自己分析という病

就職活動をしていると下記のような内容を言われる/目にすることが多々あるだろう。

「あなたが人生で成し遂げたいものは何だ」

「自己分析をして本当にやりたい仕事を見つけよう」

「好きなことを仕事にするんだ」

「自己分析を通じて自己理解を高め、就活に活かせ」

私も意識高めなベンチャー企業を受けている時にうんざりするくらい聞かされた記憶がある。

殆どの学生は上記の発言を真に受けて自己分析を始め、「この企業に行きたい」と思った会社を受ける。そして多くの場合、落ちる。

個人的な意見だが、就職活動において自己分析ほど無駄な時間はない。

殆どの学生が、敷かれた既存のレールに乗っかって中学校、高校、大学に進んできたことだろう。今まで学校の教師や親、塾の先生から「これをやりなさい」と指示されたものをどれだけうまくこなすかで評価されてきた普通の学生が、過去の体験を遡って本当のやりたいことを見つけられるのだろうか。

仮にやりたいことがでてきたとしても、こんな感じではなかろうか。

「海外留学/旅行に行って、日本の影響力が落ちていることをもどかしく感じる→総合商社に行って、日本の優れた技術やノウハウを発信し、日本人がもう一度日本を誇れるような国にしたい!」

「サークルで揉め事が起きた時に、自分が率先してその問題を解決することができた→今度はコンサルタントとして日本企業の抱える課題を解決して、社会を変えていきたい!」

「サークルで飲み会の幹事をよく引き受けていた→お酒によってコミュニケーションが深まり、メンバーが仲良くなった→ビール業界に行って、日本中を元気にしたい!」

「過去、自分の肌にコンプレックスがあった→化粧を覚えてコンプレックスがなくなり、周りから褒められ自信を持てるようになった→化粧品業界に行って、日本の女性が自分に自信を持てるようにしたい!」

「海外旅行楽しい→旅行を通じて様々な人に価値観を変えて欲しいから旅行業界!」

「勉強ができず、落ちこぼれの学生だった→塾/学研に出会い、希望の大学に行くことで様々な経験を得ることができた→教育の機会を多くの人に与える為に、教育業界に行きたい!」

そう、自己分析を通して得られる志望理由など、他の学生とほぼ大差ないのだ。

更に、そんな薄っぺらい経験から導き出された「自分のやりたいこと」など、入社すればものの1ヶ月で「実際はそんなこと自分のやりたいことじゃ全然なかった」と気づくだろう。

また、自己分析で自分の強み/弱みを見つける時間も無駄だ。

大抵の人にとって、本当の弱みと言えるものは面接で言えないものばかりだからだ。「意志が弱くて朝起きられない」「辛いことに当たったら逃げる癖がある」「面白い事ばかり優先し、嫌な事があると先延ばしにしてしまう」など、心当たりがあるのではないか。

そのため、殆どの学生は自分の本当の弱みには目を瞑り、「強み(これも虚偽であることが多い)の裏返しを弱みにする」などで逃れようとする。

そんなことしか得られない自己分析に多くの時間を費やす意味はあるのだろうか。

今まで数百人以上の学生の就活相談に乗ってきたが、「自己分析をしてもやりたいことが見つからない/自己分析で行きたいと思った企業が本当に自分に合うのか不安」という声を多数聞いてきた。

私は、「やりたいことが見つからない」と言っている学生には、下記の内容をアドバイスしている。

1.どこの企業に行きたいかは内定を取ってから真剣に考えよう

2.本当に自己分析するとしたら複数内定を獲得した後。取らぬ狸の皮算用をする暇があるなら内定を取る為の意味のある努力をしよう

3.そもそも仕事というのは殆どの場合人がやりたくないことを集積したものであり、だからこそ給料が発生する。やりたい仕事なんて見つからなくてもいい

4.だから、どこの企業を受けるかは「自分が耐えやすい条件の多い企業(給料、休み、世間体等)」でいい

つまり、就活は「志望企業や成し遂げたい事があって当たり前」ではなく、その逆なのだ。やりたい事がない、就職偏差値の高いところに行きたいというので全く問題ない。

あなたがSHOW ROOMの前田氏のように、起伏の激しい壮絶な人生を歩んでいたなら別だ。だが、そんな学生など殆どいないだろう。

だからこそ、自己分析という病から解き放たれる必要がある。就活など所詮ゲームだ。重く捉える必要はない。

仕事をしていて思うのだが、社会人として大事なことは「プロ意識」である。

勤めている企業から給料を貰い、生活の安定を保証されている以上、「自分のやりたい事ができない」と職務放棄するのは言語道断だ。給料という対価を貰っている以上、つべこべ言わずに給料以上の価値を出せ、というのが自論である。

本当にやりたい事を見つけられる学生なんて一握りであり、普通の学生か気負う必要はない。

とにかく内定をとりまくってから考えればいい。自分の人生を決めるのはそれからだ。

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