2024年、シシドのeBayストア「FromNippon」は、商品単価の向上と顧客サービスの質の改善を目指し、全面的な戦略改革を実施しています。このストアが直面しているのは、激しい市場競争と利益圧縮の課題です。これに対抗するため、2024年4月28日で17年目となる「FromNippon」は以下のようなアプローチを導入することにしました。

商品価格再構築：単価向上への組織的取り組み

「FromNippon」では、収益性向上のための具体的な施策として、商品を以下の5つのカテゴリーに分類し、それぞれの希少性に基づいた価格設定を行っています：

1. 鑑定品 - コレクター向けの極めて高価な商品群
2. 絶版かつ初版 - 非常に希少で価値の高いアイテム
3. 初版 - コレクションとしての価値を持つアイテム
4. 絶版 - 市場で入手困難なアイテム
5. どちらでもない - 一般的な商品でオークション形式での販売も検討

これらのカテゴリーを設定することで、商品の価値が顧客により明確に伝わり、適正価格での取引が可能となります。この戦略は、単価を向上させると共に、顧客にとっての選択肢の明確化を図ります。

顧客対応の全面的改善：BayChatの活用と外部委託

顧客サービスの質を根本から見直すため、「FromNippon」は顧客対応ツール「BayChat」を導入。これにより、顧客からの問い合わせに対して、迅速かつ効率的に対応できる体制を整えました。また、顧客対応を外部スタッフに委託することで、サービスの専門性を高め、シシドと感性が共鳴するスタッフによる提案力とホスピタリティが顧客満足度を向上させています。

マーケティング戦略の刷新：デジタルとフィジカルの融合

顧客サービスの向上を背景に、フライヤーの配布を再開し、新たにSNS、ポッドキャスト、YouTubeチャンネルへの誘導を強化しました。これにより、オンラインとオフラインのマーケティング戦略が一体となり、顧客エンゲージメントの向上が期待されます。フライヤーには「FromNIppon」のストーリーを紹介するともに、顧客向けのSNSやポッドキャストなど日本の書籍に関する深い情報提供しているコンテンツへのアクセスを促すQRコードも配置しています。これによりブランドへの信頼感の強化を狙います。

ブランド信頼性の向上：ウォーターマークステッカーの導入

さらに、初版や日本からの直送を証明するウォーターマークステッカーを商品に導入しました。これは、商品の真正性を保証するだけでなく、画像の盗用防止にも効果を発揮します。このステッカーは「FromNippon」の独自性と信頼性を顧客に直接伝える重要なツールであり、市場での差別化を図るための戦略的な一環です。

今後の展望：持続可能な成長への道

これらの戦略的な取り組みを通じて、「FromNippon」は商品単価の向上と顧客サービスの質の向上を図り、市場での競争力を強化しています。単価向上のためのカテゴリー分け、顧客対応の最適化、マーケティング戦略の刷新、そしてブランド信頼性の向上は、すべて「FromNippon」が直面する市場の課題を克服し、長期的な成功を築くための重要なステップです。

顧客との接点を増やし、そのニーズに応えることで、リピーターを増やし新規顧客を獲得することが可能となります。また、高品質な顧客サービスと独自の商品オファーにより、顧客満足度はさらに高まることでしょう。このような顧客中心のアプローチは、ブランドのポジティブな評価を生み出し、口コミによる自然なプロモーション効果をもたらすと考えられます。

最終的に、「FromNippon」はこれらの改革を踏まえ、eBay市場におけるレジェンドとしての地位を確固たるものにし、持続可能な成長と発展を遂げることを目指しています。市場の変動に強い、柔軟で革新的なビジネスモデルの構築が、今後の成功の鍵を握るでしょう。

メンバーシップ向けにウォーターマークステッカーの紹介などしています。