2024.2.2 PERFECT DAYS

ヴィム・ヴェンダースの新作観に行く。

観た。

すごいな〜。正直ちょっと舐めてたかもしれない。貧しいけれど落ち着いていて、精神的に豊かな、丁寧な暮らし、的な、そういうのでしょくらいに思ってたのだけど、この映画はもう一層も二層も深いところを描いている。

初めに違和感を持ったのは、ノンファインダー撮影してるときの穏やかで幸せそうな顔と、ミスショットを即選別して破り捨てる容赦なさのギャップだった。そのあと、姪っ子を迎えに来た妹との会話から微かに伺える平山のバックグラウンド。そして何よりラストの役所広司の顔、あの長回しがとても素晴らしく、全てが込められていた。
それは木漏れ日の美しさであったり、子供の健やかさであったりするのだが、彼の笑顔の理由をとても丁寧に説明するのに対し、彼の泣く理由は観客に教えない。その姿勢に痛く感動した。

「今度は今度、今は今」
「ビクターみたいになっちゃうかも」
「影って重なると濃くなるんですかね」などなど
存在感のあるセリフはいくつかあるのだけど、それよりも、黙って人が存在している時間、人と人が向き合う時間、それを丁寧に拾っているのに、テンポがすごく良い。決してしつこくなく、冗長でないから、2時間もあるように感じなかった。

あと、チャリには鍵かけるのに家の鍵は閉めないの、すごく良い具合に引っかかる。ちょっと上手く言語化出来ないけど。変なポーズのおじさんも同じ。


良かった。

聴いて帰る〜

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