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「筒美京平 大ヒットメーカーの秘密」元ネタに驚愕

洋楽ファンにとっては、京平先生の作品は洋楽テイストが密かに塗されていて非常に興味深いのですが、今回近田春夫著「筒美京平 大ヒットメーカーの秘密」を拝読して、京平先生の洋楽への造詣の深さはもちろんのこと、近田春夫氏の驚くべき洞察力の深さにも驚愕してしまいました。

個人的には京平先生の元ネタシリーズで有名な楽曲は、やっぱりサザエさんのエンディングテーマでしょ。これ聴くと、リアルタイム世代は日曜日の夜の、月曜日嫌だなあ~のサザエさん現象を起こしてしまいますよね。

この元ネタは1910フルーツカンパニーの「Bubblegum World」。そもそもこのバンドの存在を当時知っていた方がどれくらいいたのか。更に言えば、この曲、シングルカットもされていないんじゃないですかね。さすが京平先生!

当然、こんな有名な元ネタはこの本には書かれてはおりません。私がいちばん驚いたのは松本伊代の「センチメンタル・ジャーニー」。

コレ、元ネタあるのか…。近田氏の見解は、なんとギルバート・オサリバンの「Alone Again」!!
両方とも馴染みの楽曲なのに全く連想出来なかった。しかも言われてみればコード進行が似ている。「センチメンタル・ジャーニー」のどこか懐かしい感じがしたのはコレだったのか~。

それからもう1曲、マッチの「ギンギラギンにさりげなく」。これも我々世代は耳タコの楽曲ですよね。

こちらの元ネタはクインシー・ジョーンズの「愛のコリーダ」。あ~、言われてみればアレンジもそうだなあ。ちなみにこの映像のクインシー、異様なノリですね。

我々世代はやっぱり小沢健二と京平先生のコラボが実現したことが、今となっては宝ですね。天才小沢健二とは歳の差28歳の京平先生が、小沢健二の声を気に入り、京平先生から声を掛けたことで実現したコラボ。1995年発表の「強い気持ち・強い愛」作詞:小沢健二、作曲:筒美京平の名作。
サルソウルなディスコ・チューン、小沢健二もまた、洋楽を元ネタにすることを得意としてました。これは間違いなくオザケンと京平先生の趣味が合致した名作でしょう。私の大好きな1曲。

一応、こちらの元ネタも…。やっぱりサルソウルの女王、ロレッタ・ハロウェイの「Dreamin'」。一部分なので元ネタとは思えませんが、二人はこの辺りの曲を聴きまくっていたらしい。

京平先生とは全く関係ありませんが、ここ最近、私が気に入っているナンバーが1978年発表の木戸やすひろの「ミスター・ミュージック」。サビを聴いてみて下さい。どこか懐かしい感じが…。
熱心な洋楽ファンならすぐにお分かりいただけるかと。洋楽元ネタの世界は奥が深いです。そして改めて筒美京平の音楽観に尊敬の念を頂きました。


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