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最近の【ほぼ百字小説】2024年3月2日~3月13日

【ほぼ百字小説】をひとつツイート(ポスト)したら、こっちでそれに関してあれこれ書いて、それが20篇くらい溜まったら、まとめて朗読して終わり、という形式でやってます。気が向いたらおつきあいください。

3月2日(土)

【ほぼ百字小説】(5053) 見た目がその楽器に似ているからその楽器の名前で呼ばれていたのが、いつからかその楽器の音で呼ばれるようになったとか。そんな話を聞いてからは、道端に咲いたそれを見ると音で聞こえる。たん、ぽぽ、たん、ぽぽ。

 そのまんまです。このあいだそんなことを聞いて、なるほどなあ、です。あれは音だったのかあ。たしかに鼓の音っぽいですね。そして、鼓の音のオノマトペとして、たんぽぽ、というのはすごくいい。そして、人間の感覚と言うのはヘンテコなもんで、いちどその言葉と音を結び付けてしまうと、そうなるんですね。不思議でおもしろい。

【ほぼ百字小説】(5054) たまに自分が落ちている。毎日同じ道を歩くから、落とすとすれば同じ道のどこかで、だから拾われたりしなければ落ちたまま。落ちている自分を横目に毎日通り過ぎるうちにある日なくなっていて、少し残念になったり。

 一種のドッペルゲンガーもの。まあ自分というのは固定されたものではないので、部分的には落ちていったりして入れ替わってるだろうとは思う。だからけっこうまとまった形で自分が落ちている、というようなこともあると思います。でもそれを見つけたときにどうするか、といえば、拾わないような気はするんですね。だからけっこう長いこと落ちたままになってたりして。誰かに拾われて欲しかったりもするでしょうね。

3月3日(日)

【ほぼ百字小説】(5055) 毎年この時期になると大陸から渡ってくる。多いところでは、空が暗くなるほどだとか。全体で図形や文字を描いたりすることも。なぜ彼らが渡るのかを始めとして、自律ドローンたちの集団行動には、まだまだ謎が多い。

 季節もの。花鳥風月なんて言いますが、まあドローンは鳥に似ている。とくに群れで飛んでるところは、そんな感じですね。自律型のドローンだと、はぐれたりしても飛んでて、そういう野良ドローンが群れを作ったりもするかも、とか。個々が思考してなくても群れ全体で思考しているように見える、というのは鳥もそうですね。

【ほぼ百字小説】(5056) 首の無い雛人形がひと揃い。しかし無いのは首だけで、それ以外すべて揃ったものを飾っている。なぜこういうことになったのかは教えてくれないが、うちの雛人形は昔からそう。どこかには首だけの雛祭りもあるのかな。

 季節もの、というか、今日ですね。このあいだの「まちのひ朗読舎」では、蜂本みささんが架空の行事を書いたのを朗読して、架空の行事とか儀式っておもしろいなあ、とか話してたんですが、まあこれもそういうバリエーションかな。ちょっと変な雛祭り。まあずっとそうなんですね。そして、この家の子供にはこれが当たり前だから、あるとき、雛人形って首があるんだ、と気がつくんでしょうね。
 あ、それから、落語の『道具屋』で、お客が、店に並べてある短刀を抜いてみようとするんですが、「抜けへんなあ」「抜けまへんか」「抜けへん。なんでこないに抜けへんねん」「木刀でんねん」「それを先に言えっ」「けど、あんたが抜く抜く言うから、木刀抜いたら何が出てくんねやろと思て」「木刀が抜けるかいな。なんぞ抜けるもんはないんか」「ああ、それやったら、お雛さんの首」というやりとりが大好きで、それもあるかな。

3月4日(月)

【ほぼ百字小説】(5057) 西日が射して壁に影が。それはどう見ても輪を作ったロープの影なのだが、この部屋にそんなものはない。それにしても首を入れるのにちょうど良さそうで、影だけでもやってみるか、と立ち上がったら、自分の影がない。

 真昼間に怪異が起こる、というのが好きで、まあこれもそんな感じですね。でも西日、というのはどこか気だるくて、わりと幽霊とか怪奇現象みたいなものに合うと思う。

【ほぼ百字小説】(5058) まずキューピーを買っていただきます、ビールはいちキューピーです、キューピーありがとうございますっ。あ、そこは、サンキューピー、じゃないんだ。安いけど何かに化かされてるみたいで、たとえばキューピーの狐。

 あったことをありのままに書いたやつ。そういうシステムの居酒屋だったんですが、もしかしたらけっこうあちこちにあるチェーン店だったりして。いろいろ不思議でした。落語会の客席にいた田中啓文と飲みに行った店ですが、ポテトサラダを頼んだらロウソクが立ってて、二人分の線香花火が付いてて灰皿でそれをやって。田中啓文と二人で、ですよ。なんかもういろいろ不条理でした。でも飲んで食ってひとり千円でした。四キューピーです。いや、本当は三キューピーのところを千円だとキューピーがおまけで一匹ついてくる。一匹でいいのか? なんかよおわからんけど、おもしろかった。繁昌亭の帰りにまた行きたい。

【ほぼ百字小説】(5059) ぶつかりおじさんなるものが存在すると聞いたことはあったが、そのぶつかりおじさんを捕獲する組織があるらしい。ぶつかりおじさんを兵器に改造し海外に売りとばすのだ。日本製のはカミカゼと呼ばれ高く売れるとか。

 ぶつかりおじさんに関する記事を読んで、そのインパクトでそのまんま書いてしまいました。ああ気色悪い。

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