ドッジボール

失われた3つの間

今回は「失われた3つの間」について。
昨今の子どもたちが失ったものとして最近よく聞かれるようになりました。

3つの間というのは空間、時間、仲間です。
空間で言えば、公園ではボール遊びや木登りなど、やってはいけない遊びが増えて、子どもたちにとって楽しく遊べる場ではなくなっています。最近では残念なことに犯罪も増えており、公園自体の安全性が揺らいできていることもあります。

時間については、最近の子どもたちはとにかく忙しい。幼少期または低学年のうちから平日に習い事がずらり。いつ遊ぶの?というぐらいのスケジュールで1週間を過ごしています。居場所がないから習い事に行かせるしかないという選択も増えている気がします。これはまた問題が異なるので別の機会にします。

仲間に関しては、前項の時間にも関わることですが、周りの子どもが忙しすぎて遊ぶ仲間がいないという現象が起きているようです。先週まで一緒に遊んでいた友達が今週から塾に、、、といった具合です。それから1人で遊ぶことのできるデジタルデバイスが増えてきたのも原因だと思います。つまり物理的に誰かといなくても、知らない場所の知らない人とは遊ぶことができるということですね。

人によっては世の中が何でも便利になった結果、手間をかけることがなくなったということで、この手間を4つ目の間として数える人もいるようです。

これらの失われた3つの間が子どもに対して長期的にどういう影響を与えるかということに対して多くの大人は目を向けていません。むしろ良かれと思ってそういう環境にしていっているケースが多いのではないでしょうか。しかし私からすれば決して健全な成育環境ではないと思います。学校で5時間も6時間もがんじがらめにされた上に、放課後に解放されることもないとなると、子どもたちはいつ遊ぶことができるのでしょうか。私は遊びという時間、行為は何よりも替え難い貴重なものだと考えており、それを子どもたちから奪うことなく遊びを通じて健やかに成長していってもらいたいと思います。

ではこの3つの間という環境を整えるのは誰の役目なのでしょうか。行政、教育機関、民間、家庭、明確な答えは存在しませんが、強いて答えをここに記すとすれば、それは「大人の役割」ということになると思います。大人のみんながその価値を認識し、未来を生きる子どもたちのために良い成育環境を整えていきたいものです。

遊育くらぶではまず3つの間を揃えて、子どもたちの“遊ぶ権利”を守ってあげたいなと思っています。


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