外人さんにはわからない
日本の古典的な技術、職人の世界では、恐ろしいほどに「考え方」が固まっている。
ということを、ものすごく感じる。
今は、漆や真珠で、とびきりのマニアックな取り組みや革新的な取り組みをしている人に続けて会ってきたのだけど、どちらも異端なんですよね。
それは、その業界からしたら異端。
でも、やはり業界的な思考回路やセンスで動いてる。
当然です。
そうでないと技術は身につかないし、生業にならないでしょう。
今回、職人さんに会ってわたしが散々言ったのは「外人さんにはわからないから大丈夫!」ということでした。
職人さんは、一本筋の通っていれば雑な仕事はしません。というか、そういう人は仕事にならないから。
だから、わたしが言うのは、手を抜けって事じゃなくて、瑣末なことにこだわらずにのびのび才能を発揮して作って欲しいということ。
外人さんには見る目がない、って意味じゃない。
外人さんにも(ヨーロッパ、アジア、アメリカ、中東…)目利きは多いですよ。
そういう目利きに伝わるものを作って欲しいし、それには瑣末な日本のルールとかは意味がない。
瑣末なところでしか競争できないのがトップレベルなんだけど、それが悪いほうに転がってしまうのは阻止したい!(素人目にわからない技術争いみたいなことは、世界向けにはあんまり意味がない)
てなことで、何度も「外人さんにはわからない!」「大丈夫です、外人さんにはわからないから!」と繰り返すことに。
それはですね、シロウトの私も外人さんと同じんです。目線が。
あと狭い世界で争ってると、自分の技術が本当はどれほどすごいかわからなくなる。
卑下とは言わないけど、すごく自己評価が低いことがよくあります。売上がガタ落ちの中では当然かもしれません。でもそれと技術力は無関係。
簡単なことと感じることであっても、価値や意味は十分ある。
わたしはそこを拾って、換金したいのです。
売れる=換金、つまり、ものすごい肯定のメッセージです。
あなたに価値はある!
これには価値がある!
これを買う人にも、それ以上の価値があるのだから!!
瑣末なことで才能を閉じないで。
誰かを喜ばせてあげてほしいの、その技術で。
世界には、まだまだ人がいるから。
つよく生きていきたい。