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「シャークネード」と「フットボール」

サッカークラスタ、サメ映画観戦会に参加してきました。皆でサッカーの話もせず、サメ映画を観るだけの会でした。軽い気持ちで「シャークネードの感想を書きます」と言ってしまったことを猛省しつつ、深夜のうちに書きます。とりあえず、無理やりサッカーというスポーツに絡めました。真面目に読まないで下さい。

サメは鈍器になる、ことを皆様ご存知だろうか。飛んでくるサメ、降ってくるサメ。サメ自体の攻撃力に加え、謎の「重力を主エネルギーとした攻撃」を仕掛けてくるのが、本作のサメである。評判に踊らされてパサーだとばかり思っていたら、ボックスtoボックスだった、というような感じだ。ロス・バークリーのことである。

この作品は、登場人物の知能を低く設定することで、パニック状態を作り出そうとする。明らかにサメの背ビレが見えるのに海水浴を続けてみたり、海が荒れているのに海辺のバーに残ったり、サメが家のプールで泳いでいるのに「安全」だと言ってみたり、まあ色々である(ニュースを見なさい)。イングランド古来のフットボール、を思い出させる激しいキック&ラッシュ(サメの)は必見だ。飛び交うサメを見ながら「サメをロングスローしたら、強いかもしれない」と意味不明なことを考えていた。

映画の世界は明らかに準備が不足した状態なので、まあ被害者も出る。中盤のプレッシャーが皆無でハイラインの裏を殴られ、大騒ぎになるような状況だ。先ず、外にサメがいるのなら窓から離れなければならない。次のプレーを予測しなければ、現代のトランジションには対応出来ないのだ。サメが窓を突き破ることを予防的なポジショニングで防ぐために、最後の方に出てきた老人は窓から離れることを奨励していたが。リスクマネジメントをこなすには、やはり経験が必要ということだろうか。

常にサメが人よりも数的優位を保つ世界では、空からサメが降ってくるし、増水したらサメが泳いでいる。種類も多様だが、ほとんど種類には言及がない。フィールドはサメに支配されており、どこにでも現れる。下水道からサメが流れていくところなど、シュール過ぎてコメントし辛い。サメにとっては質的優位を保ちにくいはずの陸地というスペースでも、サメに都合の良い謎の水没が発生。常にサメだけがホームアドバンテージを得ており、人間には厳しい。

後半は更にサメとの闘いが過熱し、最終的には「爆弾をヘリから投下し、サメをバラバラにする」というゼーマンでも思いつかない奇策にトライ。そもそも、ヘリでトルネードにどうやって接近したのだろうか。サメの殺害に目的がすり替わっているように見えて、爆風でトルネードも霧散する。

突如披露される謎の人間ドラマと、話の邪魔だから一瞬で退場する元妻のボーイフレンドも見所だ。嫌な奴はサメに食わせろ!という過激な姿勢を感じられる。最後は「サメに食べられたのではなく、丸呑みされることで生存に成功」する。中からチェーンソーでサメの守備組織を崩壊させる様は、まるでDFラインと中盤の間に入り込んで暴れ回るドリブラーのようだった。

”sharks can swim everyware”というコメントを、「サメの楽園だな」と訳したセンスだけは認めたい。

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