のうはう・のうはう

「結局、人はこうやればこうなるっていう公式とか、簡単なやり方とかだったら、高いお金出して買っちゃうんです。それをどう使うかとか、自分が使えるものなのかとかは、何も考えていない」

お金を払って満足する層は確実に存在する。

ノウハウを買いたがる人間は、実際のところ「得した感」を味わいたいだけだったりして、それが自分にとって役に立つかなんて考えていなかったりする。
食べ放題で元を取るまで食べ続けて、あとで具合が悪くなるけれどもそれで満足するような人もいる。それは、お腹いっぱい食べたいのではなくて、得をした感を感じて悦に入りたいだけだったり。

彼らは、得した感を感じたい。
そのためにお金を使う。なるべく少しのお金で、思ったよりたくさんのものを得られると幸せだ。

彼らをコントロールするのは簡単。
これはこれだけの価値がありますが、今ならなんと何名様まで半額です。
これはこれだけの価値がありますが、特別にここのページから申し込んだ方に限り、こっちのおまけもつけときます。
などなど、通常より得してますよ、とさりげなく、かつ強めに押し出しておく。これだけだ。

そうなると、得した感が欲しい人たちがホイホイとひっかかかる。

でも、これって結局、その商品なんかどうでもよくって、自分が得したと思う事がこの買い物の目的になっているから、一生懸命ものを作って、その価値を伝えたいと思う人にとっては、もう腹立たしい現象です。
腹立たしい上に、お金は入ってくるから、憤りをぶつけようがない。
すごく納得がいかないけれど、大変良い状態とされて、さらに腹が立つ。
しかし誰もそれを理解しない。

そうやって、ひとり、またひとりと心を病んでいくクリエイターがうまれるんですね。

得した感って、つまりなにかっていうと、自分は頭がいいとか自分は偉いみたいな、自尊心を外側から補強するような、ある意味あさましい行動なわけです。一瞬の快楽で自分を満たそうとしているから、実際に買ったものが本当はお得でもなんでもない価格通りの安物だったとしても、そこは問題ではない。
(なかには品質にクレームをつける事でさらに自尊心を満たそうとするタイプもいて、これはもうアタリ屋みたいなもんです)

大体、ブロガーだとかノウハウを売っているとか言う連中は、クリエイターなんかじゃないんじゃないかと思う。
アフィリエイトサイトも、ネット上のゴミ情報を作って、結局自分のわずかな副収入(50円とかな!)のために社会全体にゴミをまき散らしているという視点がすっぽりなくなっている。
「わたしが書いた文章で誰かが商品を買ってくれて嬉しい!」じゃないよ、それで薬事法違反のゴミみたいなサプリを買った人が死んだらどうするの。
自分がやっていることの社会的な意味を全く考えずに、副業とかノウハウとかハウツーとか言っている人たちは、頭を冷やせと言いたいけど、絶対無理。
たった数十円、たかが数万円のために、ネット上にひどいゴミをまき散らしていく。

で、口では社会貢献とか言うんだよね、自然に優しいとか。

バカじゃないの。

ネット上の副業ノウハウは、ほとんどがゴミです。
アフィリエイトも、違法とは言わないけど、社会的道義に反することをやっている人が多い。
おかしいと思いませんか?普通だったら、町中にチラシをばらまきまくったら、お巡りさんが飛んできて注意されます。でもネット上ではそれが普通になっている。

ノウハウは、必ずあるけれど。
それだけじゃ何の意味もありません。

そして一番売れるのも、ノウハウです。
そして、彼らは「得した感」と「期待感」だけでコンテンツを売っています。

つまり、それを買った時点で満足する人向けに照準を絞っている。
うまいね、ずるがしこいやり方だ。
そして足元を見た、人を馬鹿にしたやり方だ。

我々は、つられるバカになっている。彼らのカモになっている。

ノウハウを欲しがるっちゅうのは、そういう事だと思います。

クリエイターは自分が伝えたいことというエゴに基づいて行動します。
購入者は自分のニーズに沿ったエゴに基づいて行動します。
それらが合致したとき、いい買い物になるのでしょうが、多くの場合、それらは合致しません。

クリエイターの力不足によって自分が伝えたいことが伝わらない、別の角度からの技術はとても良いので別の形で受け取られる。
クリエイターのエゴは満たされません。

購入者のエゴは、クリエイターの作ったものそのものが欲しいわけではありません。有名作家のものを買ったというステイタス感こそが欲しいものだったり、この人だからというより単純にこの色が好きだったとか。
でも、本当にクリエイターの提供したいと望むものを購入者が素晴らしいと思って購入することって、あまりないと思います。
そうなるよう、日々研鑽をつんでいくのだけれど、それはクリエイター側ばかりが頑張って購入側はひたすら自分の間違ったエゴを満たすために動き回っていることばかりが続きます。

どうして、買い手には、正しい知見を求めないんだろう。
お金をこぼしていけばいい、という態度ばかりが横行して、丁寧でへりくだった素晴らしい対応が返ってきて、売り手だってお金しか見ていない。
買い手の心は置いてけぼりで、常にひどい麻酔をかけてあれこれ欲しがらされている。

だから、多くの人がクリエイター側に回るとか販売する立場を体験するというのは、悪い事ではないと思う。
それが結構大変だとか、いろいろ考えなくちゃいけないとか、消費者的なふやけた脳みそではなにもできないとか、わかるから。

そして、ノウハウノウハウってつまらない事ばっかり書きまくって数万円、あるいは数十万円の収入に満足している人たち。
結局彼らもお金の奴隷でしかない。お金に魂を売って、ゴミを書き散らして数万円のお金を手にして満足している。

それで、いいのか。

わたしはNOだ。

だが、それが好きな人はやればいい。ゴミばかりをまき散らし、下手な文章を恥ずかしげもなく書いて、100円の収入を喜べばいい。

わたしはそれも嫌だ。
価値あるものを作り、価値ある買い物を提供し、意味のあるお金を私に渡してほしい。

しかし、それはとても難しい道のりだという事も、わかっている。
だから、苦しい事もあるけれど、耳をふさいで自分の声を頼りに進もうと思う。

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つよく生きていきたい。