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Duran Duran 「Duran Duran」 (1981)

80年代初頭、日本にもニュー・ロマンティックっていうジャンルの音楽が一世を風靡しました。ニュー・ロマンティックって、ロンドンでナイトクラブを経営していたスティーヴ・ストレンジが組んでいたバンド、ヴィサージがその元祖と云われてます。日本では圧倒的にデュラン・デュランですよね。あとは結構好きだったのはアダム&ジ・アンツスパンダー・バレエ(でも私的には英国音楽よりアメリカ音楽を好んで聴いていましたが…)。
そのデュラン・デュラン。実はまだ現役バリバリで、コロナ前にも来日してました。そして驚くべきことにメンバーはギターのアンディを除くオリジナルメンバー4人が勢ぞろい。ドラムのロジャーはショービズに飽き飽きして農夫に転身したと思っていたのですが(笑)。アイドルバンドと思いきや、皆、結構本格的なバンドマンだったんですよね。

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そんな彼らのデビューアルバムをじっくり聴く機会があったので、(今更ですが)ご紹介しておきます。

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デュラン・デュランって、ニック・ローズ(Key)がバンド・リーダーだったんですね。1978年のバンド結成当時からのメンバーはニックにジョン・テイラー(B)。しかもジョンは当時はギターだったらしい。それからロジャーアンディ、最後にサイモン・ル・ボンが加わり、バンドメンバーが固定化。地元のクラブを演奏しているところを見出されて、1981年にメジャーデビューを果たします。そのデビューアルバムが本作。
ちなみに私が所有しているCDは、セカンドアルバム「RIO」の米国での大成功後、再リリースされたUS 1983 Capitol re-issue盤。よって1983年の大ヒットナンバーの⑤「Is There Something I Should Know?」が収録されてます。あしからず。

ファーストシングルは言わずと知れた①「Planet Earth」。私が洋楽を聴き始めた頃、この曲がブレイクしておりまして、特にMTVでオンエアされていたこのPVが非常に印象的でした。あと記憶が曖昧ですが、千葉テレビで放送されたいた「テレジオ7」という洋楽番組でも、頻繁にオンエアされていた記憶があります。彼らがスゴイのは、そのビジュアルの美しさだけでなく、音楽的にもカッコ良かったということ。この「Planet Earth」は今聴いても、何かを予感させるようなイントロが素晴らしい。ロジャーが叩き出す正確な16ビートもカッコ良かった。

セカンドシングルは④「Careless Memories」。これもまたシャープな演奏がカッコイイ。切り刻むようなアンディのギターワーク、ニックのシンセも印象的。そしてやっぱりサイモンのヴォーカルは、このニューロマンティックっていうジャンルに声質が合っていたと思う。ニューロマンティックのサウンド=デュラン・デュラン=サイモンの声、みたいな図式が出来上がっていたような気がします。

サードシングルが①「Girls on Film」。グラビアの美少女…ですね。いや~、このPVは今見ると、どうってことないのですが、当時中学生の私にとっては刺激的でした(笑)。SUMOがこんな形で扱われるのはあまり納得出来ませんが。間奏のロジャーのタム回しのドラミングはカッコ良かった。

⑧「Friends of Mine」は典型的なニューロマンティック・サウンド。決してポップでも商業的なノリの良い楽曲でもない。どっちかというとドロドロした感じの楽曲。でもこうした楽曲が当時は流行ってました。ニューロマンティックの前進、ニューウェーヴの旗手、ジャパンのサウンドに近いかもしれませんね。

⑨「Tel Aviv」はかなり意欲的なインストナンバー。エンディングナンバーでありながら、恐らく誰もがこの曲を飛ばしてしまうのでは(笑)。でも彼らがニューロマンティックの旗手と呼ばれる所以がこの曲に表れていると思ってます。商業的なノリの良さは一切排除されたような、実験的なサウンド。ファーストアルバムのエンディングにこうした楽曲(人気のあったサイモンのヴォーカルは入っていない)を持ってくるあたり、当時からサウンド作りには自信があったのでしょうか。

当時はアイドルバンド扱いでしたけど、本作はこうして40年の時を経ても、十分聴けるアルバムなんですね。ある意味スゴイことだと思うし、後の彼らの活躍を考えれば、音楽的にも優れたバンドだったということですね。

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