飛行と滑空

2019年8月26日 18:59

皆さんは安定という言葉を聞いてどのようなことをイメージするでしょうか。

辞書で「安定」という言葉を引くとこのように出てきます。

①物事が落ち着いていて、激しい変化のないこと。「物価の―」「天気が―する」
②〔理〕物体のつり合いや運動の状態がわずかな乱れを与えられた時に、元の状態へ戻ろうとする性質を持つこと。「この壺は―が悪い」
③〔化〕物質が分解・反応・壊変しにくいこと。

簡単に言うと、「今の状態から変わらないこと」が安定という言葉の意味のようです。

確かに、一般的に安定という言葉が使われる時の意味としてはこういったイメージが多いと思いますし、世間的なイメージとして「安定＝変わらない」というのは正しいと思います。

ですが、ビジネスにおいてはこの考えはとても危険です。

ビジネスにおいて「安定＝変わらない」というイメージをそのまま持ってしまう事は、世の中から取り残されることに繋がり、衰退に繋がります。

なぜならそれは、市場や世の中が常に変化し続けているから。

自分たちは変わっていなくても世の中が変わっています。

特に現代では世の中の流れは急激に早まり、1年前当たり前だったものが今日では当たり前ではなくなり、10年前には想像もできていなかったものが世の中に溢れかえっています。

そんな時代において、社会的価値を持ちながら事業を行なっていく為には、常に時代の求めるニーズを敏感にキャッチしていかなければいけません。

ビジネスにおいて「安定＝変わらない」という考えは、言うなれば、空を飛びながらも緩やかに下降している「滑空」の状態です。

その状態では決して上に上がる事は出来ず、落ちていくだけになってしまいます。
そしてこの滑空状態は一見すれば空を飛んでいる状態なので、自分が緩やかに落ちていることにも気づきにくくなってしまいます。

つまり、ビジネスにおいての本当の安定とは、常に羽を動かし続け、重力に逆らいながら空を飛んでいる状態にあります。

社会という大空の中、自身が落ちないように世の中の流れ、変化に合わせて飛び続ける。

それこそがビジネスにおいての本当の「安定」であり、変化の激しい世の中を生き残る方法です。

上に行けば行くだけ羽を休めたくなりますが、そこで羽を止めてしまったら残るのは滑空のみです。

変化に恐れず、変化し続けていく人こそ、いつまでも空を飛び続けることのできる、本当の安定を手に入れることができるのだと思います。

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