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Aerosmith「Draw the Line」(1977)

すっかりブックオフでも安値コーナーに追いやられているエアロスミス。この70年代の名盤までその棚に置かれていたので、ついつい購入してしまったのは数年前の話。もちろん「Draw the Line」はよく知っている曲なんですが、このアルバムの他の曲は意外と知らない・・・と感じました。

前作「Rocks」が大成功を収め、メンバーも次のプレッシャーからか、ドラッグ漬けの毎日だったらしい。そんな中で制作されたのが本作。1977年発表のエアロ5作目の作品。

Amazon評なんかを見てみると、全体の作品が散漫とか、数曲イイ曲はあるが・・・といった辛口意見が多いようです。ただ私自身、すごくイイ! エアロらしさ全開、どれも素晴らしい曲ばかり・・・と感じました。

だいたいこのお茶目なジャケットもいいじゃないですか(笑)。
①「Draw the Line」は今更何の説明の必要もない、エアロの代表曲。疾走するロックンロールに、ジョーのカミソリのようにソリッドなギター、スティーヴンの金切り声も堪能出来ます。このギターリフはホント、かっこいいですね。

個人的なお気に入りは③「Critical Mass」。スティーブン・タイラーとプロデューサーのジャック・ダグラス、それからベースのトム・ハミルトンの共作。ベースのトムが珍しく作曲に参加しているのは、この曲のベースが結構キーポイントとなっているから。このベースが結構カッコいい。
テープの逆回転のようなサウンドが後ろで聞こえるところなんかは、ちょっとサイケの感覚が垣間見られますが、エアロらしくブギーなリズムで、少しもサイケ独特の怪しさは微塵も感じさせません。でもエンディングはフェードアウト・フェードイン、演奏もフリーな感じで、これはこれでカッコいい。ラガロックのような感じもしますね。

ヘビーな④「Get It Up」。ギターのうねり、そしてグルーヴ感が尋常じゃないです。この頃のエアロは何をやっても様になってますね。曲が単調にならないように、アレンジも結構凝ってます。

⑥「Kings and Queens」がアルバムのハイライト的な楽曲なのでしょうか。ちょっとドラマティックな展開。この曲は最後まで聴かないと、この曲の持ち味が理解出来ないかもしれません。私はそれほど気に入っている曲ではないのですが(苦笑)。「Dream On」系の曲・・・ですね。

⑦「The Hand That Feeds」が好きだというファンも結構いるでしょう。もう歌い始めからスティーヴンのヴォーカルがキてますね~。これ、ちょっと真似出来ません(笑)。

なかなかのアルバムではないでしょうか。個人的には結構お気に入りです。この後、エアロは80年代中頃まで低空飛行を続けます。ドラッグ・アルコール・・・、お決まりのパターンですね。

1986年、Run DMCがカバーした「Walk This Way」が大ヒット。これを契機にエアロは復活します。このPV、スティーブン・タイラーとジョー・ペリーも参加してますが、結構面白いですね。


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