見出し画像

⑦タロットにおけるゴール

リアリティとは何か?

リアリティの定義は認知科学以前と以後とでは、すっかり変わってしまいました。

すなわち、認知科学以前は物理的世界のことをリアリティと呼んでいましたが、認知科学以後は、臨場感のある世界を指すようになりました。

つまり、映画を観て、映画の世界に浸っているときは、映画の世界の方がリアリティであるということもあり得るのです。映画の世界は現実ではなく虚構だと反駁されるかもしれませんが、認知科学の世界では臨場感の強度が高い方がリアリティとして選ばれるのです。

『201冊目で私が一番伝えたかったこと』
臨場感世界

認知科学の世界では、物理的世界だけでなく、臨場感のある世界をもリアリティとして扱っています。タロットの背景には「人間は神である」というグノーシス主義の世界観がありますが、この世界観も虚構ではなくリアルなものと見做して良いということになります。

これはタロットの世界観に限らず、全ての宗教にも言えることですし、例にもあるように映画の世界にも言えることなのです。現代科学・哲学において、リアリティの定義が物理的世界に限定されなくなってきているのです(リアリティに関してはデイヴィッド・J・チャーマーズという哲学者が『リアリティ+』という著作でより詳しく述べています)。

シミュレーション仮説

古代から近代にいたるまで宗教の世界観はリアルなものとして信じられてきました。神の存在、天国や地獄、魂の不死性や、鬼や悪魔や幽霊の存在など、科学が発達した現代でも信じている人はたくさんいます。世界的には無宗教の人の方がむしろマイノリティです。

ただ宗教の世界に限らず、映画の世界ですらリアリティに含めるようになったことは、苫米地博士の言うように認知科学以後ということになります。臨場感ということが重要視されるようになったということです。

ゴールの現実化

I×V=Rというのはルー・タイス・プリンシプルの方程式です。

Iはイメージ、Vは臨場感(ビビッドネス)、Rはリアリティです。  「イメージ×臨場感」がリアリティを作る、ということを意味します。

そして、ルー・タイス方程式が示している内容は、ゴールの方のリアリティを圧倒的に強めれば、ゴールの世界が選ばれ、それが現実になるということです。

I×VのIはWORD(言葉)、PICTURE(情景)、EMOTION(情動)から形成されるセルフイメージそのものです。

そして、ゴールの世界を現実にするためには、ゴールの世界のセルフイメージを現状のセルフイメージよりもはるかに強烈にしなくてはなりません。

つまり、ルー・タイス方程式は、ゴールのセルフイメージの臨場感が上がれば、それが現実の世界になるということを意味しています。そのためには、まずはゴールのセルフイメージを作らなければなりません。そのときのセルフイメージとは、ゴールの世界の私はこういう人間であるというものです。

やり方はとてもシンプルです。 ゴールの世界にいる自分が、どのような家に暮らし、どのような車に乗り、どのような人と付き合っているかなど、一人称および現在形でイメージしていくのです。

苫米地英人『201冊目で私が一番伝えたかったこと』

ゴールを現実化させる方法は、ゴールの方のリアリティを圧倒的に強めること、ゴールのセルフイメージの臨場感を上げることです。

タロットにおけるゴールは明確です。主人公である愚者(わたし)が世界(神)になることです。「わたしは神である」というセルフイメージを強烈にすることによってそれが現実になるのです。

愚者=わたし

「わたしは神である」という意識で生きるとどうなるのでしょうか。まず恐れや不安がなくなります。人に対する恐れ、未来に対する恐れや不安がなくなります。過去に対する後悔もなくなります。ルールに縛られなくなります。固定観念から解放されます。病気も自分で治せるようになります。

このように、タロットのゴールである神性の自覚は、様々な良い効果をもたらしてくれます。その神というセルフイメージもどのような神をイメージするかによってその効果も変わってきます。世界には八百万の神がいますから、その中から自分の趣味に合った神を選んでその神と一体化し、神として生きていけば神としての人生が現実となるのです。

わたし=世界=神

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?