無題4-01

【笑話小話】ある姉妹の会話

 
 
 
「姉貴ってさぁ……何で義兄さんと結婚したの?」
「私とお父さん?」
「うん、そう、あなたと義兄さん」
「私はねぇ……先生のとこに仕事で住み込みの弟子入りしてた時に……」
「うん」
「先生と関係のある組合にお父さんがいて……」
「うんうん」
「最初はそんなに話したりするワケじゃなかったけど、顔は合わせるからたまには話したりするようになって行って……」
「うんうんうん」
「何年か経って、ある日の夕方に『旨い蕎麦屋があるから食べに行かないか』って誘われて……」
「うんうんうんうん(姉貴が蕎麦好きなのは知ってたワケか)」
「連れて行かれた場所が、どう見ても民家にしか見えなくてね。こんなトコにお蕎麦屋さんがあるのかな〜って思ったんだけど……」
「うん?」
「中に入ったら、コタツに入った人たちがビックリした顔で私たちを見上げてて……」
「う……」
「お父さんが『おれの嫁さんになる人』って言うもんだから、その人たちも私もビックリしちゃって……」
「……ん?💧」
「よくよく聞いたら、その人たちはお父さんの家族だったのね……お母さんと姉妹」
「……姉貴……それで何にも言わなかったの?💧💧」
「だって、男の人がそう言ってるのを否定したりしたら恥かかせちゃうと思って……」
「……(おい)……」
「でも、お義母さんたちも後で言ってたんだって。『絶対、結婚しないよ。だってあの女の人、すごく驚いてたじゃん』って……」
「……それでいいのか……?」
「だって、男の人にそんな風に言われたコトなかったし、まあ、悪い人じゃなさそうだったし……」
「………………」
「そんなコト言ったら、あんただって」
「うん?」
「ツヨシさんと結婚するって聞いた時はたまげたわよ!? だって最初、あんたたちが職場で会った直後なんて、あんたツヨシさんのコト、ケチョンケチョンのボロクソに言ってたじゃない!」
「ああ、まあね。最初は『何だ、こいつ!?』って思ってたしね」
「それがどう言う心境の変化?」
「いや、世の中にこんなに可哀想な人がいるんだ〜と思って」
「……あんただって相当なもんだわよ」
「え、そう?」(シレッと)
 
そう言って結婚してウン十年。
似た者中年姉妹のお話。
 
 
 
〜特にオチもなくおしまい(チャンチャン)〜
 
 
 
 
 

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