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Boston「Don't Look Back」(1978)

鬼才トム・ショルツの才能が炸裂したボストンのセカンドアルバム

コロナ禍よりずっと前、2007年11月、たまに顔を出していた洋楽カラオケバーに行き、ボストン熱が復活。当時何回もボストンを聴きかえしておりました。

あのポラロイド社に勤めながら自らの電子工学の知識を用いて素晴らしいギターサウンドを創造し、デモテープまで作ってしまったトム・ショルツ。ボストンは彼自身のバンドといっていいでしょう。スティーリーダンが実質ドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーのユニットであるのと同じイメージですね。
そして1976年のファーストアルバム「Boston」は売れまくりました。アルバムトップの「More Than A Feeling」なんて最高です。
このアルバム、全米ビルボードチャートで最高位3位ながら、1700万枚のセールスを記録してます。
その驚異的なセールスを記録した前作に続いて、1978年に発表されたのが本作です。

もう今更何の説明も必要ないでしょう。アメリカンロックの永遠の名曲①「Don't Look Back」。トムのカッティング・ギターが最高です。そしてこのトムのギターの音色がなんとも言えず心地よいのです。「振り返るな、新しい1日が始まるんだ!」という歌詞に勇気付けられます。2007年11月のカラオケでは小生のタンバリンが高らかに鳴らされました(笑)。

インタールード的でスペーシーな②「The Journey」を挟み、ベースラインが結構聴きどころの③「It's Easy」へ。この曲も結構人気がありますね。ボストン流ロックです。

そして本作中一番人気の高い楽曲が④「A Man I'll Never Be」でしょうね。
ファーストには見られなかった美しいバラードです。
ボストンはトム・ショルツのバンドですが、この曲に限ってはヴォーカルのブラッド・デルプの美しいヴォーカルが目立っております。
そういえばオフコースの小田氏はこの曲にインスパイアされて「愛を止めないで」を作ったらしいです。確かにギターソロがそっくりですね。

ブラッドのヴォーカル、最高ですね~。
実はブラッド、2007年3月9日、自殺されていたんですよね。私はちょうど冒頭の2007年11月のカラオケ大会で知ったのでした。洋楽マニアを自認する私としては迂闊でした・・・。夏にはボストンのツアーと自身の結婚が予定されていたというのに、なぜ・・・。
ブラッドの追悼PV(静止画)をアップしておきます。曲は「More Than A Feeling」。

アルバムの①~④の流れは計算されたものでしょうね。完璧です。
一方所謂アルバムのB面⑤~⑧はボストン流のアメリカン・ロックです。この爽快感、聴いていて気持ちがいいですね。

結構好きな楽曲が⑧「Don't Be Afraid」です。アルバム中、一番ロックンロール色の濃いサウンドです。ボストンって、コーラスも綺麗なんですよね。ヴォーカルはハイトーンで、ギターもクリアなトーンで気持ちいいのですが、こうしたロックンロールでも、その特徴が十分堪能できます。
間奏の部分、ノリノリです・・・。如何にもアメリカ人が好みそうなロックですよね。

あのカラオケ大会の日、全く赤の他人、見ず知らずの方々が、ボストンの曲で大合唱…。あの世代の方々にとって、ボストンは重要なバンドだということが、よく分かりました。それで私も思い立ったようにボストンは聴きかえしていたのでした。

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