ICUDiaryの良きことと弱点(体感で)

ICUDiaryって知ってます〜???

ググればね、たくさん文献や資料出てきます(*´Д`*)なので私は敢えてそこらカットして端的にまとめます🤚ICU diaryなにそれ?みたいな方がさくっと読めた方がいいからね💡

ICUDiaryとは・・・

いつ・どこで:ICU等のクリティカルケア領域に患者さんがいる時に
だれが:患者自身・患者を囲む家族等の近親者・スタッフ
どのように:その日の出来事を書くor代筆orメッセージ等を日記に書く
何の為に:PICSと呼ばれる上記期間を脱した後に起こる身体・認知機能・精神障害に陥る状況とその家族への障害をも回避または軽減するため


ICUでは生命の危機に瀕している方が多く、意識が曖昧だったり、薬剤で眠る必要があったりなどなどの理由で記憶が曖昧になります。そういうのを「記憶の欠落」「記憶の歪み」って言います。

その結果、記憶の欠落や歪みに対して退院後ですらも悩まされたり、不眠になったり、なんか元気が出ない等の状態になることもあります。他にも色々要因はありますが、そういう症状をもっと知りたい方は「PICS」で調べてくださいな_φ(・_・

ICU diaryを記載することで、その記憶の欠落や歪みを補填できることがいわれています💡なんで???って思う方は論文読んだ方が早いわ笑

ということで、

私が体感するICU Diaryやっててよかったこと!!!

①患者さんが自分の病状経過や状況に興味関心を持つ機会が増える(低活動のせん妄だと関心すら持てなくなる場合もあるので)

(当院では書ける方はご自身で書いてもらうので)筆談力があがる=利き手の運動能力が保持される

③ICU退室後に自ら読んで振り返っている そして退室後のHADSスコアえぇ感じ(データとりつつ集計前なので、えぇ感じとしておきます笑)

④ご自身が書ける場合は、せん妄症状が著しい時と、そうでない時の差が文章で分かってくる(これいずれ研究したんだよね。何もないときは文章普通に書けるのに、せん妄になると途端にカタカナばっかりとか、文字のサイズぐちゅぐちゃとか、個人差が出ます)

⑤見当識障害がある時に日記を用いて記憶の歪みを是正する=スタッフ間で患者に対して共通ツールで働きかけることができる

⑥面会が頻回にできないご時世、ご家族が不在時の状況が分かる。同時にまだまだICUにいるうちは寝たきりって思っているご家族多いので、リハビリでこんなことしてますよ〜って写真も載せてるので理解が深まります

⑦うちは患者さん自身が眠ったり鎮静中にご家族が来た際は日記にメッセージを書いてもらっているので、患者さんが起きた時に読めて良い

⑧患者さんが亡くなってしまった時、最期のがんばってきた証になる。  毎回、ご家族のみなさんが大切に持ち帰られます(これをみるとICUDiaryの終末期への効果もいずれ研究したいな〜と思っているわけです)

しかし、いいことばかりではないはず・・・

私が体感するICU diaryの弱点!!!

①日記をどうやって準備するの問題(これは施設によってだいぶ変わりそう。でも、こういう所って大切で、しっかりルール化して伝えないと文句ばかりのスタッフとか出てくるので。後はどういう経費でどういう目的でやってますってのを他部署にも周知した方がいいです。絶対に。ICUだけずるいってなってもいけないので。通す場所には通しましょう)

②業務増えるんじゃないか問題(これはね導入半年くらいでなんとかなります。1年も経てばスタッフが率先して「今日のリハビリの様子写真撮って日記に貼ろう!」ってなります)

③効果が不明瞭問題(どうしても最大の効果を発揮するのがICU退室後だったりするので、ICUのスタッフは効果が見えずしょんぼりさんになりがち。うちは私のようなCNが病棟での様子や、ICUダイアリーがあってよかった〜っていうエピソードを意図的にICUスタッフにフィードバックしています。)

④書ける患者さん少ないんじゃないか問題(これもいいんですよ、患者さん自身が書かなくてもスタッフが書いた内容で記憶の補填をすることも十分なので)

⑤書く内容困る・書いちゃいけないこと書きにくい問題(これもうちはあんまり悩まなかったんですよね〜。『誰が読んでも良いように表現に気をつけましょう』って周知しただけなんですけど、スタッフみんないい感じに書いてくれます。あとは日記のなかで良い表現があれば抽出してスタッフに発表はしてます。こういう書き方がこういう理由で素晴らしい!みたいに)

以上!!!

何かをやる時には何かしら弊害はあるものですが、個人的には体感だととっても良いことばかりなので、オススメしま〜す。


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