輝き人! NO.9 JAMIL

おそらく大学のサークルとなると、テニス、ダンス。
“テニサー”、“ダンサー”という呼び名がある通り、この2種類のサークルが確固たる地位を築いているのに間違いありません。
“ダンス”と言えば、“ヒップホップ”と考える人も多いでしょう。
でも、“ヒップホップ”だけがダンスじゃない。
もっと言えば、サークルだけがダンスをする場所でもないはず。
今回は輝き人!として、JAMILを紹介します。
代表の安室さんとレッスン部長の小高さんにお話を伺いました。

JAMIL
正式名称:フェリス女学院大学ベリーダンス部JAMIL。
フェリスフェスティバルでの発表の他、主に横浜の各地で公演を行う。
ダンスを通じて、慈善活動にも参加し、あらゆる人にベリーダンスを伝えている。
テレビの特集でも取り上げられ、今後の活躍が楽しみな“輝き人!”たち。

interview

―まず初めに、サークルの紹介をお願いします。
フェリス女学院大学ベリーダンス部JAMILです。名前の通り、サークルではなく部活です。この緑園キャンパスで、週に2回レッスンをしています。今年は3年生4人と1年生4人で活動しています。プロのダンサーの先生のレッスンを月に2回ほど受けさせて頂き、3年生にとっては最後となる11月のフェリスフェスティバルのステージを目標に練習をしています。それ以外にも外部から依頼を受けることもあって、国際フェスタや福祉施設、お祭りなどでも披露しています。神奈川県庁での公演もさせて頂きました。加えて、今年は、3年に一度行われる横浜ダンスパレードにも出させて頂きました。その際に神奈川テレビでも取り上げて頂きました。歴史はまだ浅いのですが、様々なステージで披露させて頂いています。
―ダンス以外の活動を教えて下さい。
ダンスを使って、慈善活動をしています。老人ホームやサポートセンターなどの方と触れ合うことで、多少なりとも元気を与えられるように励んでいます。最後には衣装を着て写真を一緒に撮ったりしました。そのように社会貢献もしていけたらって思います。
―メンバー全員の共通項は何ですか?
学年によって、結構色が違うんです。でも、やっぱりみんな、踊りを通して癒しなどを与えて行きたいことや、自分たちの踊りを見てもらいたい気持ちは共通してあると思います。JAMILは伝えていく方に力を注いでいるので、私たちが多くの方の前に立って踊ることで、もっとベリーダンスの楽しさや魅力を知ってほしいです。見ている側もやっている側も笑顔になれるものですので。それに、ほとんどすべての先輩が引退しても、ダンスを続けているので、ダンスの技術を上げたい気持ちはみんな持っていると思います。
―それでは聞いていいですか? ベリーダンスの魅力を。
ベリーダンスはダンスの原点と言われており、アラブの悪いイメージを払拭することを含めて踊りでポジティブなところを伝えています。そして、女性の美も表現しています。曲の歌詞にも意味があって、振り付けにも一つ一つ意味があるんです。これは、どのダンスも共通なんですが、ベリーダンスもコトバでは表現できないものを表現しています。でも、ダンスの中でも特殊なジャンルですので、注目してもらえるのも魅力の一つです。

(安室ゆうな)

―メンバー同士の結び付きはどうですか?
ほぼ一緒にいつも練習しているので、結び付きはかなり強いです。人数が少ないので、ほぼ全部の曲をみんなで踊っています。それに、お互いの意見が言えて、意思疎通が図れるのも少人数ゆえの強みです。でも、大きくしていきたいです。学年単位で踊ったりしますので、1学年に6人で、合計で18人くらいが理想です。
―今年新しく挑戦することはありますか?
はい、あります。実はもう既にやってしまったのですが、立教と早稲田のベリーダンスのサークルと合同発表会をやりました。これまで毎年同じことをやっていてマンネリ化した雰囲気があったので、それを払拭したかったのと、ベリーダンスをやっている団体が少ないので、つながりが欲しいと思ったのがきっかけです。私たちは人数が少ないところが弱みでしたが、混ぜてもらうことで、そこをカバーできました。今後も合同で発表会やレッスンをやっていこうと話し合っています。
―JAMILの世界観を教えて下さい。
いろんな人がハッピーになることです。まずは私たちが笑顔で踊って、お客さんを笑顔にしていきたいです。踊りを通して、私たちが目の前にいる人たちを楽しませたり、その人たちと仲良くなったりして、幸せの連鎖が起きていく感じです。人間として豊かになれるのもJAMILの魅力です。それに、大学生となると、ベリーダンスがダイエットのためにあるような印象が強いですが、文化的な面もあるということも伝えていきたいです。私たちはその文化を理解した上で踊っています。
―ダンスを通じて伝えて行きたいものは何ですか?
これは、ベリーダンスのコンセプトにもなっているんですが、アラブの悪いイメージを取り払いたいです。それに、ベリーダンス自体に露出が多いなどの偏見が多いんですが、ダンスそのものの魅力があるっていうことも伝えていきたいです。私たちはボランティア活動などをして、より多くの方々に踊りというエンターテインメントを届けていますので、是非、私たちの踊りを見て、喜んでくれれば幸いです。

(小高玲奈)

―このチームの強みと弱みを教えて下さい。
長所としては、個々のダンスのレベルが高いことです。他大の団体と練習をして、それが客観的に分かりました。それに、人数が少ないので、個々に行き渡るレッスンができて、それぞれが自分たちのダンスを模索できるところです。短所は、やっぱり人数ですかね。あと、体力的に長期の公演は厳しいです。着替えが間に合わなくなったりします。
空き時間の使い方は課題ですね。でも、人数不足は、OGの方に参加してもらって、カバーしています。創部当初から、レッスンの先生が変わっていないので、共通のダンスもあったりと、何かと心強い存在です。
―人数不足で部活が潰れることを考えたりはしませんか?
今年も4人入って来てくれたので、とりあえず大丈夫です。過去にも1学年空いてしまった時はあったので。
―人数が少なくなってしまう原因は何ですか?
派閥であったり、方向性の違いで辞められる方が多いですね。可愛い衣装が目的であって、練習がおろそかになってしまったりとか。私たちは本気でダンスと向き合っているので、そこの意志の疎通ができないことは残念です。入るきっかけは何でもいいのですが、入ってからは覚悟を決めて、練習にしっかり取り組んでほしいです。
―チームとして今まで辛かったことは何ですか?
ひとつに金銭面があります。レッスン代に衣装代と、お金がかかります。そして、私たちは本気で練習をしていますので、それがキツイと思って辞めてしまう子もいるということです。私たちの真剣な思いが伝わらないのが辛いです。私たちはベリーダンス“部”ですので、ダンスに本気な子しか残らないんです。特に女子大なので、インカレなどに入りたがる子が多くて、なかなか人が集まらないのが現状です。
―嬉しかったことは何ですか?
公演をした後に、“良かった”とか“ステキ”など声を掛けて頂いた時です。加えて、次の公演の依頼を下さった時です。ありがたいことに、今まで公演のリピート率が100%で、嬉しい限りです。以前に比べて、ベリーダンス部の存在が知れ渡っていて、それに、自分たちがやってきたことが成果となり、点が直線になっている感じで、それもまた嬉しいことです。
―今のチームに点数をつけて下さい。
70点です。学園祭が近くなってきていることもあって、メンバーの意識が高まってきました。それぞれが意見を出すあまり、まとまらないくらい、みんなが真剣に取り組んでいます。-30点というのは、まだ足りないところがあるからです。結構、言いたい放題なので、協調性をもう少し磨いていきたいです。あとは技術です。2年生がいない分、私たちの持っているものを全て1年生に伝えていかないといけないので、必然的に自分たちの練習に割ける時間は減って来ちゃいます。でも、学園祭に向けて、100点にしていきます!

―PROFILE―
安室ゆうな
Yasumuro Yuna
1994年7月7日生まれ。東京都八王子出身。O型。
JAMIL代表。
座右の銘:「愛嬌というのはね、自分より強いものを倒す柔らかい武器だよ」
小高玲奈
Kodaka Reina
1994年4月9日生まれ。神奈川県鎌倉市出身。B型。
JAMIL レッスン部長。
座右の銘:「放縦不羈」

後半に続く。

取材:梶裕太 編集 高橋祐貴

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