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気を引き締め直せと言われているように感じた年だった

みなさんお久しぶりです。
安定の遅さではありますが、
今年最後のnoteをまとめます。
長くなってしまいましたが、お付き合い頂けると幸いです。

7月、9月に更新した時はフィンランド生活の振り返りについてまとめました。まだ読まれていない方は是非→

フィンランドでのシーズンはあっという間に終了しました。サッカーは、この4ヶ月の中で沢山のことが起こったので、そのことについても書いていきます。

チャンピオンズリーグ出場

これまでにUEFA女子チャンピオンズリーグ(UWCL) に出場した選手は、熊谷紗希選手、南萌華選手(AS Roma)、永里優季選手(Chicago Red Stars)、安藤梢選手(三菱重工浦和レッズレディース)、宮澤ひなた選手(Manchester United)、宝田沙織選手(Leicester City FC)、門脇真依選手(FC Rosengard)、吉田早紀選手(ZNK Mura)、圓乘由理奈選手(KS Pogon Dekpol Tczew)、籾木結花選手、岩渕真奈さん、大滝麻未さん、大野忍さん、黒﨑優香(KuPS)

調べて出てきた女子選手になります。もし見落としなどがありましたら、是非教えてください🙇‍♀️

今後はUWCLに出場する選手は増えていくと思います。

私のチームは初戦でデンマークのチームと試合を2-1で劇的勝利、2戦目でセルビアのチームに1-2で負けてしまい、私のUWCLの挑戦は終わりました。

UWCLは他の試合とは違う緊張感があったり、あのアンセムを聴いた時はヨーロッパに挑戦して良かったと思えた瞬間でした。

初戦勝利2-1

私自身のパフォーマンスを振り返ると何もできず、一番楽しみにしていたはずの試合なのに、一番悪いパフォーマンスでした。

コンディションも上がり調子だったことやリーグだと余裕を持ってプレーができていたりと私自身も自信を持って臨みすぎたのだと思います。最初の15分で連続2回デュエルで負け、スピードの違いを実感して一気に自信を失っていました。

そしてチームは裏に抜けられ、崩されて失点。立て直そう、立て直そうと考えている間に気づいたら45分が終わっていて、久しぶりに45分ってこんなに早かったっけと感じた瞬間でした。

ハーフタイムにロッカールームに戻ってからは、無言が続き、誰もがこれじゃダメだと思っていたはずです。

監督から
『後半はフォーメーションを変えるから』
と言われ、あ、交代だなというのが分かり、案の定、私とFWの選手の1人は交代を告げられました。

私が監督の立場であっても交代させたなと思うぐらい酷いパフォーマンスだったので、納得ができました。しかし何より悔しい思いが強すぎて。

後半が始まってすぐ、交代して入った選手が点を決め、1-1。フォーメーションを変えた事で前半ボールを触らせてもらえなかった私たちに流れは傾き、ボールを保持する時間が増えてきました。

相手は想定外だったのだと思います。フォーメーションを変えて試合に臨んだ事がない私たちですら、賭けに出たのと同じだったので。

どちらもチャンスがありながら、点はなかなか入らず、私はベンチで願うだけでした。

私は試合中でもベンチでも熱くなってしまうタイプなので、横にいた18歳の選手から、”優香頭はクールにだよ。ベンチの選手が落ち着いてないと“と言われ、あ、そうだよなという気持ちになりました。

熱くなることも大事だけど、UWCLはいつもの試合と違い、緊張する。私自身が一番実感したことでした。だからこそ外からプレッシャーを与えるのではなく、ポジティブなエナジーを届けようとベンチにいた選手たちが考えたことなのだと思います。

最後のワンプレーでコーナーから逆転した時は体が震えたぐらい嬉しかったのを今でも覚えています。

やっぱり勝つことって嬉しいし、勝てるチームにいることは成長するためには必要なんだなと実感したシーズンでした。

2戦目はメンバーの交代もあり、私は途中からチームが負けている状況での出場でした。

『勝つためには手段は選ばない』
私たちが逆の立場でも同じことをしたと思います。相手は2点目を決めてからはファールをもらいに行くプレーや時間を稼ぐプレーを行い、こちらの選手がイライラするような戦い方をしていました。案の定、私たちはファールを繰り返してしまうという悪循環な状況が続き、最終的には1-2で負けてしまいました。

何もできないまま2試合が終わり、不完全燃焼。
UWCLに出ることがヨーロッパに行く時の目標であり、それを達成できたことは嬉しかった。でもそれ以上に何もできない不甲斐なさともう一度この舞台に挑戦したいという気持ちが強くなりました。

よくサッカーで聞く、アウェーの洗礼も経験しました(笑)

ホテルは工事中で綺麗じゃないし、工事は朝早くから始まるし、電車の路線のすぐ横だし、ご飯は少ないし、バスは予定通りに来ないし(笑)

そのホテルに約1週間ほど滞在していましたが、もうすぐにでも帰りたいと思っていました。

これがアウェーの洗礼ってやつねという経験も出来たので、色んな意味で素晴らしい経験になりました。

でもデンマークはすごい綺麗な街でした!🇩🇰
落ち着いて観光に行きたい場所ですね!

Køge
Copenhagen
チームで一番仲良しだったエマ!

リーグ戦優勝、カップ戦優勝


数ヶ月ではありましたが、フィンランドに行って充実したと思えたシーズンだった理由は二冠を達成できたからだと思います。

私がサインするときに監督に言われたことは、まだクラブが二冠を達成したことがない。だからその歴史を一緒に作りたい。と言われて私はフィンランドに行くことを決めました。

過去のnoteを読んで頂いている方はご存知だと思いますが、私は7ヶ月間チームに所属をしていませんでした。

ノルウェーのチームとの契約延長を更新せずに、日本に戻ってきたのが約1年前。

若い頃はサッカーを中心に物事を決めていました。年々歳を取ると、それだけでは難しいんだなということがわかるようになりました。サッカー以外の生活環境であったり、気候であったり。

ノルウェーでの1.5シーズンが嫌だったとか意味のなかったシーズンだったとは決して思っていません。

ただ、白夜や極夜の影響で寝れなくなったり、パフォーマンスが上がらないというのを実感しました。私がいたベルゲンは年間239日平均で雨が降ると言われている地域で、太陽をあまり見ないことはメンタルにも影響することを学びました。

そして基本的に寒いのが苦手な私。夏場は問題なくても冬になると気持ちがなかなか上がらない日も多々あったと思います。

そういうことの積み重ねがあって、私は他国で挑戦することを考えるようになりました。

今だから思うのは、ノルウェーリーグでプレーしたことが今の私の考えやプレースタイルに影響しているのは間違いないなと思うので、一度もマイナスに捉えたことはありません。

そしてチームはなかなか決まらず、日本で5ヶ月間、市川SCの男子チームで練習をさせてもらえることになりました。

ここでのトレーニングがあったから私はフィンランドのチームに合流してからすぐに試合に出させてもらえたのだと思います。

5ヶ月間のトレーニングは週3 or 4日。
ガチな試合は一度もしていません。(おじ様たちとの試合は何度かしました笑)

男子選手からしてみると女子の私が入ってミスに繋がったり、スピードが遅いと思ったこともあるかもしれません。しかし市川SCの選手は一度も私に文句のようなことは言ってこなかったですし、むしろ次だよと常に切り替えの声かけをしてくれました。女子だからとか男子だからという見方ではなく、一選手として受け入れてくれたクラブや監督、スタッフ、選手の皆さんには本当に心から感謝しています。

私はここ数年プロサッカー選手として活動をさせてもらっていました。当たり前ではないことはわかっていながらもそれがどれだけ恵まれていることなのか、もっと頑張らないといけないということを改めて実感できる時間だったと思います。

市川SCの選手はみんな仕事をしながらサッカーをしています。平日は朝練で木曜だけが夜練です。朝サッカーをしてから仕事に行く選手がほとんどで、木曜日は仕事が終わって練習にきます。

木曜日は夜練ということもあり、選手も集まるので紅白戦をすることがほとんどです。そこでのインテンシティの高さ、みんなの真剣さ、時には22時半までのトレーニングが23時近くまで行われたこともありました。平日のトレーニングに来れない選手はトレーニングの後に残って自主練をする選手もいます。

こんなにも真剣にサッカーに向き合う選手たちが近くにいて、刺激を受けないことはありません。

みんながいたから私も頑張ろうと思えたし、不安になったり焦ったりしなかったのだと思います。

途中で契約がまとまりそうになっていたチームが負け続けて、スポーツディレクターが解雇され、話が白紙になったこともありました。

それでも頑張る仲間がいたから私も頑張れたし、毎日できることをしてきたので、フィンランドからチャンスが巡ってきたのだと思います。

恵まれている環境でサッカーができていること、サッカーができる喜びを改めて思い出させてくれた市川SCの関係者の皆さん、本当にありがとうございます!そして今も帰国した時にはトレーニングをさせて頂いています。

今シーズンは千葉県1部優勝。
現在、市川SCは関東リーグ昇格に向け、日々奮闘をしております。市川サッカークラブのポスターを貼って頂ける企業様や店舗様、施設を大募集していますので、是非ご興味のある方はご連絡ください!また本格的にスポンサー様も募集をしています。

サッカー以外の時間はプログラミングの勉強、インターンパーソルファシリティマネジメント株式会社様でさせて頂きました。

プログラミングはずっと興味の持っていたことで、お世話になっている企業さんが勉強の機会を提供してくださりました。まだまだ分からないところが沢山ありますが、0→1の部分を学ぶことができたのは凄い有難いことでした。プログラミングは、これからも学んでいきたいことの一つです💻

そしてインターン📚
私自身も起業をしていますが、どこかで働くという経験をしたことがありません。企業で働くことがどういうことなのかを知りたかった(固定観念があったから)のと、違う分野の方々からの学びを得たいと思ったのが理由です。

二ヶ月しかいなかった私を一社員として受け入れてくれて、沢山アドバイスをしてくださりました。ここで気づいたのは、スポーツと似ていることがあるということです。そんな気づきまとめたレポートはこちらのリンクから💁‍♀️

インターン最終日
私は会社のクレドが好きでした!

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かなり話が逸れてしまいましたが、、、
話を戻すと、私は日本での7ヶ月間があったから、フィンランドのチームに合流して、何事も楽しもうという気持ちが強かったのだと思います。

最初は足が攣りそうになったり、打撲が沢山あって体が痛かったり(笑) それでもサッカーができる喜びの方が私には大きかった。

そんな中、カップ戦優勝。
ヘルシンキのオリンピックスタジアムで試合をしました🏟️男子のカップ戦の決勝の後だったので芝生は削れていましたが、スタジアムの中は本当に綺麗でした!

この写真や私があげているSNSを見てもらえればわかると思うのですが、幸せそうな顔をしていませんか?(笑)

私のことを知っている人たちに言われたのは、『優香、すごい楽しそう』と今年はよく言われた気がします。確かに私が持っている写真を見返すと笑っている写真が沢山あるんです。カメラマンが撮るのも上手いのもあると思うのですが、自分でも楽しかった、充実したと思えたシーズンでした。

高校の時は勝つのが当たり前。
卒業してから1年間サッカーをせずに、入学のために英語の勉強。
大学入学してから1.2年目は怪我が続き、シーズン最後まで戦えず。
3年目は最初は勝てていたけど、だんだん勝てなくなり、監督の解任。
4年目は新しい監督の元、頑張ろうと思っていた矢先にコロナが来て、シーズンの縮小。
オーストリアでは途中合流からの降格争い。
ノルウェーでは勝てる試合は少なく、上位チームには大差で負け、順位は真ん中あたり。

ここ数年間、勝つチームに私は所属していませんでした。勿論、毎年勝てるチームは少ないと思いますし、勝つためのプロセスが楽しいと思っています。

だからこそ尚更、合流時には暫定1位。UWCLの出場権ありのKuPSに魅力を感じたのだと思います。

シーズンを通してうまくいかない試合もありました。それでも私が合流してから負けたのは2試合のみ。引き分けは2試合。それ以外は全部勝っています。

内容が良くない試合も勿論あり、監督と選手が喧嘩になったこともありました。

でも勝つことって大事なんだと思います。
勝つことが積み重なり、私も直ぐにこのチームで勝ちたいと思う気持ちが強くなりました。

4ヶ月しかいなかったのにそれ以上の期間このチームに所属していたんじゃないかなと感じるぐらいでした。フィンランド人は日本人に似ているところもあり、自分からグイグイと来るタイプでもありません。(中には来る選手もいましたが笑)

でもそんな選手たちと早く溶け込めたのは女子ワールドカップという共通の話題があったからだと思います。

そして日本代表選手の活躍があり、日本って凄いね、上手いねと何度も言ってもらいました。皆さんの活躍があったから、私も1人の日本人として嬉しい気持ちになり、誇りに思いました。お疲れ様でした&ありがとうございました😊

リーグ戦最終節を残して私たちは優勝が決まりました。↑の写真、当日はアウェーの試合で寒すぎて、セレブレーションはほとんどしていません(笑)

最終節のホーム戦が終わってから表彰があり、そこから4日間パーティーが続きました。私自身も気が緩んだのもあり、1週間ちょっと体調を崩し、回復までに2週間かかりました😂

サウナの聖地でもあるフィンランド🇫🇮
サウナパーティーが続き、日本でいう水風呂に入る代わりに湖の中に飛び込みます。そして私は風邪をひきました(笑) その時はしんどかったのですが、それも今となっては良い思い出です。

5000字を超えてきたので、なぜこのタイトルにしたかというのをまとめて終わりにしたいと思います。ここまでお付き合いして頂いた皆様、ありがとうございます。

ここまでの話を聞くと良い話ばかりに思うかもしれません。実際にはショックな出来事も起こりました。

18歳で日本を出たので、今年は海外生活8年目でした。フィンランドは日本みたいに安全な国だと言われていたのでそれを信じきっていたり、海外生活が慣れたのもあり、気持ちが緩んでいたのだと思います。

シーズン終了前の9月終わりに1週間ほど、オフがありました。私もどこか遊びに行こうかと考えましたが、そのままクオピオに残ることを決めました。そしてジムに行った時に事件は起こりました。

私が通っていたジムは鍵がありません。自分で🔐を持参する必要があります。私もノルウェーの時に使っていたものがスーツケースに入っていました。しかし、フィンランドは安全だよというチームメイトの言葉を信じきっていたのもあり、鍵をかけていませんでした。

サウナから上がって着替えようとするとロッカー内のバックが開けられていました。中身は何もありません。私の服やジャケットが全てなく、携帯だけは持って行かれていないのです。

ロッカールームはかなりの数があります。その中から私の物を取って行って、携帯は取っていないということは常習犯だと思います。(携帯だとトラッキングができるから)

次の日には警察に行って説明をし、監視カメラでチェックをお願いしました。(日本で警察署に行ったこともないのにまさかのフィンランドで🤣)

ノースフェイスジャケットの中にはイヤホンや家や自転車の鍵が入っており、このままだと帰れなかったので、残っていたチームメイトに連絡をし、着替えを持ってきてもらいました。

何よりショックだったのは、ノースフェイスのジャケットでも、イヤホンでも、鍵でもありません。その時に来ていたオクラホマのサッカー部のパーカーを持って行かれたことがショックでした。大した物じゃないじゃん?って聞かれたら確かにその通りなのかもしれないですが、そのパーカはサッカー部で、その年にいた選手しかもらうことができません。お金に変えられない物ってこういうことなんだろうなと思います。

自分が悪いので誰のせいでもないと思うし、もっと私が注意深く気をつけていればこういうことになりませんでした。

そんな反省点もあり、来年に向けて改めて気を引き締め直し、2024年に臨みたいと思っています。

そして数日前に発表しましたが、KuPSを退団します。7ヶ月間の期間が空いていた私を信じてくれて、チャンスを与えてくれたクラブには心から感謝しています。ここでの経験がなければ、次には繋がらなかったと思います。フィンランドでの経験をもとに新たに頑張ります!

長くなってしまいましたが、
2023年もお世話になりました。

チームがなかなか決まらなくても応援してくれた皆様、心から感謝申し上げます。

2024年もどんな状況であっても自分らしく挑戦し続けます!

そして私にしか選べない道を歩みます!
来年も応援よろしくお願い致します!!

少し早いですが、
良いお年をお迎えください😊

黒﨑優香

いつも沢山の方からのコメントを頂き、とても嬉しく思っております。私にとって、いいねやRTは最高なプレゼントです。こういう世の中の状況にも関わらず、サポートをしてくださる皆さん、感謝の気持ちでいっぱいです。サポート費は国内外での活動費として大事に使用させていただきます。