無題4-01

【笑話小話2】平成に置き話

 
 
 
〔平成最後の大晦日・紅白歌合戦中〕

「あ、この人、初めて出場らしいよ。……よ、よ、よ……よねつ(米津)……げ……げんすい(玄師)……さん……? ……変わったお名前だね」

「……今、“よねづけんし”って言ってたと思うけど……」

「あ、そうなんだ! “米津”って字を見ると、よねっちゃんしか浮かばないからさ~」

「……よねっちゃん? ああ、中学の時のヒゲの……堀内○雄そっくりの!」

「そうそう、美術のセンセーで女バス(※女子バスケットボール部)の顧問だった。初めてこの人の名前見た時、よねっちゃんと同じ苗字だ~しか浮かばなかったけど、読み方違ったんだ。失礼失礼」

「そんな人、いたね、そう言えば」

「何ヶ月か前に、たぶんお母さんのコーヒー買いに行く時に、渋谷のTSU※AYAのとこに横長のポスター貼ってあって、それで名前見たのが最初かなぁ? そん時もさ……名前が“米津玄”までしか見えなくて、最後の文字が隠れてたんだよね」

「へぇ」

「だから、何か勝手な想像で、『この人、お米の好きな人なんだなぁ』とかぼんやり思いながら通り過ぎたんだよね」

「何で、米好き?」

「いや、だからさ……最後の文字が見えなくて、頭の中でこの人の名前が勝手に『米津玄米』さんに変換されてたワケ」

「………………」

「もう、超お米好きな人にしか見えなくない?」

「……あ、ちょっとチャンネル変えるよ」

「……(聞いてねーな)……」


平和に更けた、平成最後の大晦日の話。父は終始寝ておりましたとさ。





~いつも通りオチなくおしまいw~
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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