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コーチング完全解明 無限の可能性を引き出す秘密の方法

① want toがすべて

人生を楽しむ

わたしたちがするべきことは、人生を楽しむことです。わたしたちの能力を最大限に発揮する鍵はwant to です。want to によって直感が働きます。

多くの方が思考のコントロールにより直感力を失い、欲望や恐怖心に刺激され、支配者にとって都合の良いwant to が植え付けられています。

非常にシンプルな理論ですが、思考のコントロールから解放され、現状の外側に向かって進むためには、他のあらゆる教えよりも自分自身の軸を持ち、want to に基づいて行動することが重要です。

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want toな人生

コーチングの目的は、真のゴールを設定し、want toな人生を送ることです。親や学校の先生、周囲の人々によって、私たちは本来持っている力を発揮できていません。

want toや現状の外側、バランスホイールのことを教えられていないため、むしろ逆のことを教えられているため、私たちの能力は眠ったままです。

そこでおすすめなのが、ゴールを100個書き出してみることです。他の人に見られるわけではありませんので、何でも書き出してみましょう。抽象度が低いものから⾼いものまで、とにかくwant to であればなんでもいいです。

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無意識に嘘は通用しない

成功している⼈は、間違いなくwant to を実践しています。want to でなければ、どれだけ現状の外側を⽬指しても上⼿くいきません。

現状維持からの脱却、創造性の発揮、IQアップ、クロックサイクルの向上など、これらの要素の根源には want toがあります。無意識に嘘は通⽤しないのです。

多くの人は、他人が望むことを自分のwant toに置き換えて考えています。ひと⽬を気にしている状態、他⼈の評価で⽣きている状態、演じている状態、これが能⼒を十分に発揮できない最⼤の原因となっています。他⼈の評価のために全てのエネルギーが抜け落ちてしまっているのです。

want to で⽣きるコツは、迷ったら「〜したい」で選ぶこと、10年続けられるものをやること、リストに書き出して潰していくこと、抽象度を上げることです。

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とにかくやってみる

want toなことを実際に試してみると、want to じゃなかったということもあります。最も強烈なビジュアライズは、実際にやってみることです。実際に動いて、アウトプットしてみることで、スコトーマが外れ、コンフォートゾーンが移⾏します。

この際に重要なのは、失敗すると後戻りできないポイントを押さえるということです。この⼈との関係性だけは⼤切にする、睡眠時間が一定の下限を下回ると生産性が低下するため◯◯時間は確保する、◯◯の仕事は超重要なので完璧に準備するなど、最重要ポイントを押さえて、⾃由に動くことです。

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want toを突き詰める

want toの追求で金銭がなくなってしまう人がいますが、それはwant toが十分に突き詰められていないことが原因です。

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want to 100%

have toに感じたら、やらないことも正しいと考えます。現在のルーティンの中に組み込まれているものであっても、「何か今は違う」と感じる場合は止めます。

want toばかりの選択の方が、さまざまな副次的な効果があります。have toなものは1%も残さず進めていく方がトータルで幸せになります。want to 100%を癖づけると、不要な情報に惑わされることもなくなります。

have toに感じる理由は、まだパズルのピースが揃っていないからかもしれません。また、抜けているパズルピースが飛躍のポイントである可能性がありますので、それに注視してください。

パズルピースがまだ揃っていないと感じた場合、少し後回しにすることで情報が揃い、より大きな成果を得ることができるようになります。直感的に良いと感じることを進めていきましょう。

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意識に上げる

⽌観とは、「煩悩を制御し、心を落ち着けて、正しく見る」ことです。難しいことはありません。自分自身のセルフトークをひたすら意識に上げるだけです。自分が自分のコーチになるのです。

「ああ、今、他人と比較しているな」「過去に終わったことに頭がいっているな」「自分の意識にはエゴ、トラウマ、恐怖、コンプレックスがあるな」「人工甘味料の入ったものを食べているけれど、大丈夫かな」「それは本当のwant toなのかな、ただ怠けているだけなのかな」といった思考や行動を意識に上げます。意識に上がれば、課題の半分は解決されているのです。

そして、抽象度を上げて、want to 100%の人生にします。⽌観は、まず呼吸に意識を向けることから始めると、自分自身の思考に意識を向けやすくなります。

リラックスも呼吸から始めます。セルフコーチングも他者へのコーチングも、すべて呼吸から始めます。呼吸は生命に関わる重要な要素ですので、意識に上げるだけで、ぼんやりとした思考がクリアになり、IQが向上します。

成功や失敗を分けるのは、能力そのものよりも、その人の習慣や態度です。モーダルチャンネル(例えば、呼吸)を変えることや、自分の思考や行動を意識に上げることで、抽象度を高め、want to 100%の人生を実現していきましょう。

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思考の制限解除

イエスや荘子は多くの譬え話を創作しました。彼らは常識や伝統に縛られることなく、次々と物語を作り出すことができました。譬え話はフィクションであり、常識(善悪)や科学を無視して自由に想像することが許されます。常識や伝統や科学に囚われなければ、創造性やアイデアはとめどなく溢れてきます。

want toやゴールは、自由な発想から見つけることができます。自分の思考に制限をかけずに、「こんなことは非常識(非道徳的)だ」「こんなことは無理(非科学的)だ」という考えにとらわれることなく、自由に想像力を膨らませてwant toやゴールを見つけてください。

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② ゴールがすべて

ゴールとは何か

ゴールとは、他人から止められても達成したいこと、やめろと言われてもやめられないもの、自分が心から望むもののことです。

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ゴールが先、方法は後

コーチングで最も重要なのはゴールです。ゴールが先であり、方法は後です。脳にゴールはすでに達成していると錯覚させることが本質です。

例えば、「1億円がないな?あれ?おかしいな」という思考を常に繰り返すイメージです。

ゴールの条件は以下の3つです

1. want toであること
2. 現状の外側であること
3. バランスホイール

バランスホイールでは、最低でも8つの分野を設定することになりますが、バランスホイールは後回しでも問題ありません。

第⼀の条件であるwant to を突き詰めることが非常に重要です。want to を突き詰めれば、その他は後から付いて来ます。

have to をすると、have toなことでしか⽣きてはいけないと無意識レベルに埋め込まれ、エフィカシーがガタガタに落ちるので危険です。

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強烈なゴール

すべてを引き寄せる強烈なゴール。ゴール設定がすべての鍵となります。

他人の評価や過去の自分、他人の人生が気になっている人でも、強烈なゴールが設定されれば、一瞬で変わることがあります。

生きる意義を見出し、死んでいた状態から生き返る、これが強烈なゴールの力です。

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二度目の誕生

人は二度生まれます。一度目は、この世に赤ん坊として生まれるときであり、二度目は、真のゴールを発見したときです。

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ゴール設定

悩みや不安、混沌とした感情や考えの⼀切を解放するのが、ゴール設定です。ゴールに気づくことが、何ものにも囚われない⾃分を創り、⾃分を⾃由にするのです。ゴール設定によって⾃分で考えることができるようになります。

ゴールに「これだけ儲けたい」と設定しても構いません。しかし、⽇々の思考や⾔動は、徹底的に無欲で、純粋で、ただひたすら価値を提供するようでなければなりません。

そうしないと、途中で挫折する、もしくは、欲望を逆⼿に利⽤されることになります。

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ニュートラル

ゴールはwant toである必要がありますが、そこに至るまでの日々の取り組みは、have toやwant toというよりももっとニュートラルなものです。脳はニュートラルな状態から簡単に発火します。ゴールに向かう際には、超常体験を狙うのではなく、歯磨きをするような自然な感覚で取り組むことがおすすめです。

このニュートラルなアプローチは、心理的な負荷を軽減し、自己の内なるモチベーションを高める効果があります。

何か新しいスキルを身につけたいと思った場合、そのスキルに対してhave toやwant toという強い意志を持つのではなく、まずは興味や好奇心から中立的なスタンスで取り組んでみましょう。そのスキルを習得することが日常のルーティンの一部となり、歯磨きや朝食の準備と同じような自然な行為となるのです。

ニュートラルな状態で取り組むことによって、負荷やプレッシャーを感じずに行動できるだけでなく、意欲や興味を保ちながら継続することができます。そして、日々の取り組みが積み重なることで、ゴールに近づいていく自分を実感できるでしょう。

つまり、ゴールに向かって取り組む際には、超常体験や目覚ましい成果を求めるのではなく、日常的な活動と同じようにニュートラルなスタンスから取り組むことが大切なのです。それが持続可能なモチベーションを保ち、目標達成への道をスムーズに進む秘訣なのです。

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ネガティブとスコトーマ

全員にスコトーマがあります。特に、ネガティブに陥っている状況、どうしようもないという状況においてスコトーマが強く働いています。

長い間であれ、ほんの数時間であれ、ネガティブになっているのは、スコトーマが働いているからです。

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ゴールを見つける方法

現状の外側のゴールが見つからないのは、スコトーマに隠れているため仕方がありません。

現状の外側のゴールを見つける方法は何でしょうか?それはエフィカシーを高めることです。エフィカシーが高まった瞬間に、現状の外側がちらっと見えてくるのです。

また、陰謀論やオカルトなどは、蔑視される傾向がありますが、それらは知識のスコトーマを外すきっかけとなることがあります。

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コレクティブエフィカシー

ゴールが一致している人と繋がると、限界を打ち破る力が湧いてきます。それはコレクティブエフィカシー(集団での自己効力感・私達はこうなれる)が高まるからです。

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すべて⼀⼈で⾏う

⾃分の中にある分断や⽐較されたものを注意深く慎重に排除すると、思考が⾃由になります。

その上で強烈なゴールが設定されていると、⾃動的にゴールそのもの、ゴールに関係のあることだけに取り組むようになります。

これらの作業はすべて⾃分⼀⼈で、静寂、沈黙の中で⾏わなければいけません。親、兄弟、友⼈、助⾔を⾏う⼈、尊敬している⼈にさえ、話す必要はありません。 すべて⼀⼈で⾏います。

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自分だけのゴール

他人からnot normalと言われようが、それを気にする必要はありません。あなたは自分だけのゴールに向かって進んでいくだけです。

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ゴールを更新し続ける

ゴールは設定することで定まります。ゴールは⽬の前のことに取り組むことや、⾃分の使命や役割を考え続けること、またこの世における⾃分の責任を考えることによって⾃ずと⾒えてきます。

ゴールは⽇々、考え続けることで、抽象度の⾼い部分では変わりませんが、形を変えていきます。

まずは仮のゴールで構いません。仮のゴールを設定し、現在を真剣に生きることです。受け⾝ではなく⾃ら切り開くことを⾃分と向き合って⾏うのです。その結果、新しいゴールが次々と生まれてきます。日々、ゴールを更新していくのです。

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③ エフィカシーがすべて

人の目を気にせず

エフィカシーを上げるには、赤ん坊のようになることです。 赤ん坊はどう見られるかなんて一切考えていません。 赤ん坊は人の目を気にすることなく自分を表現できます。 彼らはただ愛し、愛されているのです。

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奇跡

奇跡が起こるのはエフィカシーが高いからです。逆に奇跡が起こることでエフィカシーが上がります。双方向性が存在するため、行動を起こすことによってエフィカシーが上がります。

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ゾーンに入る

アファメーション、ビジュアライゼーション、瞑想、呼吸法など、これらはすべて意識状態を作るためにあります。いわゆるゾーンに入るためです。ゾーンに入ると、エフィカシーは最高に上がります。

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釈迦と並ぶ存在

自身を釈迦や空海、キリストと並ぶ存在と考えてください。彼らに敬意を払うことは良いですが、崇拝する必要はありません。

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裸で勝負

自信があれば裸で勝負することができます。肩書きや所有に頼らず、裸で勝負できるくらいに自信を身に付けるべきです。

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恐れの消失

他者への恐怖や未来への不安は、エフィカシーを高めることによって消失します。

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自立的マインド

エフィカシーが低いと、知識で埋めようとしてしまいます。そして、すべてを理解してからスタートしようとします。

本気で取り組むなら、今の知識や現状得られる情報で、答えを出そうとすれば、答えは出せます。

アプリオリなものは何もなく、常に答えは揺れ動きます。最後は熱量で押し切ってしまうのです。その経験を繰り返すことで、どんな壁も突破できるようになります。

スキルもなくていいのです。結局のところ「全てを自分でやる」という自立的なマインドがあれば、試行錯誤しながらも前進できます。

「全てを自分でやる」という自立的なマインドは、依存的なマインドとは正反対です。依存的なマインドでは他者の知識やスキルに頼ろうとしますが、それでは壁を突破することはできません。

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肯定を繰り返す

アファメーションとは肯定です。自己肯定にコーチングの真髄が隠されています。すべては、今この瞬間を肯定することから始まります。

自分自身を肯定し、ポジティブなメッセージを繰り返し言い聞かせることで、自己肯定感や自信を高めることができます。

私たちは日常生活でさまざまな選択を迫られますが、ネガティブな結論を下してしまうこともあるかもしれません。しかし、それでも自分が必ずベストな選択をしていると肯定しましょう。

選択には複雑な要素や情報が絡み合っていますが、自己肯定の力を持っていれば、自分の選択が素晴らしいものであると信じることができます。

肯定を繰り返すことで、エフィカシーが向上し、自分自身が磁力を帯びていく感覚を味わえます。そして、驚くべきことに、周囲の環境も変化し始めるでしょう。ポジティブなエネルギーと肯定的な思考は、周囲にも影響を与え、良い方向に変化をもたらします。物事が螺旋状に進展していく過程を楽しみましょう。

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現状を全肯定する

人間の思考は、過去の選択に関して「あの時◯◯していたら、もっと良かったのに」と考える傾向があります。逆に、「あの時◯◯していなくて今本当にラッキー」とは思わないものです。このように、後悔による思考は私たちにとって得意な傾向がありますが、現状を完全に肯定することは難しいことが多いです。

実際に、自己評価の低い自分と理想の自分の間で内部的な戦いを繰り広げることは、常に勝ち目のない戦いです。しかし、この思考の癖を見極め、現在の状況を全肯定することができれば、自己評価を向上させることができます。自己評価が高まると、私たちは情報空間内でより積極的に行動する能力が向上し、新たな価値を創造することができるようになります。

具体的には、不要な比較を排除し、エネルギーを消耗させるような情報から自分自身を隔離することが重要です。また、現状を完全に肯定する意識を持つことも大切です。つまり、常に現在よりも悪い状況を想定するのではなく、現在の自分や状況を完全に受け入れ、肯定することで、貴重なエネルギーとなる緊張感を持ち続けることができるのです。

したがって、過去の選択や他人との比較に囚われず、現在に集中し、自分自身の成長とポジティブな変化に注力することが大切です。現在の行動に集中し、自己評価を高めながら、自分自身が生み出す可能性を最大限に引き出していくのです。

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④ コンフォートゾーンで戦う

ホームの状態を作る

一つのヒントとして、予定を全く入れない時間を設けることをおすすめします。一人の時間を大切にし、土日は少しペースを緩め、「◯◯を達成した後に予定を組み込もう」など、自分に一番合ったサイクルを吟味して組み立てるのも良いでしょう。

辛いのは無しです。自然とギアが上がってゲーム化していくのが理想的で、急に他の人に押し付けられて、辛くなるのは誰でも無理です。

アウェーでは力を発揮できないのです。ですから、「私はこれで行く!」と力強く宣言できた時点で、それはホームだからこそできる宣言なので、他の選択肢よりも正しい可能性が高いです。

一人の時間を大量に確保すること自体、現実的に難しいかもしれませんが、集中して一つのことに取り組むことで成功確率は飛躍的に上がります。戦略のズレや才能などに左右されることが少なくなります。

また、マインド面では、倒れてもリカバリーできるマインドや環境の仕組みを都度作っていくことは、じっくりやる価値があります。常にホームの状態を作り出すのです。

コンフォートゾーンという言葉は、一般的には「コンフォートゾーンを現状の外側にズラす」ことに焦点が当てられますが、本質は「コンフォートゾーンで最も力が発揮される」ということです。

常にコンフォートゾーンで戦うことこそが本質です。どう考えても、アウェーよりもホームの方が力を発揮できるのです。上手くいく時は、必ずホームでの状態です。ホームに引き込めた人が勝者となります。

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セルフレギュレーションを外す

セルフレギュレーションとは、自分自身が定めたルールのことを指します。この自分が定めたルールが、意外と自分自身を縛りつけていることが多いです。

全ての習慣が、自分にとって最適化されたものになっているとは限りません。自分の中には余計なルールや考え方が存在し、これらが自分の能力を制限している可能性があります。しかし、これに疑問を持ち、見直すことで能力を飛躍させる可能性が秘められています。

普段、無意識的にしている選択こそが、スコトーマの根源であり、普段なら選択しない選択をすることで、意図的にスコトーマを外すことができます。そうすることで、最適化された自分の習慣が形成され、自分の脳力が最大限に活性化される軸を見つけることができます。

様々な情報にさらされることで、自分自身でも気づかぬうちに非効率な習慣が身についていることがあります。そのため、定期的にセルフレギュレーションを外すことを取り入れると、ブレイクスルーを実現しやすくなるでしょう。

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成長には変化が必要

成長し、目標を達成するためには、変化が必要です。そのためには、慣れ親しんだコンフォートゾーンの外に踏み出し、自分にとって未知の世界へと進んでいく必要があります。そこで新たなコンフォートゾーンを築き上げていくのです。

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安全圏を離れる

自分の安全圏を離れることは、いくつになっても難しい課題です。しかし、思いもしなかった方向に物事が進むと、自然と安全圏の外に放り出されます。その時、新しいドアも開くのです。

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未知の領域へ

知った環境にいることは安心感を与え、学びを深める機会も提供してくれます。しかし、まったく未知の状況に挑戦し、恐れの壁を乗り越えて進んでいくことこそが、大きな収穫をもたらすのです。

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⑤ 内省言語を引き出す

コーチの資質

コーチの資質としてのポイントは次の5点です。

①対人関係で常に利他的である
②禁欲的ではなく人生を楽しんでいる
③周波数がポジティブである
④思考の詰まりがない
⑤偏りなく本質を捉える直感力がある

⑤の直感力は、宇宙や自己のハイヤーセルフから啓示される真実のメッセージを受け取る能力です。しかし、このメッセージを受け取れる人はほとんどいません。

なぜなら、私たちは生まれてから親や学校、メディアなど、様々な社会的な影響により、無限の可能性を制限されてしまっているからです。

多くの人は直感による気づきやインスピレーションが浮かんでも、否定的に捉えたり、そもそも直感が浮かばないことがほとんどです。

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愛情を出し切る

利他的な精神、奉仕の精神で、可能な限り愛情を出し切って、コーチングに取り組みます。

無欲になれているか、要らぬおせっかいをしようとしていないか、慎重に慎重に意識を研ぎ澄ませます。

原因と結果の法則に従って、必要な縁起ならば目の前のクライアントと繋がります。

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コーチングの秘訣

コーチングの秘訣は、自分の子供に対して語りかけるように話すことです。たった一人に絞り込んで、人生の全てを凝縮して提供するなら、人は覚醒します。

コーチングは、アドバイスや指導をすることではありません。クライアントと深いつながりを築き、彼らの内なる可能性を開花させることがコーチングなのです。

クライアント一人一人を特別で大切な存在として捉えることがコーチングの秘訣です。彼らの個性や独自のストーリーに耳を傾け、共感し、理解することで、深い信頼関係が築かれます。そうすることで、彼らは自己の内なる声を発見し、自己肯定感を高め、自らの可能性に目覚めることができるのです。

コーチングは、言葉の魔法を使いこなす芸術です。情報を伝えることではなく、心を揺さぶり、共感の波を起こす言葉を選ぶことが重要です。クライアントの心に響くメッセージを届けることで、彼らの内なる転機を促し、新たな視点や可能性を見出す手助けをするのです。

言葉の力は偉大です。コーチングの世界では、コーチによって引き出された内省言語がクライアントの人生を劇的に変えていきます。親身な対話と洞察に基づいた言葉の魔術師として、コーチはクライアントを導き、彼らの内に秘められた可能性を開花させるのです。

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現状の外側に導く

クライアントにアドバイスをすることは、真のコーチングではありません。クライアントの内省言語(want toやゴール)を引き出し、エフィカシーを向上させ、現状の外側に導くことがコーチングの本質です。

コーチングでは、相手との対話や質問を通じて、彼らの思考や気持ちを探求し、彼らの自己理解や洞察を深めることが重要です。これにより、相手の内なるモチベーションや潜在能力を引き出し、彼らが自身のゴールに向かって行動するための自信と意欲を養います。

また、コーチングでは、相手や場のエネルギーを高めることも重要な要素です。コーチは、安全な環境を提供し、相手が自己表現や自己探求を行いやすい雰囲気を作り出し、相手が自分自身に対してオープンとなり、成長に向けて前向きなエネルギーを感じることができるようサポートすることが求められます。

このようなコーチングのアプローチは、単なる問題解決やアドバイスの提供とは異なります。むしろ、相手をサポートし、自己のリソースや洞察を引き出し、より意味のある目標達成や成長を実現するための手助けをすることを重視します。

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コーチングの難しさ

私たちは現実の中で生活していますが、実際には非現実のこと(妄想など)を考えている時間が6割以上を占めているような気がします。同時に、現実を養分として非現実を豊かにしているとも考えられます。

現実的な人々は、非現実に没頭する時間が非常に少なく、主に現実を豊かにすることに時間を費やします。

中には、現実を犠牲にしてでも非現実を楽しむことを選び、現実を削りながら非現実人を充実させている人もいるように思われます。

つまり、人の幸せは現実の幸せと非現実の幸せを総合的に考えなければならないのではないかと考えます。

特に、非現実の世界で最も楽しいのは、好きな人について考えることだと思います。好きな人は身近な人であったり、憧れの人物や有名人、アニメのキャラクターなど、何であっても構いません。

たとえば、本当に好きなアイドルがいるとしましょう。そのアイドルは非常に有名で叶わない恋だと分かっていても、妄想の中では二人で幸せに過ごせると想像できます。そのアイドルの握手会に参加し、握手をして微笑んでもらう経験は、ほんの短い時間かもしれませんが、これまでで最も素敵な異性だと確信するかもしれません。

しかしながら、その好きなアイドルに対する妄想が禁じられるか、制御されると、日々の楽しみや幸福感は著しく減少するでしょう。

つまり、人によっては現実の幸せよりも非現実の幸せが重要であり、現実の幸せを作り出すよりも非現実を楽しむ要素を与えた方が喜ぶ場合があるのです。

また、このタイプの人々は自身でも、現実の幸せよりも非現実の幸せが重要だということに気付いていないことが多く、「現実の幸せがほしいです!」と言うこともありますが、実際は現実の幸せを得るための手段を示しても、自分自身で幸せを追求する行動を避け、非現実の幸せに喜びを見出しているのです。

もし人間の半数以上が、無意識のレベルで現実の幸せよりも非現実の幸せを求めているのなら、導きや真の幸せを提供する方法は大きく変わるでしょう。

このように、コーチングは非常に難しく、人間の本質を皆が完全に理解しているわけではなく、コーチ自身もクライアントの本質(want toやゴール)を見極め、適切な方法を創り出さなければ、現状の外側に導くことはできません。

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無明からの解放

他の方が困難に直面している時、「無明」に迷い込んでいることに気づきます。無明の状態では、可能性や光に目を向けることができず、変化を受け入れることなく拒絶や現状維持に固執し、固定観念に執着するばかりです。

知識としてのコーチングを経た後、実際の行動としてのコーチングは、この「無明」という、何もない、明るい未来が存在しないという世界に迷い込んでいる人に対し、現在持っている全てを出し尽くします。

その視点は無限にあり、その場その場で必要な情報を伝えることが望ましく、そこに存在する無明と情報のギャップを埋めることで信頼や覚醒が生じます。コーチングは無明から解放するという極めて重要な役割を果たすのです。

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メンターやコーチを活⽤する

指導者、グル、コーチ、師匠、教師、メンターなどに依存してはいけません。答えは自分自身の直感の中にあります。直感を働かせるために、自然や音楽、数学、絵などを通して真実を見ようとするように、メンターやコーチを活用するのです。ただし、メンターやコーチの言葉そのものではなく、言葉を通して呼び起こされる直感に注意を払うことが重要です。

自分の持っている知識と比較するのではなく、メンターやコーチと一緒に旅をすることが大切です。メンターやコーチの言葉から呼び起こされる映像や言葉の情報を、分析や評価することなく、観察しながら一緒に旅をするのです。メンターやコーチから新たな視点を取り入れることにより、スコトーマが外れ、脳が活発に動き出すようになります。

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一生涯の繋がり

コーチングの原則は一生涯のつながりです。これがコーチングの醍醐味です。コーチ(導き者)とクライアント(導かれる者)は一生涯の繋がりをもつのです。

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⑥ 新世界の創造

無限の可能性

コーチングは、「人間には無限の可能性がある」という信念に基づいています。私たちは内に秘めた驚くべき才能や能力を持っており、それらを開花させることができるのです。コーチングはその出発点となり、個々の人々が自分自身の力に気づき、成長するためのサポートを提供します。

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東洋と西洋

苫米地式コーチングは、以下の二つから成り立っており、能力開発の決定版です。これ以外のものを学ぶ必要がないほど、理論体系が巨大です。

① 言語情報
西洋の心理学などを取り入れたコーチング。アファーメーションなど。

② 非言語情報
東洋の釈迦の空の概念、密教やヨガ、気功の技術を取り入れたコーチング。無意識への働きかけなど。

苫米地式コーチングの真髄は、著書ではあまり語られていませんが、密教に存在します。密教とは「not normal」なものです。常識(顕教)の対極にあるため、公然と語ることができないのです。そのため、選ばれた人々にのみ、密かに受け継がれるのです。

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理論に囚われない

コーチングと苫米地式コーチングは、別物です。「コーチング」と一般的に言う場合、トレーナーのようなイメージを持つかもしれませんが、苫米地式コーチングは理論として、

① want to
② ゴール設定
③ エフィカシー
④ 空
⑤ 現状の外側

があり、これらをベースとして繰り出されるのが苫米地式コーチングの実践です。しかし、理論をベースにしながらも、理論に囚われず、行き当たりばったり、リアリスト、超戦略的、合気道的な混沌としたものが、苫米地式コーチングです。

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何でもあり

空とは、抽象度の最上位の概念ですが、具体的に解釈すると、変幻自在であり、つまり「何でもあり」ということを意味します。

重要なのは、コーチングは理論だけではないということです。コーチングでは、その場で具体的な答えを生み出すことが求められます。

理論的な知識や枠組みは重要ですが、真の成果を得るためには、コーチとクライアントが対話し、具体的な状況に適応して解決策を見つける必要があります。過度に理論に頼りすぎると、成功から遠ざかる結果となります。

空(何でもあり)という考え方は、苫米地式コーチングの根本に流れるエネルギーです。この考え方は、限定された視点や制約を排除し、クライアントの潜在能力や可能性を最大限に引き出すことを目指しています。

コーチングでは、クライアント自身が抱える問題や目標に対して、無限の可能性を探求し、自己成長と変革を促進するのです。

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人生を楽しむ

何ものにも囚われずに⾃由に考えることがコーチングのすべてです。 ノウハウではなく、すでに持っている⼒を出し切るだけで、⼈⽣は本当に変わります。
その時に、⽴ちはだかる壁が「⽐較」という壁。です。理想の⾃分との⽐較、他⼈との⽐較、あらゆる⽐較が、燃えたぎる情熱の⽕を消そうとします。

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自由に思考する

コーチングとは、何ものにも囚わらわれることなく真に思考するための⼿法です。

「教師と⽣徒」の発想では、真に思考することはできません。あらゆる宗教、成功哲学そのものに価値はなく、重要なのは何ものにも囚わらわれずに思考することです。プログラム化されたものを、盲信して、思考停⽌してインプットするのは奴隷の道です。

⽇々刻々と揺れ動く環境が真実なのであり、固定化されたプログラムに意味はありません。書かれたり、話された⾔葉そのものに意味はなく、囚われている前提が外れた時に研ぎ澄まされる感覚を、確信に変えていく作業がコーチングです。考え続ける脳が無限のエネルギーを⽣むのです。

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共通の視点

コーチングは、⾃分のためだけに⾏って終わりではありません。他⼈と協調・協⼒して、社会的機能を持つことが重要です。社会的機能を持つ上で、必要になってくるのが、エンパシーという考え⽅です。

エンパシーはラポールと似て非なるもので、エンパシーは共通の視点を持つことを指し、ラポールは共通の視点を持った結果生まれる信頼関係という違いがあります。

つまり、ラポールは共通の視点を持つことによって生まれる副産物です。共通の視点を持っていない状態でラポールを築こうとすると失敗します。物事を進めていく上で、仕事の関係者、友人、恋人、家族であれば、視点を一致させることは必要不可欠です。視点を一致させ、さらに自ら新たな視点を作り出し、共有することで、リーダーとなることができます。

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過去は変えられる

コーチングでは、「時間は未来から過去へ流れる」と考えます。実際には、この考え方が自然です。

過去が未来を形作ると考えるのは、権力者に都合が良いだけです。

実際のところ、「現在の意思」が未来を形作ります。固定概念が常に思考を作り出します。

川上から川下へ、時は流れていきます。

川上から、

赤いボール
緑のボール
青いボール

が流れてきますが、自分が次にどのボールを取るかは実際には完全にランダムです。

赤いボールを取ったからといって、次のボールの色には影響しません。

重要な点は、

未来をどのように選択するかによって、過去の解釈もまったく変わるということです。過去は変えられます。

なぜなら、時制自体が今現在の思考の中にあるからです。

実際には、

今:過去 現在 未来

今:過去 現在 未来

今:過去 現在 未来

と、「過去 現在 未来」を捉える「今」の思考が連鎖しているだけであり、一瞬一瞬すべてを書き換えるチャンスがあります。

そして常に過去は現時点において、未来をどのように描くかによってまったく変わるのです。

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過去は関係ない

私たちが接するメディアや親・兄弟・友人のほとんどは、「過去の視点でしか評価しない」という視点に囚われています。

このような評価は、カースト制度の名残りとも言えます。カースト制度は、インドの身分制度であり、「生まれながらに運命が決まっている」という思想に基づいています。この思想では、人を判断する際に過去を重視します。

「あなたの過去はこうだから、夢は実現できない」という夢を打ち砕く考え方は、権力者や支配者が大衆をコントロールするために都合が良かったのです。

しかし、コーチングでは「過去や現在は関係ない」という前提で出発します。これは真実であり、実際のところ、現時点で確定的な未来は存在しません。

あなたの「意思」が未来を創り出し、現実となり、さらに過去さえも書き換えていくのです。つまり、現在の意思が未来、現在、過去のすべてを変えていくのです。過去の視点や他人からの評価を壊してください。

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新世界の創造

親、友人、学校教育、メディア、支配者は、周囲を常識で固定化することで、エネルギーを得ています。また、自分を変化させるよりも、他人を下げることの方が、極めて楽に人々をコントロールできることを知っています。

それに抗う方法は、自分にとって役に立たない、または不利な常識を手放し、自分の可能性を高める情報場を再構築することです。

はじめに言葉があり、その紡ぎ出された言葉によって、新世界(新しい情報場・新しい常識)が創られます。

初めに正しい世界があり、その世界は変えられないという情報場は、支配者にとても有利な情報場でした。

それぞれの個人は、言葉によって新世界を作り出す事が可能です。過去、現在、未来を書き換え、新世界を作り出す力を持つ光の存在。それが「言葉」です。

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⑦ 空がすべて

すべて幻想

空観では、幸せだけが幻想なわけではなく、「世の中のすべてが幻想であるとわかること」を意味していますから、私たちを不幸にするものでさえも幻想だと説きます。

苫米地英人『201冊目で私が一番伝えたかったこと』

私は、気どころか、物理世界は実在しないと思っています。空ですから。

苫米地英人『心の操縦術』

苫米地式コーチングのベースには空観があります。空観では、幸せも不幸も幻想であり、物理世界も幻想であると説きます。

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マトリックスからの脱出

認知科学による最新の定義で言えば、臨場感が物理的現実世界に100%ある時のみが変性意識でない状態である、ということになります。これでは変性意識でない状態の人は、お釈迦様だけになってしまうのです。

その理由を述べる前に、 RAS(網様体賦活系)とスコトーマのことを説明しておく必要があるでしょう。
RASというのは、人の脳の活性化ネットワークのことで、毎秒毎秒五感に入ってくる大量のメッセージの中のどれを意識するかを決定する役割を果たすものです。いわば私たちが受け取る情報のフィルターとして、情報の取捨選択を行っています。

スコトーマとは、盲点のことです。私たちは身の周りの情報をすべて理解しているかのように感じていますが、実はスコトーマによって隠されていることがたくさんあります。

(中略)

ふつうの生身の人間である限り、お釈迦様になることはどだい無理な話です。ということは、ふつうに生きている人は全員、 RASが存在し、スコトーマがあり、物理的現実世界を見ていないということになります。

苫米地英人『コンフォートゾーンの作り方』

わたしたちはマトリックスの中で生活しています。わたしたちの思考には霧がかかっているので、何の疑問も湧くことなくマトリックスの中で生活できているのです。その霧をRASやスコトーマと言い換えることができます。世界に違和感を感じている人はその霧を払い、マトリックスの外側、現状の外側に出ることができます。

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異次元発想法

サーモスタット式の発想とは、この与えられた世界のなかで、最も適応したやり方を発見しよう、という方法です。サーモスタットが適切な温度を保つように、最も適当なやり方(最適解)を探すのです。〝不完全性定理〟というものがあります。ゲーデルという人が証明したものです。

どういうものかといえば、「ある理論体系は、自分自身に矛盾がないことを、その理論体系のなかでは証明できない」というものです。つまり、この世界の正しさは、この世界のなかからは証明できない、ということです。

(中略)

チャイティンという人が数学全体、知識全体について一般化しました。では、なぜこのようなことが、この世界のなかにいるゲーデルにわかったのでしょうか?この世界の外側に出なければわからないはずです。

(中略)

自由意志による発想とは、このゲーデルの発想のようなものです。この世界にはあらかじめないはずのものを、どこからか発想するのです。

それはいわば、神を超える、ということです。神が創った世界の外側から発想するのですから。

ほとんどの人はサーモスタット式の発想しかしていませんが、アインシュタインが相対性理論を思いついたときとか、ゲーデルが不完全性定理を思いついたときには、自由意志による発想が起こっているのです。

(中略)

ビジネスマンも、他の誰もが何億年かかっても考えつかない発想ができなければいけません。つまり、自然世界の最適な組み合わせを超越した発想ができなければいけません。これが自由意志発想法であり、異次元発想法とも呼べるものです。

苫米地英人『心の操縦術』

私たちは、目の前の状況に対して最適解を見つけながら生きています。常に最適解を見つけているわけではありませんが、効率的に生きようとはしているはずです。それはそれで良いのですが、それだけではコンフォートゾーンや現状から抜け出ることはできません。

そこで、自由意志発想法や異次元発想法といった発想法を身につけることによって、私たちは現状の外側に出ることができるようになります。

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アプリオリの否定

お釈迦様は「この世に未来永劫不変な唯一絶対のものなどない」と語って、アプリオリを否定しています。お釈迦様が否定しているのは、神の「絶対性」です。「神は存在しない」と言っているのではなく、「神も空(=存在するともしないともいえるが、絶対的ではない)」と言っているだけです。

苫米地英人『超訳般若心経』

苫米地式コーチングの要は、アプリオリの否定、絶対性の否定です。ここに何ものにも囚われない自由があるのです。

神がいなければすべてが許される。

ドストエフスキー

神(絶対性)の否定を、否定的に捉えれば虚無主義に陥りますが、肯定的に捉えれば完全な自由を得ることができます。

「全ては空なのだから何をしても虚しい」ではなく、「全ては空なのだから自由に創造的に生きよう」という発想を選んでください。

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空と縁起

上座部仏教では「空」という言葉は使わず(というか発明されておらず)、「縁起」という概念を使います。文字通り「縁」によって「起」こる、関係によって存在するという意味です。

存在は関係によってあるという釈迦の根源的な教えです。

ひとつの存在は宇宙の全てと何らかの関係をもっているということに気がつきます。これを「一念三千」といいます。

ひとつの存在をみると宇宙が見える、ひとつの「有」は、桁違いの「超有」である。こういうふうに存在をダイナミックかつ超多次元的にみるのが大乗仏教の「空」です。

そしてこれらの全ての関係の中心にあるのが私達の心であり、その心が全てを生み出しているとみるのが「空」です。その生み出している心自身も「空」なのはいうまでもありません。

苫米地英人『超訳般若心経』

苫米地式コーチングのベースにあるのは、空であり縁起です。それは「存在は関係によってあるという釈迦の根源的な教え」です。

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役割を演じる

中観の考え方について、あえて要約してしまうと、すべてのものは「空」であると理解しつつ、それでもすべてのものには機能(役割)があるとみるというものです。

この役割を全うすることにこそ生きる意味があるとみるのが「中観」です。

しかも、どうせなら、なるべく有意義な役割を演じた方がいいはずです。

その役割もまた「空」ですから、縁起によって生じるものです。

苫米地英人『超訳般若心経』


では、「幸せ」とは何か。それは、「到達すべきゴールを設定し、それに向かうためのベストな選択をすること」です。ゴールに向かう選択をすること自体が「幸せ」なのです。
あなたが到達すべきゴールは、まずは、あなたが「幸せだ」(嬉しい、楽しい、気持ちいい、清々しい、誇らしいの五つのポジティブ感情)と感じるものを設定しましょう。このゴールこそが、あなたが果たしたい役割のはずです。

苫米地英人『超訳般若心経』

人にはそれぞれに役割があり、その役割を全うすることが幸せであり、生きる意味であるとする中観の思想が、苫米地式コーチングの最も重要な思想です。

その役割も空なので、役割を演じるということになりますが、この「すべては空(幻想)」であるという覚めた思想が、あらゆる束縛や固定観念から解放し、真の自由を与えてくれます。

苫米地式コーチングは、願望(欲望)実現を目的とした成功哲学や引き寄せの法則とは一線を画した、欲望に囚われない真の自由を与える宗教哲学なのです。

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⑧ 内部表現の書き換え

夢と現実

夢の世界の存在は、目で見、手で触ることができますが物質ではありません。リアルに五感で感じることができるからといって、実体があるとは限りません。このことから、存在に実体は必要ないことが言えます。

また、夢の世界には歴史は存在しません。夢と現実の区別はつきません。このことから、現実世界の歴史の存在も疑わしくなってきます。

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リアリティとは何か

夢を見ているとき、夢だと気づくことはできません。夢を見ているとき、夢の中の世界を五感で体験しています。物理的世界として体験しています。夢と現実の区別はできません。

認知科学以前は物理的世界のことをリアリティーと呼んでいましたが、認知科学以後は、臨場感のある世界のことを指すようになりました。

苫米地英人『コンフォートゾーンの作り方』

臨場感のある世界のことをリアリティーとするならば、夢と現実は同等の存在と言えることになります。夢が現実で、現実が夢と言うこともできます。

むかし、荘周は自分が蝶になった夢を見た。楽しく飛びまわる蝶になりきってのびのびと快適であったからであろう。自分が荘周であることを自覚しなかった。ところが 、ふと目がさめてみると、まぎれもなく荘周である。いったい荘周が蝶となった夢を見たのだろうか、それとも蝶が荘周になった夢を見ているのだろうか。荘周と蝶とは、きっと区別があるだろう。こうした移行を物化 (すなわち万物の変化)と名づけるのだ。

「胡蝶の夢」『荘子』

夢だけでなく、あなたの想像した世界が臨場感のあるものであれば、それはリアリティと言えるのです。

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内部表現の書き換え

苫米地式コーチングの、抽象度を上げることと、エフィカシーを上げることは同じことを意味しています。

抽象度を極限まで上げると「空」になり、エフィカシーを極限まで上げると「神」になります。空も神も同じことです。

苫米地式コーチングは、ゴール・願望の実現だけでなく、とてつもなくスケールの大きなことを言っています。

内部表現とは世界の見え方のことです。内部表現が書き換わるとは、世界の見え方が変わるということです。

抽象度とエフィカシーを極限まで上げ、神の目で世界を見る。神となって世界を創造する。見ることと創造することは同じです。神の目を手に入れることが、最高の内部表現の書き換えです。

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