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Earl Klugh「Dream Come True」(1980)

社会人4,5年目の辛い時期、私の音楽のお供はアール・クルーでした。一般的にはアール・クルー、知られていないですよね。でも彼ほどBGMに使われているミュージシャンもいないのではないでしょうか。それくらい親しみやすいメロディと、ハートウォームなカットギターは魅力的です。

アール・クルーはデイヴ・グルーシンに認められ、1976年にブルーノートよりデビューを果たします。そしてサードアルバムFinger Paintingが大ヒットを記録。ファーストからサードまでがデイヴ・グルーシンのプロデュース、所謂初期3部作ですね。
そして名曲「Doc」が収録されているアルバムが1980年発表のアール6枚目の「Dream Come True」です。このアルバムよりアールのセルフプロデュースとなります。彼の記念碑的なアルバムだし、実際このアルバムでアールはグラミー賞 Best Jazz Fusion Performanceを獲得するのです。

アルバムトップの①「If It's In Your Heart」はドラムのパラディドルから始まる軽快なナンバー。本作ドラマーはアール・クルー・バンドのドラマーとして御馴染みのジーン・ダンラップ。初期アールの作品はスティーヴ・ガッドが叩いてますが、ジーンのドラミングもこのイントロからお分かりの通り、ガッドのドラミングの影響大の方です。
もちろんここでのギターはナイロン弦ギターなんですが、YouTubeにはアールがエレキでコレを弾いている映像がありました。しかも司会はChet Atkins。映像のドラムイントロは迫力ありませんね(笑)。
アールにはアコギを弾いて欲しかった。でも実に爽やかな1曲です。

我々50代世代以上であれば、②「Doc」はご存知の筈。
ハイ、あの「ルックルックこんにちは」(でしたっけ??)のテーマソング「Doc」です。もちろん私もこの曲がアール・クルーが演奏していると知ったのはずっと後のこと。

私の本作中、一番のお気に入りは④「I Don't Want To Leave You Alone Anymore」。メロウなバラードで、スティール・ギターが哀愁帯びてます。なんだか歌詞を付けたら直ぐにヒットしそうな、とてもメロディアスな1曲ですね。

やっぱり彼の代表作でもある⑦「Dream Come True」もアップしておきましょうか。映像は花火。でも結構映像と曲が合っていたりします。これもアール・クルーらしいメロディアスなナンバー。
アールは素晴らしいギタリストであると同時に、素晴らしいメロディメーカーでもありますね。

本作最後のナンバーはバート・バカラック&ハル・デイヴィッドのナンバーをカバー。ディオンヌ・ワーウィックが1966年にヒットさせた⑧「Message To Michael」。アールはバカラックナンバーは結構カバーしているんですよね。ここでも彼の素敵なギターとバカラックメロディがクロスオーバーしていいですね。

YouTubeを見ていたら「A Message from Earl Klugh for Japan」という映像を発見しました。恐らく本人のものと思われますが、東日本大震災を受けて、アールが我々日本に向けたメッセージです。最初は何のメッセージか、分からなかったのですが、3分18秒過ぎからその趣旨が分かりました。やっぱりハートウォームな方ですね。

社会人4,5年目のときにアール・クルーはよく聴いたのですが、また彼のアルバムが聴きたくなってきました。やっぱりいいですね~。

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