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最近の【ほぼ百字小説】2024年2月18日~3月1日

【ほぼ百字小説】をひとつツイート(ポスト)したら、こっちでそれに関してあれこれ書いて、それが20篇くらい溜まったら、まとめて朗読して終わり、という形式でやってます。気が向いたらおつきあいください。

2月18日(日)

【ほぼ百字小説】(5027) 休むことなく次から次へと空中に動画が吐き出されていて、それらはヒトの見る夢によく似ている、と多くのヒトは感じるらしいのだが、それらが果たして悪夢なのかどうかとなると、外から見ているヒトにはわからない。

 まああれですね。AIが自動生成した動画。いや、すごいことができるようになったもんです。あんな動画が簡単に作れてしまうんなら、ちょっとあれに言葉をつけたりするだけで、かなりおもしろい作品ができるのでは、とか思います。たとえば、こんなのとか。そして、言われてみればたしかに夢に似ている。作られる仕組みが夢に近いのかもしれません。まあなんにしてもいろいろおもしろいですね。はたして創作とそういうものの関係はどうなってしまうのか、というのは、なるようになるだろうしなるようにしかならないだろう、としか言いようがないですが。

【ほぼ百字小説】(5028) どこもかしこも虫食い穴だらけで、まともなところがひとつもなくなってしまったが、いやいや、この穴はすごく値打ちがありますからね、もっと大きくしなければいけません、儲かりますよ、と口をもぐもぐしながら虫。 

 まああるあるですよね。そして虫食い穴をいいものだと言い出すのは虫ですね。まあ虫にとってはいいものですからね。最近は、「経済効果」とか言うようですが。

2月19日(月)

【ほぼ百字小説】(5029) 優しいこと言ってくれるんです。いつも愛想よくて親切で、嫌な顔ひとつせずにいろいろ手伝ってくれましたよ。まあこれでお金さえ返してくれたらいいところしかないんだけど、人間ひとつくらい欠点はありますからね。

 あるあるですね。まあ詐欺師はお金を持って逃げるまではいい人、というやつ。でも、騙されたい人は、そうなってもまだ騙されてたりする。

【ほぼ百字小説】(5030) 記号をひとつずつ読み、その記号が連なって次の行動が決定する。行動するのは別の者で自分は記号をひとつずつたどる役。生まれたときからそんな一本道を歩いている。この道のほうが自分で、この自分は回想なのかも。

 チューリングマシンみたいな知性と考えるとして、そのプロセスを分解していくと、いったいそれはどの段階で知性と言えるのか、とかそこに自意識みたいなものが発生したとして、そこにおける自分というのはどこにあるのか、とかまあそんなふうなやつかな。まあそれはマシンに限らず、脳でもそうじゃないかな、とは思う。

2月21日(水)

【ほぼ百字小説】(5031) 蠅だらけだと最初は思っていたが、蠅取り紙に貼り付いた蠅を見ると、さほど多くもなく、むしろ少ない。がんばって飛び回って数が多いように見せていたらしく、その数の少なさにいちばん驚いているのは他でもない蠅。

 あるあるでしょうね。蠅取り紙なんて、今の子供は知らないだろうなあ。私の子供の頃でぎりぎりくらいか。台所の天井に吊るしてました。粘着テープみたいなやつ、蠅がくっつくんです。今から思うとかなりヘンテコな風景です。

【ほぼ百字小説】(5032) どうやってもなぜか蠅が混入してしまって、物体電送実験は失敗続き。物体を電送する技術はあるのに蠅の侵入すら防げない、これひとつの不思議。などと納まっている場合ではなく、いっそ蠅男製造機として発表するか。

 蠅つながりですが、蠅と言えばやっぱりこれですよね。『蠅男の恐怖』そして『ザ・フライ』。どっちも好きです。まあ、『ザ・フライ』の方は、こういう話でもあったなあ、と思う。もうどんどん混ぜていくための機械として使えばいいのでは、とか観て思ったなあ。

【ほぼ百字小説】(5033) ロケットが雲を突き抜けて白煙を伸ばしながら上昇していくところを捉えた動画は飛行中の旅客機の窓からスマホで撮影してSNS上に置かれたもので、それを自宅のPCの画面で眺めているこれがSFではないとはなあ。

 このあいだあったこと、思ったこと、そのまんま。こういう動画が投稿されていた。いや、すごいなあ。子供の頃思っていた未来とはだいぶ違ってはいるけど、たしかに今は未来だなあ、とつくづく思います。

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