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つたわぬ

 
 
 
恋衣たゆとうて
逢い想ひ放とうと

ひととせ待てど許されぬ
いくとせ待てば枯れ果てぬ

朝露となり草に置く身は
夕霧となりて散り烟る

解き放たれて往く魂(たま)は
此方と境を彷徨うて

辿り着けぬあわい宵
迎え来ぬは明けの果て

月届かぬ水底に
横たわり眠る相想い

玉響に光の如
我が声 伝へと切に願ふ
 
 
 
 
 
 

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