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起業なんて簡単さ、命と引き換えだ

起業したいっ子がいっぱいいる。いまだにいっぱいいる。ので、ちょっと書いておきますね。

①社会人経験を積むことは必須

特に一人で起業したいタイプの人ほど、会社勤めしたほうがいいと思います。
お金をもらいながら世の中の事を勉強できるので、やったほうがいいです。
特に大学出たて、あるいは20代の人は絶対に。アルバイトでも派遣でもいいので。正社員だと副業禁止かもしれないけど、それでもそのくらいお堅い会社のほうが学ぶべきことが多いです。あとからお堅い会社には入れませんから経験値として強い。

ここで、請求書や領収書や、見積もりや、電話の取り方や、くそつまんない部長の話とか聞いておく。あとで鬼のように役に立ちます。
なぜならこの社会(会社じゃないですよ、社会)でビジネスをやっていくのだから!

いい経験を積む必要はありません。あとで「あ、こういうヤバい人いた、逃げよう」という判断が下せるようになるには、いい経験より悪い経験がものを言いますし、起業した時は逃げポイントを間違うと死に直結する。いい経験より悪い経験が後々役に立ちます。

ただし、だからと言って鬱病発症するほどのところにいくのはやめましょう。やめてほかの職場を探しましょう。アルバイトでも派遣でもいいんです。
与えられた負け組意識を持つ必要はないです。
大体20代なんて、それだけで勝ち組ですからね(´ω`)

②アホっぽいブログを顔写真と本名で書いてはいけない

いいですか、多くの人は騙されている!セルフブランディングだとか言って。
本名と顔をさらすのは、あとになってからでいいんです。練習だーといって毎日本名と顔写真つきブログ更新するのは、マイナスになり得るという視点も持っておかねばなりません。特に起業したいというのなら。
あとあと、あなたが一定の実力と評価を受け始めた時に、それが足を引っ張ってくることはよーーーくありますから。まあ、それも業。受け入れなくてはいけない。
が、いつかあなたは成功への道を歩き始め、必ずやライバルやつまらん嫉妬を買います。その時、この検索時代ですから、あっという間に彼らはそれをサカナに何かを言ってくる、というのは想像に難くないという事です。
充分に気を付けて。

かつては、いつ何時誰に見られているかわからないから振る舞いに気をつけなさいと言われていましたが、今はそれがネット上のログって事なんですよね。時代ですね。

③いきなり会社にしない

ケースバイケースですが、ここでは一人でまだ提供する商品もサービスも定まっていないけど起業したいぞ!という人に向けて、一言。
いきなり会社にしない方がいいです。
基本的に息をしているだけなのに払うお金がすごく増えます(国に)。
会計事務も非常に複雑になります。税務面もむずかしいです。自分一人でやるのは、ちょっとムリだと思っていたほうがいいです。
私は会計士よ!税理士よ!行政書士なのよ!という人は別ですが、そうじゃない人なら、いきなり会社にするのは余計な仕事が増えすぎで死にます。
自分の仕事ができなくなるのは本末転倒ですから、最初は個人事業主でいいです。格好いいから、一人前っぽいから、夢だったから、という理由でやるのは3年後くらいでも十分間に合います。最初は個人事業主でプレオープンです。
大体、登記するのに20万円くらい印紙だけでかかります。安いパソコンが4台買えます。法人税みたいなものも払わなくてはいけません。

④会計ソフトは何があっても買え

クラウド方式でもいいので、会計ソフトは絶対に買いましょう!
起業した人の必須アイテム。
自分でエクセルでできるーなんて言わない事。いいから買え、買うんだ!
確定申告をしなくてはいけないので、起業を決めたらすぐに選びましょう。
あと、とりあえずレシートは全部取っておくこと。交通費もわかるように。
クレジットカードの明細がwebで見れるようにしておくのも重要です。
ネットバンキングができるように手続するのも大切です。振込が楽、というよりも口座情報を通帳の代わりにCSVなどで取れます。これがとっても重要になってきます。

⑤会社員のうちにクレジットカードを作れ

年会費無料のでいいので、2枚以上。最低でも2枚は欲しい。
今は、誰でも作れるようなずさんなカードもありますが。とにかくカードを作っておきましょう。使わなくってもいいんです!作っておきましょう。
あとで作れなくなる時期が来ます……。
そして、カードがあるからできる事以上に、カードがないとできない事が増えています。絶対に作っておきましょう。
カードを作るためにも、会社で働いているという地位を得るのは重要だったりします。

⑥貯金しすぎない

自己資金は多いにこしたことはありませんが、貯金を作っている間に失うものの大きさを考えると、貯金に精を出すのは起業を目指す人には全くお勧めできません。
大体、金のないところから金を生み出す、事業を起こす、ビジネスを立ち上げようって人が、せこせこと貯金に走ってどうするんですか。金がなくても金を作り出すのが商売です!
会社で働くのはとても重要なことですが、貯金の為に働くというのはよろしくありません。
もちろん、貯金は必要ですが、絶対ではないし、貯金する事にデメリット・害悪もあるという事を忘れないでください。金がなければ起業ができない、なんて考える人はそもそも起業家ではありません。
100万円貯めたら始めよう、というのは得策じゃないです。貯まる前にやり始めるくらいでないと、ビジネスは作れません。貯金とビジネスは違うんだよ。

⑦人脈に頼らない

これ、超大事!いいですか、超大事ですよ。人脈に頼らない。
人脈に寄りかからないというほうがニュアンスとしてはあっているのかなとも思いますが、人脈っていうのはしょせん他人の知り合いがどれほどいるかっていう話です。
しょせん、他人です。仲間でもなんでもないんですよ。
仲間っていうのもね、危ういくらいです。なのに、人脈があるからっていうのは、あまりに危険です。他人に寄りかかって何とかしてもらおうって魂胆だって事です。これは大変甘っちょろくて危険な考え方です。
いえ、あなたに頼れる人脈がないのが悪いって事じゃないです、こっちが利用しようと考えている人脈は向こうもこっちを利用しようとしているという事で、中には詐欺師ネットワークビジネスな人たちもたくさんいるって事です。
だから、起業したいっていうひとは、無理して作った人脈に寄りかかるとあっという間にカモにされます。
大体ね、起業したいって人を喜んで応援してくる人は、ほとんどがそこから自分の利益が出るだろうと踏んで集まってきている人たちだけなんですよ。個人の魅力があってというのも否定はしませんが、それだって魅力的な人のそばにいたいというその人の欲の結果です。
欲の絡まない人脈というのは起業に関しては存在しない、という事を忘れずに。
ただ欲というのは金銭だけではなく、名誉欲とかおごってあげたい欲とかお世話してあげたい欲などという複雑なものもありますので、社会人経験の少ない人間を見る目がない人にとっては全く見抜けない物になると思います。

ま、いちいち見抜いているのも疲れるので、ほどほどにしないといけませんし、普通の友達も減ります。
だから、人脈に頼るような真似はやめましょう。
正当な取引か、利害のない関係でいいし、それが幅広くたくさんある必要は全くないので、無駄に名刺交換にいそしむ必要はありません。

⑧遺書を書いておく

この世に、やってはいけないことはない。ただ、それが社会が許してくれない事はある。
起業する時に、そこまで肉薄して考える機会があった事は、私にとってたくさんの自由と挑戦の扉を開いてくれたし、非力な私でもたくさんの事を成し遂げることができた。

人を殺したっていいのだ。
すべてがうまく回るために、自分が死ぬことが必要なら死んでもいい。

そう考えたら、絶対にうまくいく方法っていくらでも思いつくと思う。
でも、それをやりたいか?それをやって、そのあとうまくいくのか?
そういう事まで考えていくと、大抵人を殺すとか自分が死ぬことはいいやり方ではない。どう考えたって、いいやり方じゃないんだ、今の社会では。

これが時代が違ったり国が違えば、不義を働いた女は親族がリンチして殺すのが世間へのけじめだったり、親の仇を殺すのは大変に名誉なことであったり、切腹は一定の地位以上の人にのみ与えられた特権であったわけで、その社会では責められるどころか褒められる事だったりする。

命を懸ける事なんて、非常にナチュラルなことなのですよ。

起業する時に、同時に遺書を書く必要が出てくる。
もし自分が死んだら、この売上はどうする、権利はどうする、みたいなことをちょっとだけ考えておく必要がある。

でもね、遺書を書いたら、見えるものがあるでしょう。
この起業は、なんのためなのか。見栄やプライドのためか、他者からのプレッシャーに負けて起業という道を志してしまったのか。魂が呼ぶのか。目先の欲にくらんでいるだけなのか。

ここでは、ただ正直になることだけが求められていて、高い志や潔癖な思想が必要だってことじゃないんだ。欲に目がくらんで始めるのであってもいいんだ、なにも問題ない。でも欲に目がくらんでやるなら、死んだ後の結果をどう着地させたら一番自分が儲かるかを考えておくっていう事だ。本当の自分の利益を最後まで追求しなけりゃ、起業する意味なんかない。

事業計画書遺書を同時に書け。そして次に書き直す時期を決めておけ。
売上が1000万円越えたら?
人を雇ったら?
法人化したら?
なにかの節目で書き直すよう、入れておくのです。

起業は、多くの場合、その人の人生に関わることだ。
遺書を添えておくのは、配慮ってもんだし、覚悟も決まるだろう。

死ぬまでにやりたい100のリストもいいけど、本気なら遺書も書いとけ。

* * *

起業は、スタートはすごく簡単です。
始めればいいだけだから。
大変なのはそのあと続けるってことなんだけども。

だけどそのスタートで二の足を踏んでいる人たちが、指をくわえて物欲しげに起業したいという。
一種の現実逃避の妄想でもあるだろうし、それが悪いわけじゃないんだけど、本当にやろうとしている人がそういう妄言に囚われてしまったり、単なるPV稼ぎの雑なアフィリサイトの粗悪記事を熱心に読んでしまう人があまりに多くて、なんだかもうしっかりして!って思う事がすごくおおくて。

それが数年くらいで落ち着くのかと思ったら、全然なんだもの。

いまだに多くの起業したいっ子があふれて、希望に満ちた起業ブログを書いて、半年後には更新が止まる。昨年バズった起業家志望の石井さんとか、いまどうしているのかな。見えないだけで成長しているのだろうけれど、中年サラリーマンがアホを見て後悔していることなんて山ほどある。
それがわかるようになったのは、私にもある程度の経験ができ、ちょっとだけ見えるものが増えてきたという事だと思う。

といっても、ほんとちょっとだけだ。
わからない事のほうが多い。

かといって、起業したこともない人のご意見なんか無駄ですよ、コンサルもうまく使えってもんで、彼らは自分で商売なんかしていねーんだから。そんな儲かるなら自分でやれよって話ですが、表に出るのがいやだとか向き不向きもありますし、一言で言える話じゃないかなとも思う……けど、まあ、結局責任取るのはこっちなんですよ、自分なんです。

人のアドバイスを聴いているうちは、ダメですよ。

だから、ここに書いてあることも、まあ話半分で読んでおくのがいいんじゃないでしょうか?

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つよく生きていきたい。