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【2022年】ゲーム翻訳者が買って良かった本

あけましておめでとうございます。
英日ゲーム翻訳者の藤田です。

2023年になりましたね。
時が経つのはあっという間ですね。

僕は今、実家でゲーム・オブ・スローンズを観ながら、Switchでタクティクスオウガのリメイク版をやっています。
なかなかに敵が強くてストーリーが進められません。でも作品自体が面白いので、ついつい時間を忘れてのめり込んでしまいます。

ということで、今回は僕が去年読んで良かった本を何冊か紹介していこうと思います。

実践ゲームUIデザイン

UIデザインの進め方を解説した本。
開発初期~リリースまでの手順と、各フェーズにおいて注意すべき点が具体例とともに掲載されています。

プランナー、UI/UXデザイナー、エンジニアの方向けの本ですが、開発現場の実態に則した内容になっていて非常に参考になりました。

インディーゲーム・サバイバルガイド

文字通り、ゲーム制作者のためのサバイバルガイド。「インディーゲームで食っていくためには?」というテーマで、開発やパブリッシングにおいて、見落としがちな機能やデバッグやプロモーション、税金や各種法令への対応、プラットフォームやパブリッシャーへの対応などについて網羅的にまとめられています。

個人的にはSteam公開時の宣伝方法や、デモプレイで注意すべきポイントといったところが特に勉強になりました。

ゲームをテストする

ゲームのデバッグについて書かれた本。
デバッグの手法や組織形態について、簡潔にまとめられているのでスラスラと読めます。

これを読むことでデバッグができるようになるわけではありません。デバッカーやテスターがどのようなことをしているのか大まかに知りたい人におすすめの本です。

インタフェースデザインの心理学

心理学をゲームデザインに活かすには?という視点で、インターフェースについて学べるちょっと面白い本。
行動経済学やUXデザインのお話も出てきます。
少しお高めですが、気になる人には是非ともおすすめしたい本です。

インディ・ゲーム新世紀ディープ・ガイド──ゲームの沼

去年、一番買って良かった本。
ディープなゲームをより深くレビューしたゲームガイドブックです。
ジャンル別ではなく、9つの「テーマ」によって紹介されるゲーム。中でも、こういった本では取り扱われるのが珍しい「フェミニズム」や「LGBTQ+」のページは読んでいて、とても参考になることが多かった。書く執筆者のコラムも良かったです。

ちなみにこの本を通じて、僕がよく聴いていた音楽ジャンルが「ヴェイパーウェイヴ」と言うのだと初めて知りました。

「感情」から書く脚本術

最後にご紹介するのは、私が現在受講しているゲーム翻訳講座の先生からオススメされた本です。

一文一文の書き方ではなく、心揺さぶる物語の回し方や面白い物語の構成の仕方がどんなものなのか、何となく分かるようになります。
感情や対立にこんなにも心を動かされているんだと分かると、映画や小説をより一層楽しめるようになりますが、ゲームもそれは一緒。

シーンの構成方法、地の文、セリフに至るまで様々な手法がたくさん取り上げられています。解説は精神論的なものを廃して、シンプルに示されているため理解しやすくなっています。
物語をつくる側にいて、感情に訴えかける力を強化したい方に読んでもらいたい本です。

余談ですがこの本、脚本の基礎を学んできた人向けとありますが、そもそも対立や葛藤を描けなければ、話は始まらないんだから最初に読んでも良いんじゃね?と思いました。

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去年は英語に関する本より、ゲームデザインの本ばかり読んでましたね。今年もたっくさん本読むぞぉ!