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最近の【ほぼ百字小説】2024年2月6日~2月17日

【ほぼ百字小説】をひとつツイート(ポスト)したら、こっちでそれに関してあれこれ書いて、それが20篇くらい溜まったら、まとめて朗読して終わり、という形式でやってます。気が向いたらおつきあいください。

2月6日(火)

【ほぼ百字小説】(5002) たまに自分の番号がわからなくなる。間違えていて、間違えたまましばらく気づかないことも。とくに注意も警告もないので、自分で気づいたときに遡って修正しているが、間違えたままでも問題ないような気もしている。 

 5000番代に突入、ということで番号もの。こないだも間違えてたし。気づかなくて間違えたままになってるところも何か所かあるような気がします。まあそれはそれとして、あのナンバーもこんな感じかもしれません。少なくとも、自分自身にとっては。

【ほぼ百字小説】(5003) 長年使ってきたあのソファを粗大ゴミに出すことに。回収に来る前夜、シールを貼って表に出した。中にいるものたちが夜のあいだに逃げ出せるように。朝になってずいぶん軽くなったソファを回収車がばりばりと食った。 

 こないだソファを粗大ゴミに出したのは本当。中にいろいろ入ってるのは、「人間椅子」みたいな感じかな。長いこと使ってますからね、いろんなものが棲んでてもおかしくない。そして、あのなんでも嚙み砕く回収車って怪獣っぽいですよね。

2月7日(水)

【ほぼ百字小説】(5004) 毎年この行事のために弱い鬼が作られる。豆をぶつけられて逃げ回る様を見せつけることで、一種のガス抜きを行うのだ。以前は通常の鬼が弱い振りをして行っていたのだが、役目を忘れてキレる鬼が増えたためだという。

 ちょっと遅れましたが節分もの。節分というのは、行事としてなかなかよくできてると思います。アトラクション性があるし、演劇性もある。私が子供の頃はなかった(一般的ではなかっただけか?)ですが、恵方巻という食要素も入ってきたし、その恵方巻もいろいろ変わり種があったりして楽しい。クリスマスくらい盛り上がってほしい。今年も近所の神社の餅撒きに行きました。

【ほぼ百字小説】(5005) 夏の暑い盛りに火鉢で餅を焼いて大量に食う。日常の中のちょっと奇妙なそんな状況にもっていく段取りが見事で、それがあってこその蛇含草のリアリティと思っていたが、それは上方版だけだと知ったときの消化不良感。

 先日、『蛇含草ホテル』という芝居を観て、それで落研の頃のこととか、落語のこととか考えて。いや、芝居にそんなのは出てこないんですが、でも、中で扱われてる落語は上方バージョンでした。そして、顧問の先生が関西の人だったからそうなった、みたいなエピソードがあった。あ、登場人物たちが大学の落研だったんです。そして、蛇含草というのは大蛇の消化不良を助ける薬草。

2月8日(木)

【ほぼ百字小説】(5006) 幽霊が井戸から出やすいのは、井戸が人間の自我と繋がっているから。同じ幽霊が普段とは異なる井戸から出ることもできるのは、すべての井戸が意識の底で繋がっているから。この二つが超光速通信網の基本原理である。

 昔のSF映画に『禁断の惑星』というのがあって、私は小学生の頃にテレビで何度か観ました。これに出てくるのが「イドの怪物」というやつで、子供の頃はずっと「井戸の怪物」だと思ってた。実際には精神分析学に出てくる用語としての「イド」。異星の文明が作った都市に人間の精神を念力みたいに増幅する装置があって、それによってイドが怪物化する、というアイデア。当時のSF映画としてはかなり画期的でした。
 あと落語の『皿屋敷』に、時刻たがえず毎晩出る幽霊、というのが出てきて、しかもお菊さんだから皿を読むのですが、九枚という声を聞いたら死んでしまうが、七枚くらいで逃げて帰ってきたら大丈夫、というのが大好きでした。再現性があって、ある規則に従う、というのはもうサイエンスの領域ですよね。まあそんな話。

【ほぼ百字小説】(5007) そうかっ、大蛸は、負うた子だっ。探偵が浅瀬を渡りながら叫んだ。くそっ、もっと早く気づいていればっ。ははあ、じゃあ吸盤は、九番なのかな。とは思ったが、なんか恥ずかしくて言い出せないうちに第三の犠牲者が。

 ミステリです。これはあくまでも個人の意見ですが、この謎いる? とかよく思ったりします。こういうこともあるんじゃないかなあ。えっ、また駄洒落? とか思って、謎を解くのをついためらってしまったり。この犯人のセンス嫌いやわあ、とかないのかなあ。

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