見出し画像

Grand Funk Railroad「Live Album」(1970)

そのものズバリのアルバムタイトル、「Live Album」。シンプルなタイトルですが、その中身も至ってシンプル。なんといっても3人編成、スリーピースバンドですから。
グランド・ファンク・レイルロード。メンバーはMark Farner(vo & g)、Mel Schacher(b)、Don Brewer(ds)の3人。
グランドファンクのライヴというと、1971年に雷雨の中で行われた後楽園球場での壮絶ライヴが有名ですが、本作はその迫力をそのままパッケージしたような素晴らしい内容で、とても3人での演奏とは思えない迫力です。
(だいたいジャケットからして、すごい熱気が伝わってきます)

このアルバムは1970年に発表され、全米第5位を記録。これまでに3枚のオリジナルアルバムを発表しているGFR。なんとこのライブアルバムが、過去最高のセールスを記録。いかにこのアルバムが素晴らしいかが分かって頂けるかと思います。
2枚組なのに全9曲(「Introduction」と「Words Of Wisdom」を除く)というのもスゴイ。

そして当然ながら1曲目から全力疾走です。オープニングは彼等の代表曲ともいえる②「Are You Ready」。
恐ろしく単純明快な楽曲ですが、唸りまくるベース(特にエンディングでのランニングベースは最高)、暴れるドラム、騒々しいギターと、どれもがハードロックに相応しい演奏です。

本作のなかではちょっと明るい異色の曲の④「In Need」。
でも間奏ではやたらとベースが歪んでおり、ギターリフと間違うくらいに強力な音で鳴ってます。そこに絡むマークのハーモニカも最高。これベース&ドラムだけの演奏ですからね~。

⑧「Mark Say's Alright」、コレはドンのドラミングが堪能出来るGFR唯一のインストナンバー。これがまたかっこいいんですよ。基本的なドラミングなんですが、タムを効果的に用いたナンバーです。
ドンはこの曲をドラムレッスンに使ってます。その映像をアップしておきます(途中で切れてますが)。この映像の音源は本作のライヴ音源です。

ご存知アニマルズの名曲のカバーが⑩「Inside Looking Out」(邦題「孤独の叫び」)。
原曲はこんな感じです(↓)。

アニマルズ・ヴァージョンも意外とカッコイイ。これがGFRだと、長尺演奏で、ますますカッコよさに磨きがかかってきます。特にシャウトの掛け合いなんか最高です。ドラムのドン、いい声してますね~。
あとこの映像ですと6分30秒過ぎのハーモニカの演奏、激しいドラムとのコラボが素晴らしい。

しかしドンといえば言わずと知れた1973年の大ヒット曲「We're An American Band」での素晴らしい熱演が有名。あまりGFRを知らない頃、この曲のヴォーカルはてっきりギターのマークかと思ってました。
でもこのいぶし銀のヴォーカルはドラムのドン。しかも作詞作曲もドン。

 ♪ Out on the road for forty days ♪

4小節のドラムソロから、カウベルでリズムを刻むドン。それから搾り出すように上の歌詞を歌いだします。
この歌いだす瞬間がカッコイイ。素晴らしいといってもいい!
これぞロック。アメリカンバンドですよ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?