ドッジボール

遊育くらぶの始まり

遊育くらぶとはどういうところかという意味合いの内容をこちらにまとめていきます。

「あそび、まなび、いきる」というスローガンを掲げているように、一言で言うと「生きる力を育む場所」ということになります。

そもそものきっかけは遊育くらぶを始めた私、吉部がこれまでのキャリアの中で比較的多く接してきたトップアスリートに対するトレーニングでした。トップアスリートの中でもトレーニングをモノにできる選手とそうでない選手が存在しました。その違いは何だろうと考えを巡らせているうちに、個々に内在する運動感覚、つまりは過去に積み重ねてきた運動の種類や量といった経験の違いのような気がしてきたのです。

それからジュニア選手へのトレーニングを担当するようになりましたが、やはり競技志向に入るジュニア期(中学~高校)においても、その違いは依然として顕著で、それならばもっと前の段階での経験が鍵になっていると、ある種、確信めいたものがありました。児童期、もっと言えば幼少期における運動体験の種類や量がその後の運動能力の発達においてとても大事になっていることに気づいたのです。

一方で社会における問題とされている子どもの運動能力低下の問題と、女性の就労率を示したM字カーブに現れているような共働き世帯が抱える問題。この2つの問題は実は同じところに端を発するものであると思いました。

それは、子どもの居場所がない ということです。言い換えれば、子どもが遊んでいない。昨今では犯罪が多くなっているとも言われており(実際の調査ではむしろ減っているのですが、情報の量や露出の増加で犯罪そのものが増えているように感じているのでしょう)、放課後に公園で野放しにしているわけにはいかないから、共働き世帯では学童に預けざるを得ない。それで、その学童ではどう過ごしているかというと管理責任の問題から身体活動は少なく、室内で大人しく過ごすことを指示されるという。5時間も6時間も授業を受けた後に です。

それでは子どもが健全に育っていくわけがありません。仮に公園や校庭に放たれたとしても、「やっちゃダメ」な事項があまりに多く、また友達も少ないことから思い切り遊ぶという経験が得られるわけではありません。これに関しては「失われた3つの間」という記事で述べていきます。

というわけで、スポーツに関わる人間としてアスリートの素地となる運動体験をたくさん積んでもらいたいという想いと、今の子どもの成育環境があまりに良くないという危機感から、子どもが健全に育つための環境を整えていこう(そしてそれが微力なりにも子育ての一助となれば幸い)ということで遊育くらぶは始まりました。


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