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「精鋭先進強軍建設」韓国国防部発表 韓国軍 24-28国防中期計画

毎度、恒例の季節になりました。という事で、韓国の防衛省である国防部が発表した24-28国防中期計画、「精鋭先進強軍建設」について翻訳したものを見ていきましょう。(あくまで素人の機械翻訳である点をご了承下さい。)
国防中期計画とは、韓国国防部が毎年発表している、5ヵ年の防衛整備計画であり、日本でいうところの中期防のようなものであります。
では以下より、スタート


概要

  • 国防部は「精鋭先進強軍建設」を目指し、今後5年間の軍事力建設と運営計画を盛り込んだ「'24~'28国防中期計画」を策定しました。

  • 国防中期計画は、国防事業法に基づき毎年策定する計画文書であり、国防中期計画は国防事業法に基づき毎年策定する計画文書です。

  • 今後5年間の軍事力建設と運営の青写真を提示し、 これに必要な予算と兵力を配分します。

  • 国防中期計画は、❶防衛力改善、❷戦力運営、❸部隊計画分野で構成され、単年度予算編成と部隊計画の策定基準を提供します。

  • 今回の'24~'28国防中期計画は、ユン・ソクヨル政府の国政課題と国防革新4.0の履行を滞りなく支援するため、今後5年間合計348.7兆ウォン(年平均増加率7.0%)を配分しました。

  • このうち、防衛力改善費は113.9兆ウォン(年平均増加率11.3%)、戦力運営費は234.8兆ウォン(年平均増加率5.0%)です。

  • 財源規模は、昨年策定した'23~'27国防中期計画に比べ17.3兆ウォン増加(331.4→348.7兆ウォン)した水準で、防衛力改善費は6.5兆ウォン(107.4→113.9兆ウォン)、戦力運営費は10.8兆ウォン(224.0→234.8兆ウォン)それぞれ増加しました。


  • '24~'28年度国防中期計画センタリングの特徴としては、

まず、防衛力改善分野は、北朝鮮の核・ミサイル脅威の高度化、無人機の侵入など変化する安全保障の脅威に効果的に対応するため、3軸システムの中核分野及び非対称脅威に備えるための戦力に集中投資しました。

第二に、戦力運営分野は、兵だけでなく、戦闘型強軍建設の根幹となる初級幹部の服務環境の改善にも注力し、先進的な国防文化造成のために財源を重点的に配分しました。

第三に、部隊計画分野は、常備兵力50万人の定員を維持しながら、部隊構造改編などを通じて編成を効率化し、戦略部隊の創設及び先端戦力運用に必要な人員を優先的に補強しました。

国防中期計画'24~'28の主な内容は以下の通りです。

防衛力改善分野

偵察衛星などの監視・偵察能力分野、敵の核心目標破壊と ミサイル防衛能力分野など集中投資

  • 北朝鮮の核・大量破壊兵器の脅威に対応するための韓国型3軸システム能力を最優先的に強化していきます。

  • 北朝鮮全地域にわたる挑発の兆候を早期に捉え、監視できる偵察衛星、有・無人偵察機を確保し、確保した映像を迅速に融合・分析する能力も確保します。

  • 超小型衛星システム、軍事偵察衛星など様々な偵察衛星を全力化し、衛星の再訪問周期を大幅に短縮し、監視空白を最小化します。

  • 国内技術で開発した中高度偵察用無人航空機(MUAV)を戦力化し、核心目標に対する監視能力を向上させていきます。 白頭システムの2次能力補強を通じて、敵の通信装備で発生する信号情報(SIGINT)収集能力もさらに強化していきます。

* MUAV : Medium altitude Unmanned Aerial Vehicle
* SIGINT : SIGnal INTelligence,通信・電子(レーダー)信号情報などを指す。

  • 複数の偵察資産から収集した映像を迅速に融合・分析できる多源映像融合システム(完成型)の戦力化を完了し、戦場情報をリアルタイムで共有できる指揮統制情報共有システムを開発するなど、迅速かつ正確な情報確保、状況認識の実現に努めます。

  • 危機状況発生時、北朝鮮の指揮部と発射・支援施設などの核心標的を精密かつ効果的に破壊できるキルチェーン(Kill Chain)能力を拡充していきます。

  • トンネルを貫通し、敵目標を破壊できる戦術地対地誘導兵器-Ⅰ(KTSSM-Ⅰ)の戦力化を完了し、射程と貫通力がさらに向上した戦術地対地誘導兵器-Ⅱの研究開発も推進します。 同時に、高性能ステルス戦闘機、SLBM搭載3,000t級以上の潜水艦などを追加的に確保し、打撃能力を量的・質的にさらに強化していきます。

* KTSSM : Korean Tactical Surface-to-Surface Missile
* SLBM : Submarine-Launched Ballistic Missile

KTSSM-1
ステルス戦闘機
張保皐-Ⅲ Batch-Ⅰ
  • 先端技術を活用した群集・自爆ドローン、電磁パルスなど物理的・非物理的な打撃手段も一緒に発展させていきます。

* 電磁パルスガン : 強力な電磁パルスを放射し、敵の電子機器部品破壊及び誤作動を誘導する武器。

  • 韓国に向けて発射されたミサイル・長射砲を探知して迎撃し、主要核施設を防護し、韓国国民の安全を守ることができる韓国型ミサイル防衛(KAMD)能力を確保していきます。

  • 戦力化が完了した弾道弾早期警戒レーダー-Ⅰ-Ⅱとともに、弾道弾追跡能力を備えた正祖大王級イージス艦(KDX-Ⅲ BatchⅡ)を順次戦力化し、弾道弾に対する重畳監視能力を強化していきます。

* 正祖大王級 : 既存の世宗大王級イージス艦に比べて探知・追跡能力向上、迎撃能力追加

  • 天弓-Ⅱ、パトリオットPAC3誘導弾、L-SAMなど多様な防御戦力を確保し、首都圏及び核心施設など主要資産に対する上・下層防御能力を補強し、長射砲迎撃システム、M-SAM-Ⅲ、L-SAM-Ⅱなどを開発し、複合・多層防御システムを構築・高度化していく計画です。

* M-SAM : Medium-range Surface-to-Air Missile
* L-SAM : Long-range Surface-to-Air Missile

M-SAMⅡ
L-SAM
  • 北朝鮮が私たちを攻撃した場合、北朝鮮の戦争指導部を含む北朝鮮全地域を懲罰・破壊することができる大量懲罰報復(KMPR)能力を強化していきます。

  • 高威力・超精密・長距離ミサイルを持続的に開発・確保し、北朝鮮に対する抑止力を高いレベルで維持していきます。

  • 北朝鮮の宗心地域及び指導部を原点打撃できる特殊戦部隊の空中浸透能力及び打撃能力を強化します。 C-130Hの性能改善及び特殊作戦用の大型機動ヘリの確保を推進し、特任旅団の追加戦力補強を通じて多様な打撃手段を確保していきます。

  • 新たな脅威として定着した無人機の脅威を含む非対称脅威に対する備えを強化していきます。

  • 北朝鮮の無人機の挑発に対応し、探知・識別・打撃が統合された無人機防護システムを構築していきます。

  • 無人機を探知・識別してソフトキル(Soft Kill)方式で打撃できる小型無人機対応システム、接敵・重要地域対無人機統合システムなどを全力化し、前方及び重要地域に対する無人機防御能力を備えていきます。

*ソフトキル(Soft Kill) : 電波妨害などの非物理的な方法で無力化
*小型無人機対応システム、接敵-重要地域対ドローン統合システム : 敵の小型無人機を探知レーダーで標的を探知し、映像識別装置で識別して、ジャミング信号を放射して打撃を与える。

  • ハードキル(Hard Kill)方式で無人機を打撃するレーザー対空兵器の研究開発及び戦力化も完了し、無人機を撃墜できる対応手段を多様化していきます。

*ハードキル(Hard Kill) : 直接打撃など物理的な方法で無力化。

  • 新たな戦場として登場したサイバー・電磁分野の脅威への対応能力も整えていきます。

  • サイバー戦場の状況を可視化し、脅威情報を収集・分析・共有できるサイバー戦場管理システムの開発を持続的に推進します。

  • 敵の主要施設の電力麻痺を引き起こすことができる静電弾(EMP弾?)の開発及び戦力化を完了し、電子戦機・艦艇用電子戦装備-Ⅱなどを研究開発し、電子戦遂行能力も向上させていきます。

*電子戦機 : 敵のレーダーと指揮通信網に対する電子攻撃任務を遂行する航空機。
*艦艇用電子戦装備 : 敵のレーダーと対艦誘導弾に対する電子攻撃を行う。

  • 軍事力建設の基礎となる地上・海上・空中別の基盤戦力の増強及び国防R&D投資も継続していきます。

  • 戦場環境に対応し、最高の作戦遂行能力を維持するために、地上・海上・空中別の先端戦力の確保を持続的に推進します。

  • 地上戦力は、装輪型装甲車、K2戦車など、作戦地域拡大に伴う戦力の質的改善を推進していきます。

  • 海上戦力は新型護衛艦を含む戦力の先端化で海上作戦遂行能力を向上させ、師団級上陸作戦能力も一緒に高度化します。

  • 空中戦力は現存戦闘機(F-15Kなど)を性能改良し、長期運用中のF-4/F-5は国産戦闘機であるKF-21に代替してパイロットの安全を確保し、4世代以上の戦闘機運用構造を構築する予定です。

*第4世代戦闘機:第3世代に比べて汎用性が強化され、高度化された電子装備を搭載
*第5世代戦闘機:レーダー、電子戦装備などのセンサーを統合し、ステルス性能を保有しています。

  • 防衛産業の育成・輸出高度化・先端技術確保のための国防R&D投資を推進していきます。

  • 優秀な研究人材の確保のために研究機関のインフラを補強し、勤務者の処遇を改善するなど、研究力量の強化に向けた努力を続けていきます。

  • 核心技術開発、基礎研究、部品国産化など、先端兵器システム開発に必要な能力確保のために持続的に財源を投入していく計画です。

戦力運営分野

幹部と兵士の服務環境改善を通じて軍の士気を高め、本来の任務に専念できる環境を造成

  • 槍先部隊の戦闘力の核心である初級幹部の服務環境の改善を推進します。

  • 初級幹部の服務環境改善のため、中期的に1.8兆ウォンを投資し、支援誘因の強化、報酬の現実化、住居環境の改善を推進します。 

  • まず、優秀な人材が短期服務幹部に流入できるよう、短期服務奨励金(手当)を引き上げます。

  • 将校の場合、'23年900万ウォンの奨励金を'24年1,200万ウォンに、副官の場合、奨励手当を'23年750万ウォンから'24年1,000万ウォンに30%以上引き上げ、今後、兵士の給与引き上げ水準を考慮して継続的に拡大推進します。

  • また、常時勤務体制の維持など特殊性を反映した各種手当の引き上げ、類似職群との公平性を考慮した給与の引き上げを推進するなど、関係部署と協議して初級幹部の報酬を現実化していきます。

  • '24年からは3年未満の初級幹部まで住宅手当を支援するように対象を拡大し、幹部宿舎を1人1室で提供できるように'26年までに施設を拡充するなど、住居環境を改善します。 

  • 兵士の精神戦力を強化し、未来世代に適合する兵営環境を造成します。

  • 国防精神戦力院の機能を強化し、対象別オーダーメイドの教育資料製作及び教官の能力向上など精神戦力教育基盤の強化を通じて、兵士たちが確固たる対敵観・国家観・軍人精神を養うことができるよう積極的に支援します。

  • '23年13,000ウォンである基本給食費単価は15,000ウォンまで引き上げを推進し、8~10人室の兵営生活館は年次計画により2~4人室に変えていくことで、需要者が体感できるレベルの兵営環境改善も継続します。

  • 兵役給料の引き上げを滞りなく完了し、兵役義務の履行に対する合理的な補償を提供します。

  • 兵士給与(兵長基準)と資産形成プログラム(将兵明日準備支援)を組み合わせて'25年まで月最大205万ウォンを支援します。

  • 兵士給与は'23年兵長基準100万円から'25年まで150万円に引き上げ、'25年まで。

  • 兵士たちが除隊するまで毎月納付する将兵明日準備金積立金に対する政府支援金は、'23年月最大30万ウォンから'25年まで月最大55万ウォンまで段階的な引き上げを推進します。

  • 未来戦遂行能力を備えたAI科学技術強軍育成のために投資を継続します。

  • 国防分野のAI普及の核心となる「国防AIセンター」を'24年に創設し、'26年までにAI専門人材1,000人の養成、良質のデータ収集や超高速通信網の構築など、人的・物的基盤を積極的に整備していく計画です。

  • また、警戒監視・兵力管理など部隊運営全般にデジタル新技術を適用したインテリジェントなスマート部隊を拡大構築、

* (陸軍) '23年2個 → '28年12個、 (海軍) '23年 2個 → '28年 13個
(空軍) '23年10個 → '28年63個

  • マイルズ装備、AR・VR基盤の模擬訓練システムなど科学化訓練装備の導入を持続的に拡大し、実機動・実射撃が可能な科学化訓練場を'32年までに16ヵ所を目標に拡充するなど、国防運営を先端化・効率化します。

部隊計画分野

常備兵力50万人を維持しながら、最高の戦闘力を発揮するために中間幹部6千人を増員し、先端戦力を運営できる専門化された兵力を確保する。

  • 複合的な安保脅威に対応するための戦略的部隊の創設、韓国型3軸システムなど、先端戦力基盤の部隊構造改編を通じて、敵を圧倒する防衛態勢を構築します。

  • 韓国軍の戦略資産を統合指揮する「戦略司令部」を創設し、韓国型3軸体制の戦力化に合わせてこれを安定的に運営できるように兵力を集中編成し、北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対する抑止・対応能力を強化します。

  • 陸軍はミサイル戦略司令部の編成を強化し、戦術地対地誘導武器などキルチェーン(Kill Chain)能力強化のための兵力を確保し、軍団に砲兵・防空要員を増員して第28師団の解体('25年)などによって拡大された責任地域に対する作戦遂行能力を強化します。

  • 海軍は機動艦隊司令部を創設してイージス艦中心の海上ベースの韓国型3軸システム能力を実現し、空軍はミサイル防衛司令部にL-SAM運用部隊を創設して複合・多層防御システムを強化し、海兵隊は水陸両用、空中戦力などを統合運用する公示機動型部隊構造に改編します。

  • 将来の作戦環境の変化への対応とAI基盤の有‧無人複合戦闘システムの発展分野に国防人材を集中投資し、国防革新4.0の推進を支援します。

  • 宇宙‧サイバー‧電子機器スペクトルなど新たな領域を主導するために空軍宇宙作戦戦隊創設及び陸‧海軍作戦士級部隊に宇宙作戦専担部署設置、サイバー‧電磁スペクトル分野に編成補強する一方、陸軍人工知能センター、海軍海洋無人システム発展大隊などを創設し、有‧無人複合戦闘システムを効果的に構築できるように準備します。

  • 常備兵力50万人を維持しながら、経験とノウハウが豊富な熟練幹部中心に兵力構造を継続的に改編します。

  • 先端兵器運用のために熟練した幹部を必須的に補強する必要があり、初級幹部が安定して軍で服務できる環境を作っていくことも重要です。

  • これにより、職業軍人として安定的に長期服務しながら専門性を確保できるよう、中間幹部の規模を持続的に拡大していく計画です。

*初級幹部縮小(中・少尉、下士官) : '23年6.7万人 → '28年6.4万人(△0.3万人)
中間幹部の拡大(中・少佐) : '23年5.1万人 → '28年5.7万人(+0.6万人)

  • 常備兵力50万人を維持しつつ、幹部(将校及び準/副官)の規模は'23年20.1万人水準から'28年20.2万人水準に拡大し、戦闘部隊中心に編成し、整備・行政・軍需・勤務支援など非戦闘分野は軍務員を持続的に拡大します。

*軍務員定員 : '23年4.6万人 → '28年4.7万人(+0.1万人)

国防部は今回の中期計画策定時に選択と集中を通じた財源配分で、国政課題及び国防革新4.0履行のための所要を忠実に反映しました。
'24~'28年度防衛中期計画'24~'28を着実に推進し、敵を圧倒する強力な防衛態勢を構築できるよう、財政当局と緊密に連携してまいります。 <終わり>



以上、韓国国防部発表の24-28国防中期計画でした。
北朝鮮の非対称戦に対して優位となるよう各種装備を整えていこうという動きがよく分かると思います。
Naval Newsにも指摘のある通り、注目されていた韓国海軍が計画されているであろうCVXについては記載がありませんでした。その一方で、韓国海軍はイージス艦を中心とした艦隊に編制するなるなど、注目するべき点もあります。

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