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声の威力

 
 
 
今朝、玄関を出ると、私の数メートル前をご夫婦が歩いていた。

ご主人は通勤用の鞄を持ち、奥さんは自分のバッグを肩にかけ、もうひとつ大きめの袋を提げて持っている。鞄を持っていない方のご主人の肘下が見えず、「ん?」と思っていると可愛い声が聞こえ、同時にご主人の腕の辺りから白い小さなものがニョキっと生えて来た。

乳児とは言えない、けど幼児とも言えない、まだ言葉はおぼつかない『赤ちゃん』と言えるくらいの子をご主人が抱っこしていた。チラッと見えた感じから女の子かな? 一生懸命、何か話してる。犬の看板みたいなのを見て「わんわん」とか。

あの抱っこされてる姿って、世界遺産ものの宝物だと思う。(言い方が大げさ?)

思い出すと、今では皆大きくなってしまったけど、数年前までは我が家の近所の四方から、可愛い声が聞こえて来てたなぁ。

必死で自己主張する「えーん……えーん」って泣き声が段々掠れて行って、最終的には泣き過ぎて噎せて「ケホケホ」とか聞こえて来るのが、何かもう可愛くて、ニヤケがとまらなくなる(笑)。「泣き止まない~」と思ってるお母さんたちは大変だろうけど、泣くのが当たり前だからね。

あと、ウチの前は小さな公園なんだけど、遊んでる声が聞こえて来るとホッとする。

ああ、とりあえずであっても、平和な日常だなぁ、って。

自分が子どもの頃もそうだったんだろうな、と思う。……まあ、たまに「うるさい」とか言う人もいたけどね(笑)

でも、そーゆう光景を目を細めて見てくれていた人たちの方が圧倒的に多いから、今は私がその光景を眺められる日常にいられるんだと思う。

朝からいいものを見たなぁと、夏休みで比較的空いてる電車の中で思うのでした。
 
 
 
 
 
 
 
 

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