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Hall & Oates「Voices」(1980)

昨日のNHKFMのスガシカオさんの番組で、彼がホール&オーツの「Kiss On My List」が大好きだということを聞き、ソウル好きのスガさんの原点がこの曲にあったと知って妙に納得してしまいました。
私が洋楽を聴き始めた頃に大ヒットしていた「Kiss On My List」。私がホール&オーツのアルバムを聴くようになったのは、この後発表された「Private Eyes」からで、この「Kiss On My List」を収録したアルバム「Voices」をチェックしたのは発表から数十年後でした。

恐らく「Kiss On My List」路線、つまりデヴィッド・フォスター色濃いポップスが詰まったアルバムなのだろうとの先入観から聴いてみたのですが、大きく予想が裏切られましたね。

ホール&オーツの前2作のプロデューサーがデヴィッド・フォスターだったこともあり、その流れから「Kiss On My List」の音作りは妙に納得感あります。本作では自分たちでプロデュースもするようになったホール&オーツは、デヴィッド・フォスターの音作りも自分のものとしたんですね。ですから本作、てっきり同様の路線のポップスが詰まったアルバムと思ってました。・・・が、それは大きく裏切れる格好となりました。

1曲目から、なんとジョン・オーツがリードヴォーカルを務めるロック色の強い①「How Does It Feel To Be Back」。
ちょっとビックリしました。やっぱりダリル・ホールのヴォーカルに慣れ親しんでいるせいか、ジョンのヴォーカルがちょっと頼りなく聞こえます。この曲をアルバムのトップに持ってきた意図はなんなのでしょうか。やはりバンドサウンド、ツアーバンドでアルバムを制作することの自信からきたものなのでしょう。すごくバンドの音がしっかりしてますね。

2曲目、3曲目とロック色の強い曲が続き、A面の所謂「ロックサイド」は④「Hard To Be In Love With You」で頂点を迎えます。
迫力あるドラムはバンドメンバーの元オーリアンズのジェリー・マロッタでしょうか(兄弟のリック・マロッタもドラマーとして著名ですね)。このアルバムのドラムのクレジットにはチャック・バーギの名前も見られます。チャック?? 知らないですよね。この後、レインボーのドラムに収まる人物ですが、この曲のドラムはなかなかハードなものを感じるので、ひょっとしたらチャックのドラムかもしれません。
しかし実にメロディアスなメロディーです。ギターのメロウだし。この曲は当時のホール&オーツらしい楽曲です。

名曲⑤「Kiss on my list」。このイントロを聴いただけで、私の心は1981年にフィードバックされてしまいます。全米NO.1となりましたね。このキーボードの使い方、明らかにデヴィッド・フォスターからの影響でしょう。彼らが見事に自分達の音楽としてAORを昇華した1曲です。いつ聴いても素晴らしい名曲。

⑧「You Make My Dreams Come True」もシングルヒットしました。
このPVは記憶ないですね~。でもこのシンプルなPVは彼らの「Private Eyes」のPVを連想させます。なんだかジョン・オーツ、怪しげにウロウロしてますね(笑)。

そんなジョンですが、やっぱりこの曲の歌いだしのヴォーカルは彼でなくては(笑)。そう、名曲⑦「You've Lost That Lovin' Feelin'」。
ライチャス・ブラザーズのカバーです。この曲は二人のカラーの違うヴォーカルが堪能出来ます。アップした映像はスタジオライヴの模様ですが、なかなかいいですね。

最後にアップするのは後にポール・ヤングがカバーして大ヒットした⑨「Everytime You Go Away」。
ブルーアイドソウル指数100%の、ダリルの熱唱が堪能出来ます。曲も実に味わい深いです。アップした映像は1985年のファーム・エイドでのライブ映像。ビリー・ジョエル、ボニー・レイットが競演してます。間奏のアカペラ、最高です。それにしてもジョン、どこいった(笑)。

やっぱり80年代(特に前半)の音楽っていいですね~。

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