エクストリーム起業とお金の話1

「起業したい」と思った途端に我々はカモられる

エクストリーム起業のお金の話をする前に、「普通の起業」のお金の話をしたいと思う。いや「起業家志望マーケット」という弱肉強食の魔界について、話しておきたいと思います…。

「起業したい…」というと、まずどこからともなく現れる怪しい人物。自称コンサルタント、セミナー教師、よくわかんないオリジナル肩書きの自宅でプリントした名刺(幸せとか感謝とか、ハッピー、情熱とか書いてあることが多い)をニコニコ渡す人。

彼らはね、場合によっては5ヵ月後のあなたです。

うっかり「起業家志望マーケット」に入り込んでしまうと、まず最初になるのがカモです。セミナーに参加しなさい(セミナー代)、この本がおすすめ(本代)、今度イベントやるんでぜひきて(チケット代)という風に、まずあなたからお金を巻き上げていく。

その次に「あなたもずいぶん勉強した、そろそろ次のステージ上がるべきだ、実行しなくては意味がない、セミナーの講師をしてみないかい?」とかなってきちゃって、今度は会場代を払ったり集客のための広告費をかけたり、自分のサイトのSEO(検索したときに上に表示されるための仕組み)対策にお金をかけたり、ツイッターのフォロワーを買ったり(!)、さらなる勉強やより大きなモチベーションと挑戦のために(もう日本語おかしい)借金してお店を借りたり、会社を辞めたりしてしまう。

恐ろしいのが、こういう過程を「自分自身が望んで」いるかのように転がっていってしまうところが魔界たる所以なのです。

はじめて五ヵ月後くらいに、「ハッピー☆コンサルタント」という肩書きを入れた奇妙な名刺を刷って、内容の薄いブログを更新しまくり、二桁を超えることがないアクセス数に一喜一憂し、「前回一緒にセミナーを開催したいつも愛にあふれているナントカさん、また次回も楽しんでいきましょうね!」とか「ありがとうって一万回言うのが今月の目標!いつも感謝を忘れずに」とか書いては訳がわからなくなってき始めている人は、現代の魔界「起業家志望マーケット」では優良(優秀ではない)な起業家志望さんだ。勉強家で努力家で、まじめで素直で、金払いのいい・・・つまり馬鹿なカモ(書いてて涙がでてきた)。

そして、多分7ヵ月後を過ぎたあたりで、急に熱が引いて全部きれいに処分する冷静な人に戻ったりする。
そうやって、本当ならエクストリームな起業をきめられたはずの人がまたひとり、可能性を捨てる・・・。黒歴史と共に・・・。

「起業」を餌にビジネスをしている人たちは、相手がお金に困っていたり執着しているのをちゃんとわかっている。だって何のために起業したいかって、そりゃあ多かれ少なかれお金がほしいって思ったからです。

借金に追い詰められて情報商材などに片足を突っ込んでいた母が私によく言ってました。

「ゴールドラッシュのときに一番儲けたのは、金を掘る人にツルハシを売った人だってさ」

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つよく生きていきたい。