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Iron Maiden「Powerslave」(1984)

今回、別の爽やかなフュージョンを用意していたのですが、今回の主人公、フロントマンの3度目の結婚の写真を数日前に見て、一瞬誰か分からず、その素顔、紳士然とした姿に驚愕…。ということで急遽、このバンドの代表作をアップすることにしました。

御相手はフランス人フィットネス・インストラクターのリアナ・ドルチさん

フロントマンとはアイアン・メイデンブルース・ディッキンソンです。御年65歳、15歳年下の方と3度目の結婚…とのこと。素晴らしいですね。おめでとうございます!

ブルースはアイアン・メイデンの2代目ヴォーカリストとして1981年に加入した方。今回ご紹介する作品は彼が加入して3枚目、メイデン通算5枚目のアルバムです。

ブルースは皆さん、ご存じのように国際線のパイロットでもあり、ロンドン大学クィーンメアリー校で歴史学を学んだインテリでもあります。小説家としての顔も持ち、そういった特性が、本作の独特の歌詞にも表れてますね。ブルースの世界観がうまく取り込まれてます。彼はとにかく多彩な方で、どうしたらそんな多方面の能力が発揮出来るのだろう…と思ってしまいます。

プロデューサーはマーティン・バーチ。当時のハードロックのプロデューサーといえばマーティン・バーチのイメージが強烈にあります。ディープ・パープルやレインボーもマーティンでした。

本作をアイアン・メイデン史上最高傑作とされる方も多いですね。それは恐らく冒頭の強烈な2曲の存在があるからだと思われますが、1曲目はバンドリーダーのスティーヴ・ハリス(B)、2曲目はブルースとエイドリアン・スミス(G)の共作と、両者・両組が非常にクオリティの高い作品を提供。恐らくバンド内のバランスも非常に整っていたことが推察されます。

まずはオープニングの彼等の代表曲①「Aces High」をどうぞ。
「第二次世界大戦を背景に、英国の主力戦闘機スピットファイアと敵国ドイツの主力戦闘機メッサーシュミットとの空中戦を描いた曲」(以上Wikiより)。冒頭のスピーチは英国首相だったチャーチルの演説ですね。最後に「We shall never surrender!!」と言ってます。この演説の後のツインギターのハモリ、このスピード感、歌詞の世界観と曲調がこれほどマッチしたメタルソングは他にないでしょう。これぞアイアン・メイデンですね。当時は(今もですが)デイヴ・マーレイのギターやニコ・マクブレインのドラムが大好きでした。そして指弾きのスティーヴ・ハリスのベースに驚愕、ベーシストが曲を作るのか…と思ったものです。

この流れで、これもまた必殺の②「2 Minutes To Midnight」、もうこの2曲が続いたら文句なしでしょう。
真夜中(絶滅)、2分前。戦争を非難したメッセージソングでもあり、こうしたところに他のメタルバンドにはない、メイデンの知性が感じられます。単に激しく、うるさい音を鳴らしているバンドではない、彼等が意識していたかどうかは分かりませんが、U2ほどではないにしても、社会派バンドとしての一面も感じさせる1曲です。

もうこの2曲で皆さん、気分は高揚していると思われます(笑)。でも個人的には次の曲が大好き。それがインストナンバーの③「Losfer Words (Big 'Orra)」。
まずはイントロから「MSG!」って思っちゃいました。そう「Into The Arena」です。あの曲も強烈なシャッフルナンバーですね。こちらも3連シャッフルが気持ちを揺さぶってくれます。もちろんスティーヴ・ハリス作。ベースが唸ってます。カッコいいの一言に尽きますね。

ブルースとエイドリアンのもう1曲の共作ナンバーの⑥「Back In The Village」。
めっちゃスピードソング。ギターリフがメロディアスでカッコいい。というかこれもまたリフがMSG的。「Captain Nemo」そっくり(笑)。あちらが1983年発表なので、間違いなく影響を受けたものと思います。ツインギターの持ち味も十分生かし切ったアイアン・メイデンらしい名曲。

アルバム・タイトル・トラックの⑦「Powerslave」は歴史学を学んだブルース作の本領発揮したナンバー。
古代エジプトをテーマとした楽曲。ライヴではブルースが古代エジプト風のマスクを被ってます。間奏ではPowerslaveも登場します。こうしたエンターテインメントなライヴは素晴らしいですね。もちろん楽曲そのものも聴き応え十分で、組曲風、ロック・オペラ的な展開が飽きさせないし、何と言ってもデイヴのギターソロが素晴らしい。

ちなみに本作のエンディングトラックの⑧「Rime Of The Ancient Mariner」は13分半にも及ぶ長尺ナンバー。でも全く飽きさせない展開です。機会があればそちらも聴いてみて下さい。
こうした中身の濃い楽曲が詰まったアルバムが本作なのです。

そういえば先週、彼等の1年後のコロンビアでのライヴが21分で完売になったことがニュースになってましたね。未だに凄い人気のアイアン・メイデン。もっと凄いのは現メンバーは、この作品制作時のメンバーがそのまま在籍しているということ。一時期エイドリアンが脱退した際にヤニック・ガーズが加入しますが、その後エイドリアンが復活。ヤニックもそのままメンバーとして残り、今はトリプルギター体制。こんな個性的なバンドなのに、メンバー変更・交代が非常に少ないことも驚きです。素晴らしいバンドですね。

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