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+2歳の顔に化粧する

日本中の女の子のチークが目の下に塗られるようになったくらいの影響力絶大メイクアップアーティスト・イガリシノブさんが、「大人の女性は+2歳の顔を目指して化粧するといい」という主旨の事を言っていて、ああなるほどと膝を打った。
(「& ROSY特別編集 35歳を過ぎたら知っておきたい美容テクニック101」から)

さすがだ。10代のぷりぷり美少女にだけ化粧をしているタイプの仕事をしているのかなと思っていたけど、そうじゃない、すごいセンスいい。ワカル。

日本のメイクは、基本的に若く見せる、そして可愛らしく仕上げるのが何よりも尊重される。
そういう色の化粧品がたくさんある。
よく「大人になれない社会」なんていうけど、消費者が若く見せたがり、それを売り手が汲み取っていいクリエイターに最高なメイクを作ってもらうと今度はそれをまた消費者が真似し、というスパイラルもあると思う。
30代、40代の女性は、「可愛いメイクは無理があるが、今までやっていたナチュラル可愛いメイクしかできん!!!」と眉間に皺を寄せている事もある。

私個人の事を言えば、子供の頃は正直老けていた。
子供時代の環境で、私はあまりに我慢をし過ぎていて、自由にのびのび遊ぶことが10代になるとどんどん減って、とにかくジッと耐えている少女だった。
それが実家の借金のDVを経て、何もかも捨てるつもりで家を出てから、徐々に若返っていった。
24歳で18歳に、30歳で26歳に。
そんな感じで、もはや年齢の意味が自分でもよくわからなかった。
同い年の子がほとんどいない学校に行ったのも影響したのかもしれない。

で、いわゆる年相応というものを、すべてふっ飛ばして、自分でもよくわからないまま、制服のある仕事をしていたから、自分の事を考える必要はほとんどなく、それがまた非常に便利で心地よかった。
受付嬢の仕事は年齢より見た目である。若い子もいるが、制服が着られる細身な女子なら大学生だろうが30代だろうがどうでもいいのだ。

しかし、やはりここにきて、大人の見た目問題は勃発する。

キレイに服を着るとか、メイクをするとか、そういう今までのやり方が全然通用しなくなってくる感じがある。

ファッション面ではもうちょっと年上の地曳いく子さんの「脱「若見え」の呪い “素敵なおばさま"のススメ」という本が超面白かった。
そこには「みんなファッションアバターを頭の中に持っていて、それが現実の自分とずれていく」という事が書かれていて、「仰る通りです!」とこちらもひざ打ちである。

もちろん、ファッションアバターは若いままで、現実の自分の肉体は着々とおばさん化、おばあちゃん化しているという事だ。
だから「若く見積もり過ぎるな!」という警告を発している。
(めっちゃ面白いからファッションに興味がなくても楽しい)

しかし、「若く見積もり過ぎるな」では正直方向性は「ある程度若く見せよう」というままで、結局のところ何も変わっていない。

そこに行くと「+2歳の顔を目指す」というのは、非常にわかりやすい。

当然若く見せたい社会の中で若く見せる技術を磨いてきている人間が考える+2歳は、まさかシミや皺を書き込むなんて事はない。
今考えられ得るもっといい感じの大人を、精一杯作ろうとする。

イガリさんは濃いめのブラウンリップをお勧めしていた。あと眉やくちびるをしっかり輪郭を取ることも重要らしい。

ピンクのチークは確かに顔色が明るく肌が透けるようにキレイにみえるんだけど、やはり幼さが出てしまう。なので、最近はもっぱらベージュのチークの使い勝手がいい。

可愛さは否定するものではないけれど、結局私は中身と外側のバランスがすごく悪くて、小柄で可愛い感じの色合いのほうが似合うのでそういうふうにすると「すごくかわいい雰囲気の人で、もっとキャリアウーマン的な人だと思っていたから驚いた」的な事を言われる。
「もっと背が高い人だと思っていたのに小さいんですね」もよく言われる。
言いたいことはわかるし、あんまり厳しい感じにしても空気が悪くなるだろうからソフトさを心がけていくと、この乖離が起きる。

そういう時に、+2歳というのはとてもいい指針だとおもった。
+5歳くらいの場面も、状況によってはあるだろう。
女だからって舐められないようにと突っ張るような場面は私にはあんまり訪れないんだけど、舐めてかかってくる人は「ラッキー、ハンデゲット」くらいに思っていてそれほど対策もしていない。
が、いざ、自分の向かう先を考えると、己のファッションアバターの設定が甘すぎる事もわかっているけど対策がとれていないし、そこそこ考えてお金をつぎ込んでいかねばならないなと思っているところです。


最近大好きなベージュチークおすすめするよ!

やっぱりヴィセのクリームチークはいいですね!もう5種類も買っちゃったよ。最近の新色BE10ショコラベージュは、まぶたにも(むしろノーズシャドウが超おすすめ)にもほんのり入れると軽い陰影がつくので、ほんと使いやすいです。
くちびるにも使えるけど、それはあんまりお勧めしない。塗る意味があんまりない発色になる……

パウダータイプのベージュチークもいいのですが、なぜか粉の部分だけがケースからぽろっとはずれてしまったので、現在あんまりつかっていません。
といいつつ、また限定カラーでブラウンが出るらしく、欲しい。

全然+2歳ではなく−12歳なチョイスですが。


最近のテーマが「エレガントでやくざな女」なので、そういう方向になるように調整していこうと思います。ベースが小さくてかわいい感じなタイプなので、うまい事ヤクザな女になりたいものです。

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