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俺と嫁が初々しい二人を観察しているときのクソどうでもいい会話

先日、俺と嫁とベイビーと少しオシャレなディナーに行った。

そこはデザートが食べ放題だ。
ひとつひとつのデザートがうめぇ。

そして、きらびやかでオシャレだ。
俺の娘(10ヶ月)はキラキラしたとこが大好きで、終始ご機嫌だった。
ベイビーのテンションMAXだったので、店員さんや他のお客さんたちも優しく相手をしてくれて感謝感謝だった。

そんな優しい時間の最中、事件が起きたのだ。

俺と嫁とベイビーが座っている席の横に、チェリーボーイとチェリガールのカップルにぎりぎりなってない感じの二人が来たのだ!!


俺の推理家として本能が目覚める。

俺「ふむ。こやつ、告白しようとしてるな。」

嫁「またタロの助の推理がはじまったぁ。」

俺「まぎれもない。こやつはチェリーだ。しかし、今日告白をするはず。でも今のままではダメだ。チェリーだけど、ちょっとクールぶってしまっている。」

嫁「なるほど。確かにカッコつけてるけど少しぎこちないね!」

俺「そうだ。漢は動揺しているとカッコつけてもうまくいかない。この場合は変にクールぶってカッコつけるよりも、素直に「俺緊張してるかも!ごめん!」と言った方が好印象だ」

嫁「なるほど!そっちの方が女性側も会話をしやすいかも!」

俺「漢はどうしても心の奥にあるカッコイイ自分像を出したがる。しかし、それはダメだ。意識して出しているとうまくいかない。こいつはまだ、その域に達していない。」

嫁「ほぉ!ちなみにタロの助の中の自分のカッコイイ像はどんな感じ!?」

俺「俺か?俺は素のままでカッコいいから、だいたいこのままだ。」

嫁「あ〜だから、しゃべると残念って言われるのか。。。」

俺「はっ!?そんなこと言われてるの!?俺!?ふざけんな!!!見る目のない奴らめ!!!」

嫁「まあまあ、いいじゃん、黙ってたらカッコいいから。それより二人でデザート取りに行ったよ!」

俺「むっ!!あいつ!早まるなよ!!」

嫁「えっ!?何が!?」

俺「クールぶってるくせに甘いケーキはダメだ!クールと可愛さのギャップを狙ってるのかもしれないが、まだやつはクールでかっこいいとは思われていない!」

嫁「もどってきたよ。あのケーキおいしそうね!」

俺「あの野郎!バカがっ!いちごのショートケーキ持ってきてるけど、ケーキ横に倒れてるじゃねーか!!」

嫁「カットしたケーキってたまに横に倒れちゃうよね」

俺「彼女を見てみろ。カッコつけてるくせに、ケーキ横に倒れてる。。。って顔で見てるだろ?」

嫁「いやぁ、別にそーゆー顔してなくない??」

俺「あのバカッ!!シャツから乳首浮いてるじゃねーか!!筋肉アピールでピチピチきるなよ!!しかもたいして筋肉ねぇじゃねーか!!」

嫁「いや、タロの助もまあまあ乳首浮いてること多いよ。」

俺「えっ?まじで!?」

嫁「ちょっとまって!チェリーくんが話してる!」

俺と嫁は耳を澄ます。

チェリーボーイ「美味しいよ。食べて見る?」


嫁「…………。」

俺「ばかやろぅ!!!何いってんだあいつ!!横に倒れた食いかけのケーキをすすめるなよ!!しかもここは食べ放題だ!!」

チェリーガール「うん。ありがと。美味しいね。」


嫁「普通に食べたよ。」

俺「……………。食べたな。腹減ってたんだろ。」

嫁「いや、違うよ。自分のために一生懸命計画立てて、美味しいディナーを予約してくれて、上手く話せなくても勇気を出して、そんな男の子が食べてみる?って言ってくれたら私も食べるもん。」

俺「……………。」

嫁「タロの助はもともと口が達者で、頭の回転も速いし、見た目もいいから苦労してこなかったかもしれないけど、普通はみんな努力して、少しずつ成長するんだよ」

俺「…………。」

嫁「人には人のペースがあるの。あの二人にはあの二人のリズムがあるんだよ。」

俺「うっ。。。うっ。。。ひぐっ。ひぐっっっ。」

嫁「ちょっ!?どうしたの!?」

俺「ひぐっ、ひぐっ!!俺だってチェリーボーイ時代は苦労したし、頭の回転だって速くなかったし、口だって達者じゃなかったのに〜!!経験積んで、修行して、涙を重ねて今の俺があるのにぃぃぃ!!」

嫁「ちょっ!えっ!?わかったって!!ごめんって!!ごめん!!!」

俺「ひぐっ、俺はケーキとってくるときぃぃぃ!!倒れないようにぃぃぃ!ひぐっ!気をつけてるのにぃィィ!!」

嫁「わかったって!!わかったから!!


誰だって最初からできるわけじゃねぇ。
恥ずかしい失敗だってたくさんしてきた。何度倒れても、何度泣かされても、それでも諦めずに、人を好きになり、愛し、愛され、裏切られ、それでも信じて、そうやって少しずつ強くなってきたのだ。

この話に出てきたチェリーボーイがこの後どうなったのか、俺は知らない。
嫁に泣かされてたから。

でも一つ言えること、それは



「人を愛する人の姿は、いつの時代も素敵だ」ってことだ。


愛する人のために何か行動をする際は胸を張れ。

自分の愛を恥じるな。






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