。実は曲のコーラスアレンジは山下達郎さんです。GARO+シュガーベイブのコーラスと、日本人好みのメロディが素晴らしいですね。

⑥「深夜映画」は3人のメンバー中、唯一ご存命の大野さんのロック色豊かなヴォーカルが堪能出来るナンバー。続く⑦「型破りな結婚式」はメンバーの日高さん作曲。彼の甘いヴォーカルが堪能出来る名バラード。
アップした音源は当時のライブ音源。最初は「アドベンチャー」、前述の通り、アップテンポなポップスで本作中、私の一番のお気に入り。3分54秒「個人的メッセージ」、9分38秒「深夜映画」、12分53秒「型破りな結婚式」、17分37秒「吟遊詩人」と続きます。お好きな曲のところを飛ばして聴いてみて下さい!

メンバー3人、堀内さん(マーク)、日高さん(トミー)、大野さん(ボーカル)、個性豊かなメンバーでした。彼らがCSNの「青い目のジュディ」をカバーした映像がありました。洋楽ファン、CSNファンは必見のスゴイ映像です...。カッコいい!!

その後のGAROは皆さんご存知の通り。「青い目のジュディ」なんかを見てみると、彼等ってもっと違ったアプローチも出来たのでは…と思ってしまいます。


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