『戀衣』
気に入りの衣の如、心に纏い続けた戀衣。手放せずにいるうちに、絹のようだった感触はいつの間にか消え、代わりに感じるのはざらつき。その感触に驚いて払うと、肩から滑り落ちた衣が、知らぬ間に色褪せている事に気づいた。衣更えの頃合い──気づいた時、それは足下から空に散って行った。

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