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大量に作っていいものと少量しか作らないもの

大量消費時代を過ぎて、個にスポットが当たり、消費者はモノを買わなくなってミニマリスト的なスタイルがもてはやされ「モノより体験の提供」と気焔を上げる一派がいる一方で、古くからのスタイルを守っているところは小さくても負け知らず…
という、販売群雄割拠時代をお過ごしの皆様、年の瀬ですね。

わたしは事業家として活動しているので、ビジネス視点あっての表現だと思っているんですけど、わたしのスタイルは提供する側は限りなく小規模(人間もお金も技術も設備も)でありながら属人性を薄くして、ユーザー数はいくらでも増える可能性があるという形式を大切にしています。

現時点では、属人性の点は「売り出しにおいてキャラ立ちの必要性があるので最終的に目指す目標」ということでちょっと後回しになっていますが、仕組みとしては属人性を必要としないものとして作っています。

そして、大量に作ってどんな人でも使えるような仕組みの薄利多売型商品をメインにして、中でもコンセプトに共感性の高いお客さんにむけてもっと経験型商品や高額商品を少数作って提供するという形です。

真珠なんか、完全に少数をお好みにあわせてお仕立てする高額商品になります。

大珠のアコヤのバロックパール

高額といっても、当店にとっての高額ってまだほんと数万円レベルなので、1回の契約で数千万円動くビジネスとは比べられないですね。
でもうちにとっては高額!!

だけど、よく思うんですがビジネスプランというか、キャッシュフローの構造の提案を見ていると「高額商品で個別対応で満足度を上げる」しか現在の新規参入には許されていない感じはあります。
なにせ薄利多売の大量生産型は元手がかかるし、販路の確保が絶対条件です。ゼロから起業するとなると、販路も持っていないのに大量の製品を作るなんて結構ハードにスーサイド。自殺行為に等しいです。
だからほとんどの小粒で小賢しい起業したいっ子たちは「高額商品で!」となります。

ただ、これも一長一短あるんですよね。
まず高額商品を作れんのかっていう。
商品自体は高額にふさわしい品質でも、箱とかパッケージとかいろいろあるんですよ、高いものを高く見せるために必要なものが!こいつらがまた相当高くつきます。
それに高額商品を買ってくれるお客さんと出会えるかどうかも、けっこう大きなカギを握っています。大口販路より少なくてもいいかもしれないけど、ここで出会えなかったら、高額商品の存在意義は完全に消失します。

なので、どっちがいいってものでもないと思うのです。
大量生産タイプの商品と、個別対応型高額商品の両輪を持っているというのが実はゼロから始めるバックボーンのない希薄な存在感の起業にとってはとっても大切なことだと思うのですよ。だってどっちに行ってもいばらの道なのはおなじなんだもん。

ここで出てくるのが、フリーミアムという考え方。
とても有名ですが、いいものをタダで配るなり、無料でサービスを提供して顧客(というかちょっと強めの見込み顧客)をつかんだうえで課金させるというスタイルですね。
これも間違っていない。……んだけど、これを弱小会社がやるのは、ダメだと思うんですよ!!!

課金させるまでに手持ちの資金がショートする確率相当高めじゃないですか。
思ったより課金率悪かったとか、課金タイミングが後ろにずれたとか、ありますからね。

だから、もう金持ってる大手がやるにはいいんだけど、小規模がやったらコケると思うの。
私の作戦は、そこで少額でもいいからちゃんと買ってもらう事。
でも安めの金額で、ちゃんといい内容のものを提供する事(コスト削減にはめっぽう力をいれるけど)。
フリーミアムスタイルです。(もはやフリー=無料ではないけど)

個人的に、フリーミアムとか顧客のロイヤリティ(忠誠度)を高めるとか、嫌いなんですよね。タダだから使ってやろうとか、こっちのいう事を聞くならいい事があるぞとか、そういう脅しや取引がお金じゃないところに重きを置かれちゃうのって、対等さとかお互いの誠意が存在しない感じで。
客としても誠意を見せてほしいし、売り手も誠意をもって提供している、という関係性を私はとても重視したいと考えているんです。
お金が入ってくるのは、その結果としてなの。
結果としての現象なの。

お金を払うというのは大変に豊かなことなのです。
それをお客に立った側にさせないというのは、大変よろしくない行為だと思います。何に対してよろしくないかっていうと、まず社会の構造に対してよろしくないし、お金を払うというお客側の尊厳を奪うというのもよろしくない。

なるべく少額でもお支払い頂く関係を最初に構築しておくのが大切だと思います。無料情報だけを熱心に追いかけてくる見込み顧客は絶対に金なんか払わないからね!(実体験)

キャッシュフローの中でも、キャッシュ・イン・フロー(入ってくるお金)のパターンを広げておくというのは、本当に大事なことです。
薄利多売の利点と弱点、高額商品の利点と弱点、これらは両方を重ねるとそれぞれを補い合う形になります。

さらに実際にはフリーミアム戦略も一部取り入れているんですよね。
SNSの情報発信はすべてフリーミアム戦略として位置付けています。広告でもあるので、立ち位置的には正しいんじゃないかなって。

で、コンテンツを断片的にばらまいて、それをまとめた「モノ」を販売するという仕組みです。
断片的にばらまくというのが非常にSNSにむいているのですね、仕組み的に。
(だから逆にSNS情報はどれも不完全なパーツでしかないという事を理解しておくこと。それの連続性によって表現内容が変わってくる=編集の力)

そうやって

・無料のフリーミアム情報コンテンツ=SNS
・低額の消費材的商品
・高額の贅沢でパーソナルで芸術性や物語性の高い商品

という3段階で今のところキャッシュ・イン・フローを構成しています。
低額商品で7割、高額商品は2割、残りはその他イベントなどって感じですね。

簡単にパパッとはできないけど、2年もあればできます。SNSの発達した時代だからこそ。私がこんなバックボーンもお金もないのに起業してそれなりの年商を作れたのもすべてこの時代だからだと思います。

ここまで作ってきても、まだまだアンダーグラウンド系というかマイナーな存在なので、もう一歩メジャーになる方へ駒を進めなくては。

メジャーになるための施策にはお金がかかります!
そのお金を調達する程度には成長できたので、ここでまた頑張るかなって感じです。
もう一個、メジャー作戦を動かすと同時に、「今までマイナーだったから応援してやってたのに―」的な人たちへのお心のケア的な、マイナー方向へのサービスも構築しておかないといけません。
そこはいわゆるサロンコミュニティー的な、ファンクラブ的な、秘密のグループのようなものになるのかなと思います。熱心なファンもいないのに最初から有料サロンで一儲けとかは不可能ですからね。顧客に階層ができてからこそのサービスです。

しかし、情報を売るタイプのビジネスをすると、モノが欲しくないお客さんばっかりが集まります!
ホントに彼らは買いません。
だから、コンテンツで客を増やそうとしているところは、ある程度マネタイズ考えておいた方がいいと思います。


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