無題4-01

【笑話小話4】私にはない力

 
 
 
夏も終わりに近づいた週末。
書類の整理に勤しむ午後。

その書類の名は、

『総勘定元帳』

というらしい。

ちなみに、本来これの管理は私の仕事ではない。今、自分の仕事ではない故にめっちゃ集中して黙々と作業する私の後ろで、スマホとパソコンに齧り付いて「あーでもない」「こーでもない」と騒いでる二人(経理おねぃさま&経理K氏)の仕事である。

まーもう何回もやらされてるけどね。

後ろで何を騒いでいるか、って。

おねぃさまが何かをやろうとしてるけどわからず、K氏が教えている風なんだけど、K氏にもちゃんとはわからないようで、仕舞いには電話で奥さんに訊いてる始末。

集中してるからあんまり詳しく聞いてなかったけど、垣間聞こえて(?)来る中に、

『通知バー!? 通知バーってどこだよ!?』

……の連呼。

私は、訊かれるまで口を挟まない。それが、長年の経験のなせる技。じゃないと色々と色々がむにゃむにゃなのだ。

だけど、

『そんなものないよ! どこだよ!?』

……の連呼に、一生懸命説明してる(らしい)風な奥さんが気の毒になり、

(スマホの画面見ててないはずないですよ~。一番上のとこですよ~)

……と、テレパシーで教えてあげてたんだけど、どうやら私には霊感も超能力の類も皆無のようで、一向に伝わらなかったとさ。

チャンチャン。
 
 
 
 
 
~いつも通りオチはなし~
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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