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最近の【ほぼ百字小説】2024年1月27日~2月5日


【ほぼ百字小説】
をひとつツイート(ポスト)したら、こっちでそれに関してあれこれ書いて、それが20篇くらい溜まったら、まとめて朗読して終わり、という形式でやってます。気が向いたらおつきあいください。

【ほぼ百字小説】(4976) 風景画の中や盆栽の上を想像で歩き回る訓練を重ねて、いよいよ鏡に映った自分の上を歩き回る訓練に入った。いつかあの頭山に登ってみたくて始めたことだが、もちろんあの話と違って、己を乗り越えるために登るのだ。

 わりとこういうことが好きで、掛け軸の山水画とかをずっと見ている子供でした。そして、「頭山」ですね。あの話は大好きなんですが、よく考えたらノイローゼになって自殺してしまうのが結末ですから、それを考えるとちょっと笑いにくかったり。いや、それがいいんですけどね。

【ほぼ百字小説】(4977) 土に潜ることにした。細いアンテナを一本だけ外に出しておくが、見つからないように笹薮に紛れ込ませようと思う。見つかってもいいように周辺の土に似たようなアンテナを何本も立てる者もいる。どっちがいいのかな。

 アンダーグラウンドに潜る話、なのか? 書いててもよくわからない。アンテナだけを出すのは、「水遁の術」みたいな感じでしょうか。よくわかりません。でもやっぱり地上に出してるアンテナをどう処理するか、というのは問題だろうなあと思います。まあよくわかりませんけどね。


1月28日(日)

【ほぼ百字小説】(4978) 小型の肉食獣のようにトレーラーの横っ腹に爪を刺し入れて肉を毟り巣へと運ぶ毎日で、こいつさえあればエイリアンの女王とだって戦えるぞと思った。フォークリフトを見ると今もあの感覚を思い出す。戦ってないのに。

 ツイッターに、この長さだと小説とエッセイと日記は同じものだと思う、みたいなことを書いたんですが、まあこれなんかはそうですね。あったこと、思ったことそのまんま。トレーラーからビールを降ろしてました。『エイリアン2』で、あれを見たときは感動した。パワードスーツというものを兵器じゃなく作業機械の延長として捉えたのは、あれが最初じゃないかと思います。カラーリングとか警告灯がついてるとことか、ほんとにそれらしいんですよね。

【ほぼ百字小説】(4979) あの神社の狛犬の片方、頭部が半分ほど溶けたようになっている。雨に穿たれてそうなったと思うのだが、最近その中からもっと固い何かが覗いている。もしかしたら、犬ではない何かが掘り出されようとしているのかも。

 頭がちょっとへしゃげたみたいになっている狛犬があるのは本当。そこからの連想というか妄想ですね。狛犬の中に何かが入ってる、というのはなかなかいいと思う。何がいいのかわからないけど。

1月29日(月)

【ほぼ百字小説】(4980) 河童を目撃したというが、皿はない、甲羅もない、胡瓜に目もくれない、となぜ河童とわかったのか、みたいな証言で、河童要素は湖にいたことだけ。さらに、首が長くて菱形の鰭があったときては、もう別ジャンルでは。

 このあいだ実際に、河童要素がほとんどない河童目撃譚を聞いて、さっそくそれを使いました。ということで、林譲治さん、すみません。いや、林さんが目撃したんじゃなくて、お知り合いだそうです。まあ、河童とネッシー的なものは同じUMAではありますが、でも河童は妖怪でもありますからね。やっぱりジャンルは違うのかな、とか。


【ほぼ百字小説】(4981) 好きなのを選べるらしいので、試しにいろんなものになってみた。あまり大きいのや強いのや華やかなのは、それはそれで大変で、亀くらいがいいか、とは思ったが思い切れなくて、中を取って今のところ人をやっている。

 どうなんでしょうね。何がいいのかなあ。かなり難しいですよね。ばしっと決めることはできなくて、まあ中を取るんじゃないかなあとは思います。何との中を取ったのかはわからないけど。

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