ゆうたろう

クマが好きです。クマを発信していきます。

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そら

そらはくもった。 くもりぞら。 雨がはれたら、 雨のちはれ。 おとがきこえて、そっちにむかうと、 ほしのこどもがわるめだち。 わがままばかりで泣きじゃくり、 母さんこまって、ひかりが弱まり、あたりもおのずと暗くなる。 そらはくもった。 くもりぞら。 月も見えない、きょうの夜。 つまらぬ夜にはえんがわで、 つまらぬ創話に一人いそしむ。

    • トールマン

      改札を出て、すぐにスタバがある。 スタバは人気で、朝早くてもたくさんの人がそこにはいた。 ぼくもそこに入ろうとしたけど、 サングラスをかけた人がぼくの前に立ちはだかった。 それはトールマン。 背が高くて、上からぼくを睨みつけた。 窓の外にはトールマン 黒い服着たトールマン 今日も駅からトールマン サングラスをかけたトールマン ぼくはギョッとしていつも逃げた。 でも、いつかそんなに怖くはなくなり、 ぼくはトールマンと毎朝、毎夜挨拶を交わすのが日課になった。 そんな

      • 足りないものをあつめる

        足りないものをたべる。 そこには何もないもの。 足りないものは通り過ぎていった。 そこには留まらないから。 足りないものはどこにもないんだもの。 ここには私しかいないんだもの。

        • ゆうがた

          夕方、寝ていたら気になった。 天井に、ドーナツみたいにぽっかりあいたあな。 そこからみんながこっちをみてる。 静かな、穏やかで、丸い、 め。 めから液がもれ出てビショビショになった。 液は少し粘着していてベトベトになったと思って、わたしはシャワーを浴びにいった。 たくさんゴシゴシ洗ったけど、汚くて、落ちなくて、 かなしくなった。 かなしくなって、うずくまった。 そしたらわたしのめからもへんな液がでた。 わたしもみんなもベトベトにした。 そしたらわたしは軽

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        • 探偵くま 森のサスペンス
          3本
        • 設定集1
          12本

        記事

          るるかーるとヌシ

          みずうみはとてもすきとおっていた。 ドーナツみたいに丸いみずうみのまえで、るるかーるはたちどまったんだ。 だけど、るるかーるのあしは汚かった。 ドロだらけ。 近くのおち葉で汚れたあしを拭いたから、るるかーるのあしは秋のいろ。 おいでと呼ばれたるるかーるはそのままみずうみに入っていった。 秋のいろたちが水に浮かんで、きれいなまるたちがみずうみに沢山のドーナツを作った。 みずのうえも、なかも音はなくて、るるかーるはそこまでたどり着いた。 みずうみのそこには、くろくて

          るるかーるとヌシ

          くも

          たくさんの人の白い息が合わさってくもになった。 くもは山の上に登って下からみんなを見下ろした。 どうぶつはあれこれしていて、しょくぶつは風にゆれてさやさやしていた。 くもはお月さまとお日柄を合わせて夜にきえていく。 くもは言った。おはなしは終わりにしよう。 くもはいつのまにか消えて、たくさんの人たちは心が晴れやかになった。

          おさしみ

          新年の挨拶が終わった。 そいで、3日はそれぞれ別行動。 奥さんは初売り。ぼくは仕事場に。 奥さんはちかごろ料理がうまくなった。 奥さんの料理を食べると、おなかと心がほっかほかになる。 焼き魚、オムライス、なっとうパスタ。 けれど、お刺身はそんなに出ない。奥さんはきらいなんだって。 お刺身は、奥さんの手作りじゃない。 だけど、お刺身も心がほっかほかになる。 奥さんが友人とたまのお食事に出かけるとき、お刺身を買ってきてくれる。 国産のマグロのお刺身。 お刺身はぼく

          にいがたがたが特急乗って、くままま共とも旅に出る。 街はオブジェブクリスマス。 雪は降る降る、時はチクタク。

          にいがたがたが特急乗って、くままま共とも旅に出る。 街はオブジェブクリスマス。 雪は降る降る、時はチクタク。

          量子論が言うには生きているものと死んでるものは紙一重。量子は波と光で、命ってのは本当に揺らいでるのかもしれない。 風前の灯で、一寸先は闇。

          量子論が言うには生きているものと死んでるものは紙一重。量子は波と光で、命ってのは本当に揺らいでるのかもしれない。 風前の灯で、一寸先は闇。

          第11話 沼の底

          ルルカールはこう思う。 「目や耳に代表される感覚器官は外部と通じている。けれど、見ているもの・聞いているもの全てを把握することはできない。これには焦点という考え方があるからだ。」 「物理の偉大な実験から言えば、見ていないものは存在しないらしい。」 「さておき、結論としてはどこを焦点(目標の点)とするかによって、私たち生物全体としての動き方は変わると思う。」 「それはこと『時間』も外部の一つであるから。」 「少し先の将来を見ている者もいれば、若くしても死に際を見ている者

          第11話 沼の底

          10話 これから

          心とからだが離れた場所にあるような、 そんな気持ちがずっとあった。 だからルルカールは旅に出ることにした。 「心がどこにあるかを探すために」 この頃のルルカールはそんな言葉が建前であることに本当は気づいていたのかもしれない。 ルルカールは心が本当はどこにあるかを知っていて、それでいてそれと共存することに耐えられなくなった。 クマたちは大概ぶつかった問題に直面することを美しいとする。 それは確かに美しいけれど、美しいものは同時に儚い。 儚く散る花は美しいけれど、花

          10話 これから

          クマ以外を描いてみた②

          クマ以外を描いてみた②

          クマ以外を描いてみた①

          クマ以外を描いてみた①

          9話 ルルカールの本質

          しかし、驚くことにルルカールの心はさして動かなかった。 事実ルルカールは幼なじみのデコを殺してしまった。 また事実、ルルカールは自分がどうして変わってしまったのか、どのような姿に変わってしまったのかを知らない。 そして自分の身にそのような不思議が起こったことに驚いているのも事実。 だけど、ルルカールは驚いていながら、心を乱さなかった。 「驚きっていうのは僕は感情に含まれないと思うんだ。」 「驚きっていうのは泣いたり笑ったり喜んだりするのとは別の動きであって、 例えば『

          9話 ルルカールの本質

          8話 不幸

          ルルカールはある日、幼馴染のデコを家に招いた。 ルルカールの家は豪勢であり、彼の一族は森を管理する事でその財を為していた。 デコとルルカールはチーズケーキを食べた。 ルルカールの口にチーズケーキが運ばれる。 少し酸っぱくて心地よい風味だった。 そよ風が鳴り、ルルカールの友は夕暮れに眠った。 ルルカールは眠りとはむしろ逆の心地よさの中にあった、 五感が満たされて、空間を飛び越えてしまいそうだった、 裕福な酸素に包まれ、時間の感覚すら忘れた。 彼にその瞬間は記憶はな

          7話 昔の話①

          ルルカールの祖母はまだ健在していた。 それなのにルルカールは音を奏でてしまった。 奏でたのは自らの口。 そして、ルルカールは感情に身体を乗っ取られた。 緩やかな川にも猛威を振るう季節があるように、ルルカールの周りは消えた。 ルルカールは自分に怯えたのだった。 これは昔の話。

          7話 昔の話①