見出し画像

Michael Schenker Group「Assault Attack(黙示録)」 (1982)

80年代ハードロックの名盤、マイケル・シェンカーとグラハム・ボネットの唯一の共演作。これを聴かずしたハードロックを語るなかれ。  

80年代初頭はハードロック界もスーパーバンド的なグループが多々ありました。そのグループの間を渡り鳥のようにミュージシャンが行ったり来たりして。そんな中でもマイケル・シェンカー・グループ(以下MSG)はカッコ良かった。そしてこの作品、あのグラハム・ボネットが参加した唯一のアルバムなんですね。

グラハム・ボネット…、私が大好きなヴォーカリストです。彼のソロや、後に結成するアルカトラス、もちろんレインボーも当時よく聴きました。あ、グラハムって、こんな方です(↓)。

画像1

いやいや、凄い格好のハードロッカーです(笑)。でも彼の声量と音域、とにかく凄いパワーなんです。主役のマイケル・シェンカーと渡り合えるヴォーカリスト。

本作はマイケル・シェンカー・グループ(以下MSG)、通算3枚目、ライヴアルバムを含めると4枚目のアルバムです。一番MSGらしいスリリング、かつメロディアスなアルバムだと思います。

画像2

その特徴を一番よく現している①「Assault Attack」。ギターのリフが太く、激しいですね。そこへグラハムの超ハイトーン・強力ヴォーカルが絡むイントロは鳥肌モノです。
コージーの後釜に座ったテッド・マッケンナのドラムも意外と様になってます。あの体ですから、コージーに劣らずうるさいドラムです。またライドシンバルを効果的に使うドラマーですね。
エンディングのギターのリフとドラムが絡む部分、カッコ良過ぎます。

コージーパウエルといえば、MSGにグラハムを誘ったのがコージー。そのコージーがすぐさまMSGを脱退してしまったのは残念でした。結局グラハムも本作のみでMSGを脱退してしまうのですが・・・。哀れ、かわいそうなのはゲイリー・バーデン・・・。この辺の話をし出すと止まらなくなるのでこの辺で止めときます。

②「Rock You to the Ground」。これが実にブルージーでヘビーなんですよね。重いリズムで淡々と進むのですが、マイケルのギターはメロディアス。やはり彼のソロは聞かせます。後半、テッドのツーバスの連打が曲を盛り上げます。

でました!③「Dancer」!これ、シングルカットされて、そこそこヒットした記憶があります。本作中、もっともポップなチューン。                              ♪  She's a Dancer  ♪ 、よく歌いました(笑)。
ドラムもよくコピーしました。激しいマイケルのギターソロでの、テッドのドラム、結構凝ってますね。
また当時中学生だった私は今で言う「エアギター」もやってました(笑)。ちなみに「Dancer」のPVのヴォーカルはゲイリーですね。急遽呼び戻されて、「Dancer」だけは彼のヴォーカルで録り直されたようです。アップしたのはファンの方が編集されたもの。

スリリングな作品といえば⑤「Desert Song」。このイントロのギターのリフ。非常にスリリングです。間奏でもこの印象的なリフが効果的に使われます。エンディングのマイケルのソロも泣いてますね。こうした曲が書けるハードロッカー、最近居ないですね。

エンディングの⑧「Ulcer」は激しいインスト。ジェフ・ベックがやりそうな、シャッフル系の激しいロック。テッドもいいけど、やっぱりこうした曲はコージーに叩いて欲しかった・・・。これはコージーが好みそうな曲です。

本作収録後、8月27日のコンサートでマイケルとグラハムは衝突。そのステージを最後にグラハムはMSGを脱退してしまいます。その2日後にはレディング・フェスティバルというビック・イベントが控えていたのにも関わらず・・・。後にグラハムはこのことを「人生最大の汚点」と語ってますが。

おそらく本作収録中もいろいろあったと思われますが、その緊張感がいい意味で作用したのかもしれません。見事なハードロックの金字塔的アルバム。そしてグラハム&マイケルの唯一のアルバム。美しいです・・・。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?