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今週の【ほぼ百字小説】2021・6月21日~27日

 ということで、今週もツイートした【ほぼ百字小説】について、あれこれ書きます。100円で一週間分読めます。ツイートしてから続けてこちらも書くつもりです。まあそういうライブみたいなもんだと思って投げ銭していただけると嬉しいです。


6月21日(月)


【ほぼ百字小説】(3184) 昨夜は怖かったな。鳴りっぱなし光りっぱなしで、落ちまくってたもんな。雷雨の翌朝、物干しの亀に話しかけたが、いつものように亀は水から頭だけ出してこっちを見るだけ、と思いきや、甲羅を青白くスパークさせた。

 はい、亀ものです。そして物干しもの。【ほぼ百字小説】の定番と言うか、意識的にやってる「同じ場所」「お馴染みのもの」のやつですね。そういうやつは全部そうなんですが、現実とシンクロしています。うちには亀がいるし、それはいつも物干しにいます。冬眠も物干しの盥の水の中でします。でもまあ読めばわかる通り、現実そのままでもない。いちおう自分の中の設定としては、亀だけど亀じゃない、みたいにしてます。ようするに、まあなんでもありなんですが。それは日ごろから亀という生き物を不思議に思っている、というのともシンクロさせるようにしてます。でも、それ以外のところはだいたいあったことそのまんまが多いです。そういう、とくに作らないそのまんまのおもしろさ、みたいなものが出ればいいなと思ってるんですが。

 何日か前に夜中に雷がすごくて、その翌朝、こんなことを亀に話しかけたことは本当です。よくそういうことをしてます。スパークはしませんが、そういうこともあるかもしれないなと思います。あれだけどっかんどっかん落ちたら、物干しの亀も帯電してるのかも、とか。

【ほぼ百字小説】(7) ごとごとごとごと、ベランダが騒がしいから覗いてみると、また亀が何か作っている。いつからか、いろいろ器用に自作するようになった。なあ、あれって亀なのかなあ? 妻に言うと、今さらそんなこと、と呆れられた。

 これが最初の亀もの、物干しもの、ですね。けっこう早い時期に登場してます。最初からなんとなくそういうふうにしようと思ってたみたいですね。とくに意識はしてなかったんですが、たぶん頭のどこかが考えてたんでしょう。あ、この妻もそうですね。けっこう正体不明です。そしてもちろん娘も。でもまあそれは現実でもそうですから。

【ほぼ百字小説】(2377) 竈だとばかり思っていたら亀だ。穴から手足と尻尾と頭を出して歩いているこれはどう見ても亀。と思いきや、またまた穴から炎が噴き出てきたからやはり竈か。しかし回転して空を飛ぶのは、亀っぽいのか竈っぽいのか。

 亀だけど亀じゃない、をもうひとつ。回転して飛ぶのはもちろんあの怪獣ですね。あの、というか、『ガメラ』です。あれが果たして亀なのかどうか、というのもわかりませんが。平成版のガメラの舞台になってるのは、亀の存在しない世界、ということになってますね。あれ、カメだからガメラ、というのが嫌だから、じゃないかなあと私は思います。映画の中で、亀という言葉は出てきません。ガメラを見ても、だれも「でかい亀だ」とは言わないんですね。作り手のそういう妙なこだわりはおもしろいですね。

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