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Vandenberg「Alibi」(1985)

久しぶりのハードロックのご紹介です。

80年代前半は英国、アメリカ、欧州と多くのハードロックバンドが誕生、ヒットを記録してました。オジーオズボーンとかデフ・レパード、ラット、ヨーロッパ。いや~、ホント魅力的なバンドばかりでしたね。

今回ご紹介するのはオランダ出身のバンド、ヴァンデンバーグです。オランダというと、その昔、プログレのフォーカスなんていうバンドもオランダ出身でした。あ、もっと昔だとショッキング・ブルー、「Veuns」で有名なバンドもオランダでした。

ヴァンデンバーグはセカンドアルバムHeading For A Stormが有名ですが、こちらのサードアルバムもなかなかの好盤。彼等のラストアルバムにもなってしまいましたが、ラストアルバムというと、だいたい散漫な印象だったりして、クオリティは落ちるのですが、このアルバムはかなりいいです!

どのバンドもそうですが、結局商業的にヒットしないとやりたいことも出来ないので、ある程度一般ウケするような曲調を収録することはやむをえないことだと思ってます。そして本作も従来のファンからは「売れ線狙いのアルバム」と揶揄されたりもしましたが・・・、でも結論から申すと、アルバム最後にエイドリアン・ヴァンデンバーグ渾身の1曲、インストの⑩「Kamikaze」が収録されているので、いいのです!
これで全てが引き締まってしまうからスゴイ1曲ですね。
ハードロックのインスト名曲というとMSGの「Into The Arena」がありますが、この「Kamikaze」は明らかにその「Into The Arena」を意識した作りですね。このシャッフル系リズムといい、ギターワークといい、どれを取ってもそっくり。でも・・・、やっぱりエイドリアン流、というかヴァンデンバーグなんですよね。ホント、かっこいい1曲です。
アップしたのは1984年の来日ライブ映像。タイトルが「Kamikaze」と付けられていないのは、当時は新曲扱いだったからでしょう。

「Kamikaze」だけでも聴く価値のあるアルバムですが、他にもいい曲が詰まってます。①「All The Way」はイントロから効果音がたっぷり収録されたポップなハードロック。コーラスがぶ厚いですね。

いや~、これぞ80年代ポップロックの③「Once In A Lifetime」。これはデフ・レパードっぽい。従来からのファンには不評だったでしょうね。アップしたのは当時のPVですが、作りがMTVを意識した、モロに80年代!いいですね~。個人的にはこういうのはアリです。

もう1曲のハイライトが⑥「Fighting Against the World」。これも正統派ハードロックの流れでしょう。本作はポップな曲から正統派インスト、ハードロックまでバラエティに富んでいながらも散漫な印象を受けないところが素晴らしい。この曲もサビのコーラスがぶ厚いですね。エイドリアンのギターリフもカッコいいし、ギターソロも弾きまくってます。

アルバムタイトル曲の⑨「Alibi」。う~ん、これはまるで「Photograph」・・・、そうデフ・レパートの大出世シングルです。サビに入る前のメロディがそっくり。ドラムがカウベルでリズムを取るところまで一緒です。でもギターソロは明らかにエイドリアンの方が凄いです。

こんなにいいアルバムなのに、全く商業的には売れませんでした。そしてリードシンガーのバード・ヒーリングが脱退。後釜を添えるのですが、レコード会社から受け入れられず、そうこうしているうちにエイドリアンがホワイトスネイクに加入し、バンドは解散してしまいます。   

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