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Sneaker「Sneaker」(1981)

一発屋というレッテルを貼られてしまったスニーカー。このCDはもう30年以上前に購入したもので、当時は聴き流してしまったのですが、今聴き返すと非常にいいアルバムで、ここ数日ヘビーローテーション化してます。

スニーカーのデビューアルバムは1981年に発表されました。プロデュースは元ドゥービー・ブラザーズのジェフ・バクスター。翌1982年にはセカンドアルバム「Loose In The World」を発表。また来日公演も行っておりますが、所属レーベルが倒産し、敢無く解散。AORブームが過ぎ去っていった時代背景もあり、不運なバンドともいえます。

さて本作ですが、実は聴きどころ満載の素晴らしい出来となっております。
まず1曲目の①「Don't Let Me In」。このバンドの楽曲は基本はメンバーの自作ですが、この曲のみドナルド・フェイゲン&ウォルター・ベッカー、つまりスティーリーダンの作品です。
彼等がスティーリー・ダンのフォロワーと見られていることは周知の事実ですが、彼等のデビュー前の作品をカバーする程のフォロワーだったのです。この楽曲の仕上がり具合は、ジェフ・バクスターが在籍していた頃のスティーリーダンを思わせるもので、ちょっとブルージーなシブい仕上がりになってます。

それから超名曲②「More Than Just the Two of Us」。美しいバラードです。このセンチメンタルな楽曲が彼等のイメージを崩してしまったのかもしれません。本当は演奏能力の高いバンドなのですが、80年代のシカゴのように、当時バラードのバンドと見られてしまったといえなくもないですね。
貴重な映像がYouTubeにありましたのでアップしておきます。来日当時にテレビ神奈川の音楽番組に出演した時の映像です。多分口パクだと思いますが…。

③「One by One」からはAORソング続きます。佳曲は④「Jaymes」でしょうか?
この曲、デヴィッド・フォスターがクラヴィネットで参加してます。他にドラムにエド・グリーン、パーカッションはボビー・ラカインドが参加。ボビーはドゥービー繋がりでジェフが招聘したのでしょう。
デヴィッド・フォスターの妹がJaymesという名前で、たまたまの縁でメンバーのMichael Carey SchneiderがJaymesと出会い、彼女に捧げる歌を作ったらしいです。この曲のヴォーカルはドゥービーのマイケル・マクドナルドそっくりですね。曲調といい、実にAORソウルしてます。デヴィッドのクラヴィネットもいい味出してますね。

ちょっとスリリングな1曲が⑤「In Time」。
この雰囲気はスティーリーダンというよりはどこかペイジスに似ています。結構ドラムも凝っていたりして、個人的にはお気に入りの1曲です。

⑥「Get Up, Get Out」はアップテンポなAORソング。TOTOがお好きな方は気に入って頂けると思います。

こんな素敵なAORバンドが僅か2枚で姿を消してしまったとは残念ですね。

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