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商品構成のコツ、見せ筋・売り筋・ポーラスター

商品の構成にはコツがある。
何事にも公式があるのですが、「2:8の法則」は絶対です。

①売上の8割を作り出すのは全体の商品の内の2割
②2月と8月は売上が落ちる

大体こういう意味でニッパチと言われています。

大事なのは①。
売上を作る割合です。

商品には、見せ筋というのと売り筋というのがあります。
筋肉じゃないよ。スジね、スジ。

まず売り筋というのは、よく売れてお店の売上の多くを占める商品です。
大抵の場合「販売価格が安くてお客さんが手に取りやすく、さらに利益率がいい」商品です。
人気だったり、必需品としてみんなが買っていくようなもの。
つまり、売上の8割を作るものです。

対して、見せ筋というのは、見栄えのいい商品です。ただし売上には直結しないものが多いです。
インスタに一番がんばってのせるようなやつで、みんなそれを見て買いに来るようなもの。
見た目がいいものとは限りません。タイムセールのたまご1パック98円みたいなやつも見せ筋です。
あんまり儲からないものだったり、高すぎて誰も買わないものだったりします。
でもこの商品がある事で、より良いお店という印象を持ってもらえるし人を呼べる。見せるための商品。

見せ筋と売り筋が完全に一致したものは、名物商品になります。
老舗洋食屋さんのオムレツとか。お土産系は完全一致がすごく多いですね。もみじ饅頭やら赤福やら、通りもん。萩の月。
もうみんなこれを買いにくる。これが作れたら勝ち組。

しかしそうそう名物商品は作れるものではありません。
なのでまずは、見せ筋と売り筋があるという事をよく考える事。
すぐに見せ筋と売り筋を作り分ける事はできないと思いますけども、知っておくのが大切です。

注意としては、売り筋はすぐに死に筋になることがあります。
死に筋とは、全然動かない商品の事。
見せ筋はディスプレイ用品みたいなもんなので死んでてもいいんですが、今まで元気だった売り筋が急に死ぬこともあります。そこを小売りの人たちは丁寧に見ていかないといけないし、小売りじゃなくてもものを売る立場の人間はそういう店先感覚を常に持っていないと。
流行りとかも影響を受けますが、もっと局地的な原因もあったりするので、なにが原因でというのは一言では言えません。ずっと観察する事。

この古くから伝わるお店の基本を押さえておくのは、とても有効です。

そして、もう一個、見せ筋の最高峰的な商品も持っておくのが必要。
それをポーラスターといいます。北極星。方向の指針。

特に職人系の作っているものを売っている人たちは、代表作っていうのがあると思います。それも一点ものの。
そういうのがポーラスターに当たります。

「うちの持てる技術の最高峰はこれ。ドヤ!」
「やろうと思えばここまでできます」

みたいな、突出したものがのぞましいです。
ジュエリー屋さんの10億円のティアラとか。みんな20万円くらいの結婚指輪買うのに10億円ってって感じですが、10億円の商品を売っているお店(ブランド)で買い物したいじゃん!?

見せ筋は作品ポートフォリオみたいなもので、ポーラスターはコンテスト優勝作品とでもいいましょうか。
自分の持っている技術の粋を集めた見せ玉。
これさえ見てもらえば自分の事をわかってもらえる事。
売れなくてもいいレベルの高額商品。

ポートフォリオも優勝作品も、販売する事はあんまりないと思います。
欲しいという方がいたら、高額で売ればいいけど。
でも多くのお客さんはもっと手頃な価格の商品を買っていきます。

そういう売上を作る商品の構成を立体的かつ脚本が見えるように構成していくのがすごく大事です。
お客さんには全部は伝わらないものだけど、ここの立体的な構成がお店を支えています。それもちゃんと強度のある立体構造じゃないと。最初から素敵な建物を作ることは難しいですが、耐震性のない建物は危険です。
耐震性のある商品構造を作っていかねばなりません。
そして商品自体で物語を語れること。受け取り手のレベルを問わずに伝えることができるようになれば、最高だなと思います。


カフェとか小売店や、手作り作家、職人系のものではこういう事すごく大事なんだけど、形を持たないサービス系でも可能だと思う。(だからこそグッドデザイン賞とかモンドセレクションとかが重宝されているわけで…)

そして、自分がモノを買う時に「どういう理由でそれを選んだのか」という思考のルートを今一度思い出してみるだけで、一消費者の考えが分かると思います。

自分はサンプルイチ。

そんでまあ、そういう事が分かっていても理想通りの構成を作るのは容易ではないという事も、現場にいる人間でないとわからん事だと思います。
そう簡単に見せ筋が作れるかー!とか。
逆に売れ筋みたいな媚びた商品はやりたくないー!とか。
資金的なことだけじゃなくて、精神的なブロックもたくさんあると思います。煩悩よのぅ。

どっちにせよ、売上がたくさんある状態になることが大事です。
たくさん売れるけど利益がない状態になることを避けつつ、動きがあるという事は「売上が伸びる可能性が高い」事なので喜ばしい事です。
売上を伸ばしつつ、利益率をよくする。儲ける。

商売をやっていて儲からないというのは、すなわちを意味します。


作るものの値段と数にフォーカスして書いた記事はこちら↓↓↓

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