エクストリーム起業式勉強法

エクストリームスポーツのように、エクストリームな起業もあると思う。
わずかな資金(5000円とか)や、そもそも普通にフルタイム仕事している時間の短さなど、普通に考えたら起業なんてできなさそうな条件でやり遂げる起業のスタイルを、わたしはエクストリーム起業と勝手に名付けている。

それが私のスタイル(キリッ)

ってことで、エクストリームな起業をするためのやり方をずっと書いていたのだけどここに公開しようと思う。

まずは起業家志望さんが大好きなお勉強のはなしから。

・勉強はしない、という選択

まず大前提からいきましょう。勉強することは、大きな損失である。

なぜか、学校の勉強やら宿題やら試験が大っ嫌いだったはずの人も、オトナになって働き始めると「勉強って大事だよな」とか言い始める。それが「起業」だなんて言葉が頭をかすめるくらいの人なら、勉強は何より大切だ!と言うでしょう。
しかしながら。
冷静に考えてみようよ。勉強なんかしている暇あるの?
エクストリーム起業は、まずもって非常に時間もタイト。ぴちぴちのきつきつのジーンズみたいにタイト。だからそれを履きこなせたらめちゃくちゃカッコいい、というたぐいのものです。

じゃあ、たとえば「英語」を身に付けたいと思うとする。理由は「たぶん、英語がないと世界的なビジネスの場に出られないだろうし、情報量も英語のほうがずっと多いっていわれてるし」という感じ。
古典的なところでは15分のラジオの基礎英語、通勤時間ずっと聞く音声学習、フェイスブックで海外の人と交流する…。きっと忙しくたっていくらでも方法はある!って言ってくれる人はたくさんいます。
でも、あなたが望むほどのレベルになるまで、そんなやり方で何ヶ月、何年かかるの?で、その間、あなたは何をするの?

「いますぐ結果がでない」「モチベーションを保つのが大変」「つらい」
これらは、コスト=損失になります。
そしてなにより陥りがちな「マスターするまで、なにもしない」
これこそ、もっとも大きな損失です…。
時間を、あなたの命を、刻々と削っていくのですよ、結果をもたらさない大嫌いな「お勉強」が。

あなたの今持っている武器は「いつかしゃべれるようになるはずの英語力」ではなくて、「いましゃべれる日本語」です。
もちろん、英語があれば世界は確実に広がり収入源もドカンと増えると踏んで間違いはないでしょう。だけど、それは「今」じゃなく、いつだかわからない「いつか」。
(それに、あなた自身が英語をしゃべれなくたって世界に通用するビジネスは興せると思います。こちらがヘタクソな英語をしゃべるよりきちんと通訳を立ててもらう事を条件に取材を受けたり取引をしたりすればいいだけの話です)

勉強をしたら何でも手に入る、勉強することはすばらしいこと、勉強は裏切らない、などなど、「お勉強市場」からはたくさんのメッセージが出ています。そして正当な理由をつけては私たちからお金を巻き上げていく仕組みです。
勉強は、時間とお金と体力、モチベーションをキープしなくてはいけない心理的負担など、数え上げたらキリがないほどの損失をもたらすもの。
そもそも勉強は贅沢品、嗜好品でもあるといえます。
普通にこつこつ勉強していく金銭的・時間的余裕と実力とがあるなら、留学して箔をつけて、「普通の起業」を目指したほうがいいでしょう。日本でお教室に通ってフラワーアレンジメントの先生になるのと、パリに短期留学して日本で教室を開くのとだったらパリのほうが箔になります。
(でも母国語以外で勉強する語学力とコミュニケーション力があるなら、さっさと海外でビジネスを立ち上げちゃったほうが、実入りは多い気がするんですけどね。パリで生け花教室を開くとか、ロシアで振袖着付レンタル専門店を開くとかね)

多くの場合、勉強するというのは「出来ないことをできるようにするための訓練」です。
何度も繰り返すけれど、エクストリーム起業では「できないこと」をしようとしてはいけないのです。できることしかできないし、今できることの中から最大の武器を選んでそれが通用する戦場を見つけなくてはいけない訳です。

勉強に逃げていはいけないのです。

・「勉強」より「調べる」

かといって、エクストリーム起業を決めようとする人たちも、いろいろと調べなくてはいけないことがたくさんでてくるでしょう。
新しい法律について調べないといけないとか、この素材はどういうものなのかちゃんと理解しておかなくてはいけないとか、どうしてもここの問題を解決しないといけないとか。
でも、そういう「目的ある新しい知識の吸収」というのは、お勉強というよりは「知りたい」という欲求、もっと強い熱望みたいなものだったりします。
調べるという意識もないまま、知りたい→知った、くらいのスムーズさ。いや、夢中になって調べていて気付いたら寝食を忘れたなんてこともあるでしょう。エクストリーム起業は、そういうスムーズさで知識を吸い集める形が望ましいと思います。
勉強はしない。知りたいことだけ知る。

知らなくても、ちょっと検索したらいい。
こんなになんでも情報がただ同然で簡単に手に入る時代はいまだかつてなかったとおもいます。
お勉強をあえてしないエクストリーム起業をきめようとする人は、「ちょっとした疑問」をちょいちょい調べて、自分を疑問が少ない状態に保っておくぐらいでいいのです。ほんの20秒で検索して読んで、ふーんって思って終わり。このくらいライトじゃないと。

・アドバイスは聞かない

勉強するのはやめる、確かにコストかかるし。そう思ったとしても、私たちの心には次の影が忍び寄る。
「知識がないことは、あぶないんじゃないか?」「知らないことって、よくないよね?」
これらはずっと義務教育を受け、高等教育も受けて長いことお勉強が生活だった若者時代をすごした我々に当然の感覚として植え付けられています。
そこへ登場するのが「教えたがり」「アドバイス大好き人間」「自称コンサルタント」などなど。
アドバイスだけをして、別にお金も要求するわけでもない彼らは、場合によってはすばらしい友人のように感じられるかもしれない。
だけどね。
「こうしたらもっとうまくいく」というアドバイスは、責任を取らずにあなたから主導権を奪おうとしている彼らのゲームなのかもしれないのです。
アドバイスに「従った」場合、もう主体はあなたではなく自称コンサルタントのほうへ移ってしまいます。
しかも、アドバイスがうまくいかなくても、最悪大失敗したとしても、アドバイスした人はその失敗を引き受けることは絶対にないのです。もちろんうまくいったからっていって利益がアドバイスをした人のものになるわけでもないのだけど、利益が出たってやることは山積みなので、アドバイスした人は何の苦労も責任もなく成功したのは俺のおかげ気分を満喫するわけです。
「アドバイス大好き人間」は、責任を取らずにあなたから主導権だけを奪おうとするハゲタカです。
この場合の主導権というのは「判断基準をどこに置くか」「その判断をいつどういうタイミングで行うか、行わないかの決定権を持つ」という意味になります。
アドバイスを聞いて何かを決めるということは、この主導権をすこし遠くにおいてしまうということになります。
そうすると、自分が選んだという明確な理由や感覚が薄れ、自分を信じる力が薄れる。ひどい場合はアドバイスがないと動けなくなってしまう。
ハゲタカに自分の運命を奪われてしまう、ということです。
残り少ないチャンスだというのに!

アドバイスを聞き入れない利点は他にもあります。
失敗したとき、ちゃんと自分で決めたときはすぐに「ああ、アレがだめだった。よし微調整して次!」となりますが、アドバイスなどが入ると「あの人がああいったから!」という無駄な怒りという一手間が入ってきてしまって、スムーズに失敗のリカバリーが出来ないことが多いはずです。ご記憶にありませんか、そういう体験。
それは大きな損失です。
あとね、今の世の中、素人に毛が生えただけの「自称コンサル」という怪しい人間がいっぱいいますから。本で読んだことあるようなつっまらないアドバイスをしたり顔でしてきますから。お前が教わってこいよって話です。
そういう人の話は「へー」「へー」と機械音のように相槌を打って右から左へそよ風のように受け流すのが一番です(波風も立たないし)。
まあ、怪しい人だけじゃなくてビジネス本も同じです。
ドラッカーがいくらいい事を書いてくれたといっても、その本を読めばドラッカーが立ち上げようとしているビジネスにお金(利益)をくれるわけじゃありませんから。むしろこっちが払ってるんですから。

そういう意味でも、師匠だとかメンターだとかっていう存在も、あなたの運命を狂わしてしまう存在だといえます。
だからあえて今から師匠を探すためにコストをかける必要は、まったくもってないです。
これ以上運命を狂わされたらたまったもんじゃないですからね!

さて、転んでもタダで起きないのがエクストリーム起業の大事なところです。
うっとうしいハゲタカが現れたら、どうするか?右から左へ受け流す以外に、何かおいしい話はないか?
ということで「ハゲタカの正しい使い方」について考えておきましょう。
ハゲタカはどこにでもいます。職場にも、親戚たちのなかにも、そして友人たちの中にだってすぐに見つけ出せるでしょう。
教えたがりのアドバイス大好き人間は、知識で人をコントロールする快感をいつも求めています。
つまり「うわー、すごいですね!助かりましたよー!」の一言だけで、場合によってはありとあらゆることをやってくれちゃったりする最高に御しやすい人間だったりもするのです。
多くのハゲタカは半端な知識で使い物にならないことが多いですが(半端な知識の人ほどハゲタカになりがちなのです)、中には特別なワザを持っているハゲタカもいたりしますし、そうでなくても御しやすい人間ですから、持ち上げて気分よく手伝ってもらうなんてこともできちゃいます。
お金も時間もないエクストリーム起業において邪魔者のハゲタカが現れたら、すかさず「すごい!」「教えて欲しい!」とほめ殺しの呪文をかけるだけで、あなたの使い魔になってしまったりするのですよ……。
逆に言うと、「人をコントロールしたい欲求に飲まれてしまっている人」は簡単に人に利用されてしまうのです。
そして恐ろしいことにこの欲望は必ずどの人の心の中にもあります。ハゲタカをうまいこと褒め殺しにして使い魔にした人の中にも、おなじハゲタカがいます。それを忘れずに、満面の笑顔で「本当にありがとうございました」と働いてくれたハゲタカに感謝を伝えましょう。(時にはお菓子とか、なんでもいいので形でお礼をするとなおいいです。ここまでくると魔物を利用したら必ず御供えをしないとひどい目にあう童話のイメージですが、神話や俗信は基本的に人間の核心を突いていると思います)
そのうちに、ハゲタカはあなたから主導権を奪おうとする事をやめ、本当にただのよい友人になることもあります。

大切なのは、あなたが自分の運命を誰にも明け渡さず、自分で主導権をしっかり持ち続けることです。

・知識を譲渡してもらう

勉強はしない、アドバイスも聞かない!
となると、必要な知識はどうやって入手したらいいのか?

そもそも、どうして知識を入手する方法が「調べる」「勉強する」という選択肢しかないと思ってしまうのか、が問題なのです。
知識は、すでにその知識を持っている人に代行してもらえばいい。ただそれだけのことです。(先ほどの英語がダメなら通訳を立てるというような話です)

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つよく生きていきたい。