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渚のオールスターズ「渚のカセットVol.1」(1987)

まだまだ暑い日が続きますね。なので夏らしいアルバムを。
渚のオールスターズは「TUBEとその仲間たち」といったグループで、本作品は1987年発表。その後彼らはVol.2、3とアルバムをリリースしてますが、完成度の高さからいったら、やはり本作品が一番だと思います。

当時私は大学生になったばかり。このアルバムを繰り返し繰り返し聴いてました。後にボディボードをやるようになり、そのドライブのお供は達郎さんかこのアルバムでしたね。

カセットを入れる音で幕が開き、名曲①「サマードリーム」がバラード調でスタート。前田さんのヴォーカルは日本一かもしれません。バラードのサマードリーム、前田さんの熱唱が光ります。と思ったら一転、曲がアップテンポに…。キーが転調し、愛らしい女性ヴォーカルに…、この曲の作詞を担当した亜蘭知子さんですね。そしてキーはまた元に戻り、今度は作曲した織田哲郎さん。前田さんよりもちょっとハスキーな声がカッコいい~。
初期TUBEは亜蘭知子&織田哲郎の多くの作品を演奏しておりました。

「サマードリーム」を聞いただけで「夏が来た」という感じがします。このアルバム、曲間はDJで繋ぎ、あたかもラジオを聞いているがごとく、曲が進行していきます。
続くは②「Boys On The Beach」。こちらも作詞:亜蘭知子、作曲:織田哲郎のTUBEの初期の名曲。亜蘭知子がリードを取ります。春畑さんのギターも爽やかですね。間奏後、前田さんと亜蘭さんと交互に、そして一緒に歌います。まだまだ夏は終わりません。

ここでTUBEお得意のロックンロールナンバーの③「ス・テ・キなサタデーナイト 」の登場です。作詞作曲は織田さんです。
織田さんが組んでいたバンド、織田哲郎&9th IMAGEで演奏されていた楽曲。ちなみにこのバンド、ギターは北島健二(織田の高校時代の同級生でもある)、ベースは後にBOOWYのベーシストとなる松井恒二、ドラムはバービーボーイズの小沼俊明という凄いメンツでした。
ここでは織田さんと前田さんが気持ちよく歌ってますね~。あまりの気持ちよさにエンディングで「シーズン・イン・ザ・サン」のサビを歌ってます。

ちょっとクールダウンしましょうか。④「Stay In My Eyes」は原曲はTUBEですが、栗林誠一郎さんの名曲。
初期TUBEは作詞が亜蘭知子、作曲は織田哲郎や栗林誠一郎が担うことが多かったですね。この曲は作曲者の栗林さんの優しいリードヴォーカルが心地いい。このほろ苦いメロディには彼の声が合ってます。個人的には初期TUBEも大好きなんですが、それはやっぱり織田さんや栗林さんが作る楽曲が、その当時のTUBEのカラーにピッタリだったからで、未だに初期TUBEのアルバムはよく聴いてます。

こちらもTUBEの名曲の⑤「SA_YO_NA_RA」。もちろん亜蘭&織田の作品。こちらは全て織田さんがリードヴォーカルと務めてます。TUBEのバージョンよりも少しアダルトなアレンジです。そして若干テンポを落としてますかね。曲の良さが引き立ちます。

⑪「渚のMerry Boys」も大好きな1曲。こうしたロックンロール的なポップスって心地いいんですよね。
こちらは多分TUBEでは演奏しておらず、渚のオールスターズのオリジナルだったと思います。亜蘭&織田の作品です。後にイエローキャブに所属していたかとうれいこもカバーしてました。前田→織田→前田→織田→前田と歌い継がれていきます。

この後TUBEは、自らのオリジナルアルバムについては、作詞作曲をTUBEのメンバーで固めていき、音楽的にも大きく成長していきます。渚のオールスターズは、TUBEがそういったスタイルになっていく、前夜祭的な、メンバー以外の身内の最後のお祭り的な感じもあって、楽しいアルバムでもあり、切ないアルバムでもあります。TUBE初期を支えた織田哲郎、亜蘭知子、栗林誠一郎らは、TUBEの成長をうれしく思いつつも、少しは寂しい思いがあったのかもしれませんね。

学生時代、バンドでも演奏した「サマードリーム」が入っている本作品は、今も夏になると、聞いてしまい、私も学生時代を振り返り、少し昔に返りたいという寂しい思いをしてしまします。

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